芥川賞は5作品が候補に挙がっています。前回惜しくも『平成くん、さようなら』で芥川賞を逃した古市憲寿、同じく前回『居た場所』で逃した高山羽根子の作品も候補に挙がりました。今村夏子と古川真人はともに3回目で、常連になりつつあります。今回が初なのは李琴峰ただ一人。李琴峰は台湾生まれ、台湾育ちで、15歳から日本語を習い始め、同じころから中国語で小説を書いていたそうです。国立台湾大学卒業後、2013年(24歳)に来日。早稲田大学大学院(日本語教育研究科修士課程)に入学し、修了するという経歴の持ち主。
誰の作品が芥川賞に選ばれても話題性がありそうです。
直木賞は6作品が候補に挙がっています。候補作の著者が全員女性で、これは直木賞始まって以来はじめてことであり、これだけですでに話題性十分です。
選考会は2019年7月17日(水)午後4時から築地・新喜楽で開催され、選考委員は芥川賞が小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、高樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、山田詠美、吉田修一の9人、直木賞が浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆきの9人となっています。[/prpsay]
第161回芥川龍之介賞候補作品
作品名 | 著者 | 掲載誌 | 月号 |
むらさきのスカートの女 | 今村 夏子(いまむら なつこ) | 小説トリッパー | 春月 |
カム・ギャザー・ラウンド・ピープル | 高山 羽根子(たかやま はねこ) | すばる | 5月号 |
百の夜は跳ねて | 古市 憲寿(ふるいち のりとし) | 新潮 | 6月号 |
ラッコの家 | 古川 真人(ふるかわ まこと) | 文學界 | 1月号 |
五つ数えれば三日月が | 李 琴峰(り ことみ) | 文學界 | 6月号 |
選考委員
小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、高樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、山田詠美、吉田修一選考委員 | 芥川賞受賞作品 | 受賞回 |
小川 洋子 | 妊娠カレンダー | 第104回(1990年下期) |
奥泉 光 | 石の来歴 | 第110回(1993年下期) |
川上 弘美 | 蛇を踏む | 第115回(1996年上期) |
島田 雅彦 | なし(候補に挙がったのは計6回) | |
高樹 のぶ子 | 光抱く友よ | 第90回(1983年下期) |
堀江 敏幸 | 熊の敷石 | 第124回(2000年下期) |
宮本 輝 | 螢川 | 第78回(1977年下期) |
山田 詠美 | なし(候補に挙がったのは計3回) | |
吉田 修一 | パーク・ライフ | 第127回(2002年上期) |
第161回直木三十五賞候補作品
作品名 | 著者 | 出版社 |
平場の月 | 朝倉 かすみ(あさくら かすみ) | 光文社 |
渦 妹背山婦女庭訓 魂結び | 大島 真寿美(おおしま ますみ) | 文藝春秋 |
トリニティ | 窪 美澄(くぼ みすみ) | 新潮社 |
落花 | 澤田 瞳子(さわだ とうこ) | 中央公論新社 |
美しき愚かものたちのタブロー | 原田 マハ(はらだ まは) | 文藝春秋 |
マジカルグランマ | 柚木 麻子(ゆずき あさこ) | 朝日新聞出版 |
選考委員
浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき選考委員 | 直木賞受賞作品 | 受賞回 |
浅田 次郎 | 鉄道員 | 第117回(1997年上期) |
伊集院 静 | 受け月 | 第107回(1992年上期) |
北方 謙三 | なし(候補に挙がったのは3回) | |
桐野 夏生 | 柔らかな頬 | 第121回(1996年上期) |
高村 薫 | マークスの山 | 第109回(1993年上期) |
林 真理子 | 「最終便に間に合えば」「京都まで」 | 第94回(1985年下期) |
東野 圭吾 | 容疑者Xの献身 | 第134回(2005年下期) |
宮城谷 昌光 | 夏姫春秋 | 第105回(1991年上期) |
宮部 みゆき | 理由 | 第120回(1998年下期) |
今は興味があっても、仕事もあり、読む時間がなく、受賞作が決まってからその作品を読む程度ですが、あと何十年かして定年退職し、自由な時間が増えたら、文芸誌をもっと読み、候補作が発表された段階ですでにブログには書評を書き終えていて、どの作品が賞をとるか予想ができるくらいになりたいと思っています。そう言いつつ、実際にその時が来たら、結局ゲームばかりしてそうな気もします。[/prpsay]