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「売りたい」を「買いたい」へ

第五の要諦: 『商品説明』



前回までの要諦で、お客様の心を開き目の前のお客様は買うであろうターゲットという事が分かりました。ここまで良い流れで話しが進んできたので有れば、商品説明より先の話しをマスターする事で契約の取りこぼしが無いようにしていきましょう。

前の要諦:『ターゲット』

まず商品説明のお話しに入る前に前提の認識としまして、2つの事をお伝えしておきます。
  • 話しを聞いて相手に合わせる。
  • 自信が必要。

話しを聞いて相手に合わせる
なぜ話しを聞かなければいけないのかと言いますと、第三の要諦でもお伝えしましたが人は自分に関係のない事にはほとんど興味が有りません。そこで相手の興味の無い話しを営業マンがしてしまうと、不快を与えてしまい一気に不成約の可能性が高まってしまいます。

よって、相手の興味が有りそうな方向へと商品の位置付けを合わせていかなければいけません。その為には相手の興味がどこなのかなどを聞き出さなければいけないのです。その上で商品の提案をします。ご自分の勧めている商品が相手の興味の無いものであっても、出来る限り話しをこじ付けてでも相手に合っているように思わせて提案をしなければいけません。

でなければ、お客様は自分の興味の無いもの必要の無いものを購入しようとは思わないわけです。


自信が必要
自信が無い状態でものを売ろうとしても、相手に商品の良さが伝わりません。良さが伝わらなければ売れる可能性が殆どないのです。どんなに話しが上手くても、良い話しをしても、商品の事が詳しくても、相手に良さそうだと思ってもらえません。
逆に自信を持って話しができれば、多少話しが分かりづらかったり言葉が間違えたりしても、相手に「良さそうだな」と思ってもらえるのです。

1つ質問ですが、
ご自分の販売している商品やサービスに自信は有りますか?

成績があまり良くない営業マンに有りがちなのですが、自社の商品やサービスの「悪い部分」ばかりを意識してしまってるかたがいます。そう思ってしまうと、本当の「良い部分」の事までも自信無く相手に伝えてしまうわけです。それではやはり売れないんです。
世の中には100%完璧な商品やサービスというものはございません。誰かにとって100%でも他の人には80%だったり、時期が過ぎれば100%じゃなくなったりしますよね。世の中の商品やサービスを見渡せば分かりますが、ものすごく良いものや自分にピッタリなものは有りますが、金額が高いとかも含めて誰にとっても100%完璧な商品というのはどこにも無いんです。

で有るならば、絶対的に自社商品の良いところばかりに目を向けて、自社の商品サービスが1番良いもので有ると勘違いをした者勝ちなんです。その為には、もちろん自社の商品サービスをしっかり勉強してその良さについて調べあげなければいけませんし、他社の商品なども研究して自社との違いを見つける事も大切です。

しかし万が一でも、ご自分の取り扱っている商品サービスはどう考えてもお客様の役に立つものでは無いとか全く良い部分が無いなどと結論付けるのであれば、扱う商品やサービスを変えるか、もしくは残念ですがこの営業職以外の仕事をご検討されたほうが良いかもしれません。


ここまでが前提知識です。

それでは商品説明のお話しをしていきます。
結論から言いますと商品説明は長々と話しをしてはいけません。出来る限り話しを短くまとめてください。時折り、話しを長くすればするほど相手との心の距離が縮まると思われている営業パーソンもいらっしゃいますが、基本的に営業のプロセスにおいて営業マンの話しが長くなって相手が喜ぶ事は有りませんので注意して頂けたらと思います。

なぜ長々と話しをしないほうが良いのかと言えば、何回もお伝えしてますが人は自分に関係の無い事に興味が無いという事と、興味が有る話しだとしても、人は話しを聞くよりも喋っていたほうが気持ちが満たされるのです。

つまりこの段階では、こちらがお勧めしようとしている商品やサービスに対して相手が興味を持っているのかもまだはっきりとは分かりませんので、そう言った意味でも話しを短くまとめなければならないのです。


次からは商品説明の3のステップの説明です。
  1. 最大のメリット
  2. 必要性の喚起
  3. 手に入れた先の話し

(ここから先は分かりやすいように自動車販売を例にしていきます)
最大のメリット
まずは興味を惹きましょう。その為には最大のメリットを簡潔にお伝えします。ここで興味を惹く事ができると、この後の商品説明がスムーズに進みますし、より相手が営業マンの説明に対して乗り気になってきます。

例えば、軽自動車で有れば「軽自動車なのに中は広々」「軽自動車なのにラグジュアリーな内装」などでしょうか。極端な例えですが、ファミリーカーなら「トイレが付いてます」とか、高級車なら「連動すると全ての操作がスマホで出来る」など。
ここで興味を惹けない無い場合は別のジャンルのものを勧めていきますが、扱っている商品や販売プロセスによっては、販売する商品が決まっていてジャンルの移行ができない場合も有ると思います。

ちなみに、商品説明に入る前に相手の興味や要望などが聞ける状況で有るなら、基本的には商品説明の前までに聞いておいて下さい。


必要性の喚起
より契約の確率を高める為には、お勧めしている商品サービスが「お客様にとって必要なんです」という事をはっきりと意識してもらわないといけません。「なんとなく必要なのかな」いうような軽く考えているレベルから、「これは私に必要だ」というはっきりと意識したレベルに引き上げる事が必要です。
その為には必要性の喚起をしなければいけないんですね。

例えば、軽自動車を勧めるとした場合「お客様のお宅の前の道路が狭いとおっしゃっていましたので、今回お子様の為に初めて購入されるお車は軽自動車が必要ではないでしょうか」とか、ファミリーカーを勧めるなら「今回ご結婚されるという事で、近々お子様を授かる可能性も有り、お爺様やお婆様とご一緒にお出掛けする事を考えると、広々とした大きなお車が必要ではないでしょうか」など、相手の状況や環境、家族構成などに合わせて必要性をお伝えする。お伝えというよりは、教えて差し上げるとか思い出してもらうというような感じかもしれません。


手に入れた先の話し
そして商品説明の最後には、この商品サービスを手に入れるとその先にどんな素敵な未来が有るのかという事を相手に想像して頂きます。お客様の頭の中で素晴らしい未来像をしっかりとイメージして頂けると、お客様のほうから買わせて欲しいという気持ちになりやすいです。
多分、誰もが一回はそのような経験をした事が有るのではないかと思いますが、金額は高めだしもしかしたら今は必要では無いのかもしれないけど、「でもどうしても欲しい!」と思って買ってしまった経験です。このような状態です。

例えば、ファミリーカーをお勧めしているとしたら「家族でお出掛けをして、広々とした大きな車でゆったりのんびり休日を満喫している姿」や、高級車をお勧めしているとすれば「街中を車で走っている時に、周りの人々から羨望の眼差しで見られている状況」などをイメージさせていくのです。
他には、実際に車に乗って運転をしてもらうとか、実際にデモ機やサンプルを試してもらうというのも購入後のイメージを膨らましてもらう為には有効的です。


ここまで順調に話しが進んできましたら、後はもうお客様に良いご決断をして頂けると思います。

まとめ
商品説明では基本的ないくつかのパターンが有り、そのパターン毎で話す内容は定型文のように毎回似たような内容になると思います。この項目の前半の方で説明した、「自信を持って話す」という事を実行してもらう為にも、ロープレが必要です。営業プロセスの全体的にですが、日頃の練習や訓練をどれだけしているかで相手に伝わる印象は変わります。会社でのロープレは少し気が引けるかもしれませんが、営業マンが何よりつらい事は契約が取れない事だと思いますので、是非勇気を出して妥協せずにロープレを実行して下さい。


・次の要諦:『クロージング』
6つの要諦

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