威嚇(DV)
DV加害者専門カウンセラーであるバンクロフト氏によれば、威嚇は感情的な虐待が始まる前兆で、身体的な暴力がそのあとに続く警告サインだとしています。威嚇というのは、たとえば次のようなことです。
● 怒ったとき非常に接近してくる、目の前で指を指す、押す、行く道をさえぎる、監禁する。
● 「おまえにわからせようとしている」と言う。
● 拳を振り上げる、相手に向かってそびえ立つ、黙らせるために怒鳴る、たじろがせたり恐れさせたりするようなその他のあらゆる行動をとる。
● 「俺が怒るのをみたくないだろう」とか「おまえは誰とケンカしているかわかっているのか」などと脅迫する言葉を吐く。
● 怒っているとき無謀な運転をしたり、やたらとスピードを出したりする。
● 壁を殴ったりドアを蹴ったりする。
● 相手に命中しないとしても、まわりの物を投げつける。
ランディ・バンクロフト著・高橋睦子、中島幸子、山口のり子監訳『DV・虐待加害者の実体を知る―あなた自身の人生を取り戻すためのガイド』、156頁。
言われてみると気付きますが、「目の前で指をさす」というのも威嚇に入るんですね。その他、凄んで見せるというようなこともあるかと思います。
威嚇をして相手を怖がらせるような男性から離れるのは、多くの人が考える以上に困難で、関係が深くなればなるほど、女性はその関係から逃げ出すことが難しくなります。
一方、バンクロフト氏は、女性が身体的な恐怖を感じなければならないような威嚇は、既に身体的暴力だとも言っています。
「拳を振り上げる、壁に穴を開ける、女性に向かって物を投げつける、行く手を阻む、拘束する、つかむ、押す、(殴る、傷つけてやると)脅すなど、これらはすべて身体的な暴力です。加害者は女性を怖がらせたり、身体の自由と安全を奪ったりすることを支配する方法として使います。もしこのようなことを一つでもされたら、すぐ電話相談に連絡してください」(前掲書、165頁)。
このような連中というのは、女性を怖がらせる態度をとって、自分は男らしいとでも勘違いしているのでしょうかね? 男としてみっともないですよね。