歪んだ心理空間における精神的被害

モラハラ、DV、ストーカー、セクハラ、性犯罪等における加害者心理と被害者心理

栗原勇一郎被告に見るDV性格

栗原勇一郎被告に、懲役18年が求刑されました。前回の記事の追記で書こうかと思いましたが、長くなりましたので、新しい記事にします。


検察側は「もはや“虐待”という言葉では表現しきれない凄惨かつ非道な行為。拷問やなぶり殺しと表現してもさしつかえないほどの犯行だ」としていますが、まったくそうだと思います。

 

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上の記事でも、心愛ちゃんの母方の祖母が、「勇一郎は、沖縄でDVした時も泣くだけで、自分のしたことは認めない。みーちゃんが悪い、(心愛さんの母が)悪いと言い、(自分が)悪かったなんて少しも感じていない。せめてみーちゃんのことを悪く言うのはやめてほしいです。みーちゃんのことを悪く言う勇一郎の言葉を信じる人が1人でもいたら耐えられません」と証言しています。


前回も書いたように、勇一郎被告の態度は、裁判だから言い逃れをしているのではなく、元々DV加害者というのは、日常的にいつもこの論法なのです。

 

そして、自分でこれが事実だと思い込んでいます。それで、勇一郎被告は「事実を話している」と繰り返しているのであり、どういう嘘をつこうかと考えて工夫しているわけではありません。自分が正しいという気持ちが強い人の方が、相手を罰したり、力づくで言うことを聞かせたりすることを、本気で正しいと思い込んでいたりします(多少、妄想っぽくなっていますが)。自分の方が、相手から不当な目に遭わされていると感じていることもあります。そのため、攻撃に際限がなくなります。罪悪感のある人と違って、手加減することがなくなるということです。それがDV加害者の怖ろしいところです。見てみないと分かりませんが、心愛ちゃんを虐待している映像も、勇一郎被告にしてみたら、心愛ちゃんが暴れる、心愛ちゃんが手がつけられない、ということの証拠として撮っていた可能性もあると思います。

 

検察官の、「この期に及んで心愛さんに責任を押し付ける態度には開いた口がふさがらない」という指摘は、とても適切です。しかし、通常DV加害者というのは、普段から常にこの方法で他人を悪者にしており、困った家族をもったせいで自分が大変な思いをしているというつもりでおり、周囲の人にもそのように見せかけており、このような事件にならない間は、周囲の人の方でもそれを真に受けたりしかねません。

 

勇一郎被告は、最後に心愛ちゃんに謝る手紙を読み上げ、反省いているかのような言葉を述べていますが、後半は、やはり自分は悪くない、という主張でした。その時、「真っ赤な顔になっていた」と、記事には書かれていました(上にリンクした記事は、適格なレポートをしてくれていると思います)。普通、本当に自分の罪に向き合っている人は、青くなるものです。ところが顔を紅潮させているというのは興奮しているということです。これは、人に自分をよく見せかけようとする演出です。この人は普段からずっと、こうした生き方をしてきていただろうと思います。特権意識、自己正当化、自己憐憫、責任転嫁は、DV加害者の基本的な姿勢です。

 

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