クレランボー症候群の妄想の対象にされた人における精神的被害と後遺症
今年の4月に書いたクレランボー症候群についての記事に、こちらの記事のリンクを貼っておきました。妄想のターゲットにされた人が受ける精神的ダメージと後遺症についての説明をします。
下の理由により、妄想のターゲットにされた人は、頭を変にさせられ、極めて深刻な精神的ダメージを被ります。
① 異常極まりない妄想を、現実の事実として押し付けられることにより生ずる混乱が酷い。
② 妄想の内容や嫌がらせの種類が、被害者の性的価値を極度に引き下げ、被害者の尊厳を著しく傷つけ、汚し、損なうものである。(病者が自己のナルシシズムを充たすための妄想なので、そうした展開になります。)
③ また、それらが被害者の性的拒絶感の限度を超えて余りあるものである。
④ 被害者の性的拒絶感の限度を超えてからの嫌がらせが、執拗で持続的にエスカレートしている。
⑤ 被害者にとって精神的に貴重なものが、妄想者の性的なナルシシズム充足のための食い物にされ、性的な冒涜や攻撃の的にされる。(クレランボー症候群の人は、相手の精神性に目を付けてくることがあります。クレランボー症候群は、歴史的には「司祭」がターゲットにされることで知られていた妄想症でした。)
クレランボー症候群は非常に珍しい妄想症で(10万人に2,3人くらい)、上のような危害を及ぼすのは特に悪質なケースですが、実際にあります。世の中で聞いたこともないほど変質的な性的被害を受けてしまった人には、「スティグマを押された」という感覚が強烈に湧いてくることもあります。
被害者は、妄想者との縁が切れた後も、重度のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされる場合があります。被害を上手く言い表せないので、第三者からの理解も得られません。
極度のストレスで、身体を壊すこともあります。
交際している訳でも、恋愛感情をもったことがあるわけでもない相手から、交際相手として扱われ、デートDV的な支配を受けることは常軌を逸する体験です。
そして、この種の被害の責任追及は難しいと思われますが、とりわけ妄想性障害者は自分の妄想以外の事を理解することができません。被害者が傷つけば傷つくほど、かえってそれを自分に対する真剣な愛の証拠だとして被愛妄想をエスカレートさせたり、自分が文句を言われたことに対して被害妄想へと発展したり、被害者を黙らせようとして攻撃を激化させることがあります。訴訟を好む傾向(好訴妄想)もあります。
このように、クレランボー症候群の妄想のターゲットにされる被害は言語を絶する恐ろしいものです。
被害に遭う人が、すぐに対処したり、逃げたりできるように、この被害がどのようなものか、世間に知られる必要があります。