保護者が気付くと関係性が変わる

「各々の個性を大切に」という話題はよく上がっています。でも、頭ではわかってるけど「どう接したらいいの？」という疑問を解決してくれる具体策にはなかなか出会えません。

NHK／Eテレで毎週水曜午前９時～（１０分間）放送中の『ｕ＆ｉ』多様性への理解を深めるこども番組があります。この番組で取り上げている話は、どれも学校でよく起きる話です。悩みを抱えるアイ（I）が夢の世界で妖精たちと対話し、心の電話でユウ（You）の気持ちを知り、どう接したらいいかを考えます。

※妖精の声は、伊野尾慧さん（Hey!Say!JUMP）ときゃりーぱみゅぱみゅさん。

今までの放送ほとんどが、娘や同級生に当てはまります。

その中で１１回目の放送「ひとりになっちゃうかも・・・？」

もうすぐ転校することが決まっているアイは、幼なじみのユウのことが気がかりだ。なっとくいかないことがあると突然どなったり物を投げたりするため、クラスメートから避けられ始めているのだ。ココロのでんわを使って、アイはユウに話を聞く。すると、ユウが怒りのコントロールがどうしてもできないこと、どなったり物を投げたりした後、とても後悔し自分を責め続けていることを知る。自分がいなくなった後ユウが孤立しないようにするため、アイはシッチャカやメッチャカと考えをめぐらせる。

ユウくんとよくケンカをしているヒー（He）くんにもココロの電話をかけて・・・

　　　　 f:id:thebrokenwing:20190325112911j:plain （from illustAC）

涙がこぼれそうな表情で食い入るように娘は見ていました。

ユウちゃんであった幼児期～小学校低学年

順番やルールにこだわりがある。
不注意が多い。
身体がぎこちなく、ほとんどの行動がゆっくりで同級生のようなペースではできない。
感覚過敏が激しい。
同世代の子とのコミュニケーションの取り方がわからない。

などの特性が原因で、納得いかないことがあると大きな声を出したり、叩くといった行動がありました。そのため同級生たちは娘を避け、娘も「一緒に遊びたくても遊べない。」と泣くこともよくあり、その都度相手にも気持ちがあること、クラス全員で遊ぶ時などまた一緒に遊べることがあればそれでいいんだよと伝え続けました。

娘がユウちゃんであり、同級生たちがシー（She）ちゃん。

幼稚園・年長の参観日、班ごとに話し合って絵を完成させるという課題に取り組んでいました。保護者は各々のこどものすぐ後ろに座り見守ります。みんな作業を進める中で娘だけ「話し合ってない！決まってない！」と主張し何もできません。Aちゃんが「決まってるよ。」と教えてくれました。あっ！話し合いについていけなかったんだなと気付き、次にどうしたらいいかを娘に伝えました。その後、保護者はこどもの傍を離れ作業は続きます。

みんな楽しそうに大きな紙に絵を描いたり、別の紙で描いたものを貼り付けたりしています。しかし、娘が置いた絵を合わないと感じたＢちゃんが除けました。娘は「自分が描いたものは、この絵には合わないな。」と思ったようで、自分の作品をゴミ箱へ捨てに行きました。結局、娘はその絵に関わることはほとんどありませんでした。

別の日、スポーツクラブ後のお迎えで園へ行くと、時間外保育で残っていたＡちゃんを見かけました。Ａちゃんは、頑張っている子たちを数分間じっと見ていました。このＡちゃんと仲良くなることはありませんでしたが、ケンカすることも一切ありませんでした。Ｂちゃんとは小学校も一緒ですが良好な関係を築くことはできませんでした。

その他のシーちゃんたちで、最初のうちはトラブルがあっても、保護者の方が参観等で自分の子供だけでなく周りの子供さんやクラス全体を見ていらっしゃる場合は「あの子は、こういう特性がありそうだな。」「こどもから聞いていた様子とは違うな。」と気付いて下さり、お子さんもちょうどよい距離感で接してくれるようになります。