19.不毛大作戦!2~テロだか何だか、かなりヒドイかんじ4

【HJMG!不毛さん59
19.不毛大作戦!2~テロだか何だか、かなりヒドイかんじ4
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「……アタシ、帰ろっかな」

 急に虚しくなってしまった。
 アタシ、一体何やってんねんやろ。

 やや挙動不審なお姉を見るのも、カッカッと異様な音をたてて種を齧りまくるかぐやちゃんを見るのも、何か侘しい。
 何よりそんな2人の後をコソコソつけている自分らの姿が、傍からどう見えるか考えたら、やりきれない思いや。

 己の行動にひどく落ち込んでしまったアタシは、その場に足を止める。

「どうしたんだい、リカちゃん」

「どうしたも何もないわ。何やねん、このデート(?)は」

「お手柄じゃないか。あとで乙姫サマから、ねぎらいのお言葉を頂戴できるぞ?」

「ねぎらいのお言葉て! 頂戴できるて! アタシはな、そんなもん欲しくないねん! そこまでアレちゃうねん」

「アレって何だい……ハウァッ! アレは何だっ!!」

「はぁ? 何言ってんねん」

「ハウアッ!」
 すぐ隣りでうらしまが立ち止まった。
「ハウアァッーー!?」

 口をカパッと開けて空の一点を凝視しているではないか。
 何を聞いても「ハウアーッ」としか言わない。
 桃太郎とワンちゃんがメガネを光らせ、奴の視線を追う。

「な、何や、アレは。ハウァッー!?」

 数秒遅れて、アタシも空中に光るその存在にようやく気付いた。

 白とオレンジの炎をあげて、空を横切るそのカタマリ。
 地上から見てもすごい速度や。
 光は徐々に眩しく、大きくなっていく。

「ハウァッー! ま、まさか、アレはホンモノのっ……?」

 自分が何を叫んでいるか、分からなかった。

 謎の光は真っ直ぐアタシらのアパートへ落ちていく。

 次の瞬間、ビルが爆破解体される時のような凄まじい音を立てて、建物から砂煙が巻き上がった。
 地面がビクビクと振動する。

 お姉が「ギャギャーッ!」と悲鳴をあげ、アパートへ駆け戻ろうとするのを、アタシは必死で引き止める。
 他の面々は皆、パカッと口を開けたまま砂煙の向こう、アパートの方を凝視していた。

「ミサイルだ! いや、あれは新型のっ…!?」

 かぐやちゃんが地面に種をバラまき、ヘンなポーズを決めた。
 続けて「ガーッ!」と怪獣のような音が鳴る。
 例のアレ──腹の鳴る音だ。

 次の瞬間、かぐやちゃんは往来でブッ倒れた。
 その様を見てお姉、ギョッとしたように数歩その場を飛び退く。

 こうしてお姉、念願のデートは終わった。
 色々プランを練っていたようだけど、結局50メートルともたなかったわけだ。


「20.不毛すぎる、アタシの一日~迫る危機感」につづく

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