【月組】重軽のバランスが絶妙。「WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲」全体ざっくり感想(2020.09.29)※ネタバレなし

月組
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昨日は月組さんの「WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲」を観劇してきました。

この作品は106期生のお披露目公演でもあり、月組久々の和モノショーということもあり、シェイクスピア作品モチーフのお芝居ということもあり、色々と非常に楽しみな公演でした。

結果、期待通りというか期待以上で、一言でいうならば「ショーとお芝居の重さと軽さのバランスが絶妙。見どころが多くてもう1回観たくなる作品」でした。

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ショーは全部で6場。1シーンが長く重厚

なんとショーは全部で6場しかありません。

作品によって色々と違いますが、それでも一般的にショー作品と言えば12場くらいはあるイメージです。しかし約半分という少なさで、プログラムを見たときにはびっくりしました。

構成は

  • プロローグ
  • 初舞台生お披露目
  • フィナーレ

となっており、書き出すと改めてそのシンプルさに驚きますね。

しかしそれだけ場が少ないということは、それだけ1シーンが濃厚とも言いかえられます。

場の切り替えが少ないので、ワンカットの映像をずっと見ているような感じで、自然と緊張感を持って舞台を見てしまいます。

全体的に衣装は華やかで見応えがありますし、BGMはクラシックを使う、映像の使い方など現代的な演出もしっかり使われているのですが、構成や動きはテンポが全体的にゆっくりしているためかクラシカルな印象でした。

なのでとても重厚な印象として残ります。

最近のショーはテンポがいいので、それと比べると「ちょっとダルめかなあ」と思われる方もいるかな?と思いますが、個人的には最近にないテンポ感で逆に新鮮でしたね。

残念と言っていいのかはわかりませんが、1シーンが長いぶん、ある程度その主役が固定されています。ぱきっと「ああ、出番があるな」とわかるのはごく一部の生徒さんだけなので、もうちょっと若手の子たちも観たいな~とは思っちゃいますね。

まあ、私はしゃべ化粧だとだいたい人の顔わからなくなっちゃうんであれなんですけど。

というわけで、ショーは重厚かつクラシックな印象(演出が植田先生なのもあるのかな?)。個人的には好きですが、花組の「雪華抄」みたいなテンポ感を期待していると(言い方は悪いですが)肩透かしを食らうかもしれません。

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お芝居はサラっと観られて面白い!オチはシェイクスピア。

お芝居「ピガール狂騒曲」は、ショーとは対照的に軽妙洒脱で非常にテンポよく進んでいきます。

こちらもどっしりした内容だったら「うーん今回の作品はちょっとヘビーだなあ」という感想になっていたと思いますが、こちらがライトに楽しめる作品なので、非常にバランスがいいなと感じました。

手触りはライトとはいえ、作り込みはさすが。

そもそも月組芝居が大好きな私にとっては、めっちゃくちゃ楽しめる内容でした。

正直人物相関図を見ていると「メインキャラ、少なくない…?」という不安がありました。ありちゃん(暁千星さん)やくらげちゃん(海乃美月さん)までムーラン・ルージュのダンサー役としてまとめられていたからです。

まだ観劇していない方の中にはその点、出番大丈夫なのかしら……?と心配されている方もいるかもしれませんが、安心してください!ちゃんと歌もダンスもショーもあります。

パリという街の、ムーラン・ルージュというキャバレーという小さな世界で起こるドッタバッタなラブコメディというミニマルな世界観を思いっきり楽しめる、「All for One」的な、宝塚をあまり知らない方でも楽しめるような内容かなと。

まあ、主役であるたまきち(珠城りょうさん)の役どころがちょっと特殊なので、そういう意味ではファースト宝塚だと難しいかも?な部分はありますが。

れいこちゃん(月城かなとさん)演じるシャルルがめちゃくちゃ良い役で、れいこちゃんのコメディエンヌ路線が強くなっていく…(完全に私の中ではコメディエンヌ化してしまった)。

ちなつちゃん(鳳月杏さん)は前半出番が少なめで、今回は控えめかな?と思ったら、後半出番がモリモリでてくるのでファンの方はご期待ください、という感じ。

さくらちゃん(美園さくらさん)の異常…といっちゃ失礼なんですけど、そうとしか言いようがないくらいのスタイルの良さも楽しめます。ちょっとクセがありますけど、私は彼女のセリフ回しも大好きなので、同じ趣味の方はかなり楽しめると思います(笑)。

オチはネタバレになりますのでこの記事では伏せますが「ザ・シェイクスピア」でした。

迷っているなら観るべき!と言える2本立て。おすすめ!

チケットが残っているかチェックしていないので安易なことを言ってはダメなのかもしれませんが、「ちょっと気になるけど観ようかどうしようかな……」という方がいましたら、ぜひ観てください!

100%後悔しない!…と断言はできませんが、少なくとも私は「複数回チケット取っておいたかいがあったぜ!!」と思える内容でした。

ショーもそうなんですけど、お芝居も1シーンの中であっちもこっちも観なきゃ!っていう部分が多すぎて。

配信でもいいと思うのですが、配信はどうしても映す部分が決まってしまうので、生で観るのと違って「あの子後ろであんなことしてたんだ!」という発見がしづらいんですよね。

もちろん現地に行きたいけど行けないよ~!!という方も多いと思います。が、もし許される方であれば、ぜひ劇場でご覧になって欲しい作品です。

 

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