叫び エドヴァルド・ムンク



19-20世紀のノルウェー出身の画家、エドヴァルド・ムンクの代表作です。
幼少期に母親を亡くし、思春期に姉の死を迎えるなど病気や死に直面したムンクは、”愛”と”死”とそれらがもたらす”不安”をテーマとした「フリーズ・オブ・ライフ」と称する作品群を描きました。「叫び」はその内の一作です。
それでは具体的に観て行きましょう。
耳を塞いで恐れおののく人物。それに加え、斜め走る通路から生まれる画面左奥へ収斂してゆく空間。それが心理的な緊張感を一層高めています。
この作品は、ムンクが感じた体験に基づいて描かれており、ムンクは日記にその時の体験を次のように記しています。
「私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた。」
つまり「叫び」は描かれている人物が発しているのではなく、「自然を貫く果てしない叫び」に怖れおののいて耳を塞いでいる姿を描いているのです。
オスロ国立美術館所蔵。
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