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ストリートビュー撮影の危険な罠

ストリートビュー撮影
この記事は約5分で読めます。

現在ストリートビュー撮影は承っておりません。

動画制作でご贔屓にしていただいているクライアント様からのご依頼で、施設内のストリートビューを撮影し、Googleマップに公開しました。

その際、ストリートビュー撮影にはとんでもない「罠」があることを知りました。Google自身がリリースしているストリートビューアプリが「役に立たない」ということです。

普通に考えて、”純正”アプリが「使いづらい」ことはあっても「使い物にならない」ことはありえないので、少々大げさですが嵌められたような気持ちです。

今回はそれについてのメモです。

※2020年6月現在の感想です。今後Googleの対応が変化する可能性はあると思います。

ストリートビューアプリは役に立たない

ストリートビューは、Googleのストリートビューアプリをインストールしたスマホさえあれば、誰にでも撮影・結合し公開できる事になっています。しかしこれは真っ赤なウソです。

ストリートビュー スタジオへの 360°動画のアップロード、コンテンツの削除の確認 - マップ ヘルプ
車、自転車、徒歩で移動しながら撮影した動画から、ストリートビューを作成できます。録画した動画は、公開時にストリートビュー向けに変換されます。その際、撮影者の位置情報に基づいて画像にジオタグが付けられ、地図上に配置されます。個々の 360°写...
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Googleのストリートビューアプリは仕事では役に立ちません。そしてGoogleはそれについて、今のところ何のアナウンスもサポートもしていません。

一定の条件を満たしたカメラマンを Googleストリートビュー認定フォトグラファー とし、ストリートビュー撮影の仕事を請け負うことを認めているにもかかわらず、です。

ちなみに「Googleストリートビュー認定フォトグラファー」になるのは難しくありません。Googleが定める品質の360° 写真を50枚以上アップロードすれば、誰でもなることができます。また品質の基準も厳しいものではなく、市販されている360°カメラを使えばクリアできるものです。

結合できないのが致命的

ストリートビューアプリは、360° 写真に関して主に以下のことができる(はず)のアプリです。

  • 撮影
  • 結合
  • 公開
  • 著作権の譲渡

このうち、最悪なのが「結合」です。

結合というのは、360° 写真同士をリンクでつなぐことです。これによって、ストリートビューの特徴である、その場所を自由に歩き回るような効果が得られます。

私の体感だと、ストリートビューアプリでの結合がうまくいく可能性があるのは、360° 写真がせいぜい数枚の場合のみで、枚数が多くなるとまず間違いなく失敗します。

失敗というのは、アプリ上で行った結合がGoogleマップ上に正しく反映されないということです。結合したはずの写真が結合されていなかったり、その逆だったり、とんでもない方向にズレていたり、症状は様々です。

アプリの編集操作をやり直すことで稀に修正できることもありますが、ほとんどの場合はうまくいきません。

結合の反映には最大48時間ほどかかるとされていますが、時間を置くことで結合が修正されることもありませんでした。

GOTHRU MODERATOR を使用

ということで、いろいろ検討した結果、GOTHRU MODERATOR というウェブベースのエディタを使って結合と公開をおこないました。

これはGoogleの製品ではありませんが、ストリートビューアプリよりも細かく結合を編集でき、操作も簡単です。もちろん、編集した結合はGoogleマップにもそのまま正しく反映されます。

※結合の反映にはやはり少し時間がかかりました。また、なぜかGoogleマップに拒否される写真も出ましたが、何度か再アップロード(Publishing)すれば大丈夫でした。

GOTHRU MODERATORの使用は有料ですが、最も安いプランだと、1ヶ月10ドルで2箇所まで公開できます(2020年6月現在)。私のようなストリートビュー専門でない業者にとっては、おそらく最適のものではないかと思います。

「著作権の譲渡」でメチャクチャに

さらにもうひとつ、ストリートビューアプリにはトラップが隠れています。

GOTHRU MODERATORを使って正常に公開することができたクライアント様の施設内ストリートビューですが、最後に「著作権の譲渡」をおこなったことで結合がメチャクチャになってしまいました。

「著作権の譲渡」とは、360° 写真の著作権をクライアント様に譲渡することです。この譲渡によって、写真の左上の著作権表記がクライアント様のアカウントになり、クライアント様側で写真の削除が可能になります。

お互いに譲渡を承諾するだけの操作なのですが、これはストリートビューアプリでないとできません。ですから、著作権の譲渡で結合がメチャクチャになってしまっては、もう手の施しようがありません

上にも書きましたが、この件でGoogleのサポートに問い合わせても対処してもらえません。結局、クライアント様と話し合って、再アップしたうえで著作権の譲渡はおこなわないことにしました。

最後に

ついでに書くと、ストリートビューアプリは撮影にも問題があります。ストリートビューアプリを使えばスマホのカメラでも360° 写真を作成できるハズですが、私のスマホでは一度も成功したことがありません。私のスマホが古いせいかもしれませんが、アプリのレビューなどで他の人にも指摘されています。

でも、これはそれほど大きな問題ではありません。仕事でストリートビュー撮影を請け負う場合、カメラは専用のものを用意しますから。

また、前項に書いた著作権の譲渡の不具合も、致命的な欠陥ではありません。Googleマップユーザーの立場から見れば、著作権はどちらでもいいことですから。

とにかく致命的なのは、最初に書いた通り、結合がちゃんとできないことです。

私が今回の仕事をしたのは2020年の5,6月ですから、時期的にはCOVID-19の影響も考えられます。しかし、ネット上でいろいろな方々の書き込みを見る限り、COVID-19流行以前からストリートビューアプリの「使えなさ」は放置されてきたようです。ですから、少なくともすぐには改善されないと見るほうが無難かと思います。

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