「クールダウン」を徹底解説!略語や類語は?どんな使い方がある?

カタカナ語のひとつにクールダウンというものがあります。比較的カジュアルな言葉で、主にスポーツの分野で聞くことが多いでしょう。

しかしビジネスシーン、あるいは車の運転といった様々な場面でもクールダウンは使われています。

クールダウンとは実のところ、奥深い言葉なのではないでしょうか。そこでクールダウンに焦点を絞り、記事をまとめます。

この記事の内容

クールダウンとはどんな意味?シーン別でみる3つの使い方

そもそもクールダウンとはどんな意味でしょうか。

クールダウンには典型的な使用シーンが3つあります。順番に見ていきましょう。

運動やスポーツ後のシーン

あらゆる運動やスポーツにおいて、事前にウォームアップが行われていることはご存知でしょう。

ウォームアップとはいわゆる準備運動のことで、今や運動やスポーツにおける常識となっています。

クールダウンはウォームアップの対義語です。つまり運動やスポーツを終えた後に行う、整理体操やストレッチなどが当てはまります。

激しく体を動かした後、突然動作をストップしてしまうと体に負担がかかります。

しかしクールダウンを採り入れると、体を日常生活の状態に戻す作用がスムーズになるというわけです。

気持ちを落ち着かせたいシーン

クールダウンは日常生活の中でも有用です。プライベートの時間であっても、緊張や疲労に見舞われるシーンはあるはずです。

例えば自動車の運転は危険と隣り合わせです。心理的なプレッシャーも相当なもので、時にはリラックスが必要でしょう。

高速道路のパーキングエリアを思い浮かべてください。年配の男性がマイカーの近くに立ち、ラジオ体操さながらの挙動で体を伸ばしている様を見ることがありますよね。

実は、上記男性の挙動は立派なクールダウンなのです。同じ姿勢でハンドルを握ったまま、1時間も2時間も運転を続けていては心身ともに強張ってしまいます。

思わぬ事故につながってしまうかもしれません。そこでクールダウンが役立つというわけです。例に挙げた男性の動作は大変理に適っているのです。

ゲーム内のシーン

ゲームの分野において、クールダウンはクールタイムと同じ意味です。ゲーム内でクールダウンというと特定の動作を行った後、同じ動作ができるようになるまでのインターバルを指します。

便利で強力な技をノーコストで連発できるとなれば、作品の難易度が下がりつまらなくなってしまいます。

よってゲームバランスを図る上でも、クールダウンは必要な制約だと考えられています。

なおゲーム用語のクールダウンは和製英語であり、共通語ではありません。英語“cooldown”にはゲーム用語としての意味は存在しないのです。

英語でクールダウンと同じ意味を表現する場合は、“cool time”(クールタイム)が正しいことを覚えておきましょう。

使い方を例文でみる

クールダウンについての基礎知識はクリアですね。

それでは文章の中でクールダウンを使うとどのような形になるのか、一度チェックしてみましょう。

例文:運動やスポーツ

ランニングの練習といっても、ただ全力で走るだけでは非効率だ。ウォームアップで体を慣らし、エンジンがかかったところでようやく本格的に走り出すのがベストである。そして練習の後も、突然動作を停止してはトラブルの元になる。少しずつ動作のペースを落とし、呼吸を整えながらクールダウンを終えるのがポイントだ。

例文:気持ちを落ち着かせる

自動車の運転は心身ともに緊張を強いられる行為である。長時間の運転ともなれば尚更だ。一般的に、一時間に一度を目安として休憩を取ることが推奨されている。くたびれた心身に対してクールダウンの作用が期待できるからだ。

例文:ゲーム

一撃必殺の大技は、ここぞという時のために温存しておくべきだ。例えばターン制RPGであれば、再使用までに何ターンものクールダウンが必要になることが多い。クールダウン終了まで時間を稼いで次のワンチャンスを狙うか、それとも大技なしで押し切るかを判断しなければならない局面もあるだろう。

クールダウンを英語で言うと?誤解しがちな意味をチェック

クールダウンについて素朴な疑問を感じる方もいるでしょう。クールダウンは英語として正しいか、あるいは英語表現だと言い換えが必要なのか。

意外と答えづらい問題ですよね。そこで英語表現の視点から切り込んでみましょう。

英語表記は「cooldown」略せる?

クールダウンは英語で“cooldown”と表現します。“cooldown”でひとつの単語であり、“cool down”のように分断してはいけません。

また、“cooldown”を“CD”などと略するのは適切ではありません。英語圏では“cooldown”を略する用法は定着していないため、略さずにそのまま使うのがセオリーです。

なおゲーム用語としてのクールダウンを「CD」と略する例がありますが、あくまでも局所的な用法です。

日本のみ、しかもゲーム用語に限られるのでくれぐれも誤用には注意しましょう。

気持ちが落ちる・へこむは間違い

クールダウンと聞くと、気持ちが冷え込む・気持ちが落ち込むといった意味があるかのように誤解するかもしれません。

しかし、クールダウンにはネガティブなニュアンスは含まれません。よってクールダウンについて気持ちが落ちる、いわゆる「ヘコむ」状態だとみなす解釈は誤りです。

クールダウンとはポジティブな言葉なのだと予め理解しておけば、まず間違うことはないでしょう。

クールダウンの類語や日本語で言い換えたいときは?

日本語表現でクールダウンに相当する概念を当てはめると、いくつかの類語が思い浮かびます。

いずれもカタカナ語ではありますが、日本語で内容を補足していきましょう。

ウォームダウン

ウォームダウンはクールダウンと同義で、明確な違いはないとされています。

言葉の響きからすれば関係しそうな体温調整についても、特に違いがあるわけではありません。

ただウォームアップの対義語として位置づけるには、クールダウンの方がしっくりくるともいえるでしょう。

リカバリー

リカバリーとは主として運動後の疲労回復行為を指します。

よって整理体操などのクールダウンもリカバリーの一環とみなす考え方もあります。

しかし痛みを覚えた部位をマッサージしたり、テーピングしたりといった行動はリカバリーならではアプローチです。

いずれにしても、疲労回復に主眼を置くという前提を理解することがポイントです。

クーリングダウン

クーリングダウンはクールダウンと同義です。

違いは単純な語呂の問題であり、ちょうどウォームアップをウォーミングアップと呼ぶ場合があるのと同じロジックです。

ただし運動やスポーツの開始部分と終了部分で、それぞれの呼び方を統一すべきです。

つまり開始部分をウォーミングアップと呼ぶのであれば、終了部分もクーリングダウンというように言い回しを合わせる必要があります。

クールダウン・クーリングダウンのどちらも使ってよいとされている分、むしろ開始と終了部分の表現統一に注意が必要といえるでしょう。

カームダウンとクールダウンの違いとは?

クールダウンとよく似た言葉に、カームダウンというものがあります。

英語のイディオム“calm down”をカタカナ語化したもので、気持ちを落ち着かせる・冷静になるという意味です。

クールダウンの意味の1つに、気持ちを落ち着かせるというものがあると述べました。つまり、カームダウンの意味はクールダウンと一部重複するということです。

しかしカームダウンにはスポーツ後の整理体操や、ゲーム用語としての意味はありません。

よってカームダウンの本質は、あくまで精神的な安定を促すニュアンスに限られるということがいえます。

クールダウンとの相違点としてチェックしておきましょう。

クールダウンって意味がない?科学的な効果を検証

運動やスポーツにおいて、クールダウンは有効であり必要と考える方が多いでしょう。

しかし、異論を唱える研究結果も報告されています。心臓や血管の活動を安静時に戻すのにクールダウンは有効である、という説は既に定着していますね。

動脈の二酸化炭素分圧上昇を防ぎ、心臓への負担を軽減させる作用があるとされています。

しかしクールダウンの効果はあくまで理論上のものであり、実際に効果があるかどうかは解明されていないのが実情だそうです。

またクールダウンのアプローチとして、ジョギングのような軽運動を行うのも適切ではないといわれています。

運動を続けることによって筋肉内のグリコーゲンが休まらず、その分回復が遅れてしまうというのです。

心身回復を図るならば早く帰宅して食事を摂り、入浴するべきだとも指摘されています。クールダウンはどうしても必要なもの、とは言い切れないのかもしれません。

しかし精神的な安定、気持ちを落ち着かせるものとしての考え方は正しいはずです。自分のライフスタイルに合わせて、適宜クールダウンを採り入れるというくらいの軽い気持ちでよいのかもしれませんね。

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