裏テーマは「女子スポーツ」!?『いだてん』26話

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いだてん』26話は、アムステルダムオリンピックで銀メダルを獲得した人見絹枝の話が中心だった。

主人公の田畑政治ことまーちゃん(阿部サダヲ)にとっては、陸上のあとに出場する水泳選手の起爆剤になってほしいくらいにしか人見絹枝(菅原小春)のことを思っていなかったみたい。

だけど、絹枝本人にとっては、勝たなければいけない3つの理由(日本を背負っていること、これまで自分の驚異的な身体能力と大柄な背丈のせいで化け物扱いされていたコンプレックスを払拭すること、そして日本の女子スポーツを発展させること)が相当なプレッシャーに……。

そのせいで、得意種目の100mを落としてしまう。

けど、ここで引き下がらず、出たこともない800mへ挑戦することを決める。

このときに監督の野口(永山絢斗)に言ったのが

「男は負けても帰れるでしょう。でも女は帰れません。負けたら『やっぱり女は駄目だ。男の真似して走っても役に立たない』と笑われます。日本の女子選手全員の希望が、夢が私のせいで絶たれてしまう」

という言葉。

この思いを胸に、見事銀メダルを獲得。

今よりも圧倒的に女性が男性と同じことをするというのは不利な状況の中、ここまで女子スポーツの地位を向上させたこと、いやもっと言ってしまうと、今まで社会的に弱いと思われていた女性の立場を自分の努力や強い信念で、社会に認めさせる一歩を切り拓いた姿には胸打たれた。

四三(中村勘九郎)が主人公の第一部でも、シマちゃん(杉咲花)や二階堂トクヨ(寺島しのぶ)、村田(黒島結菜)などを登場させて、女子スポーツの発展を描いていたけれど、ひょっとしたらこれからもっと色濃くなってくる?

だって、次回は前畑秀子(上白石萌歌)が出てくるから。

だから、オリンピックに初めて出た男(四三)と日本に初めてオリンピックを呼んだ男(まーちゃん)が主役で、裏の主人公は古今亭志ん生(ビートたけし/森山未來)だけど、オリンピックというメインテーマの裏テーマは女子スポーツなのかも。

この世の中の時流を汲み取って、女性の地位向上もさり気なく物語の内容に組み込んでくれたこのドラマはやっぱり奥が深い。

視聴率なんかに負けずに(『木更津キャッツアイ』と一緒で、きっとアーカイブとしてはいいコンテンツになると思うし)このまま突っ走ってほしい。

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