ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

139.レジリエンス

2020-10-03 10:41:51 | 時代 世の中 人生いろいろ
 「レジリエンス」には、回復する力、再起する力、逆境に向き合う力などの意味がある。「しなやかに立ち直る力」と考えられる。

 今、日本の経済や社会は、多少の波はありつつも徐々に回復に向かっていると考えられている。私の仕事も周囲の人々も、用心は続けながらも概ね通常業務や日常に戻っている。以前のような緊張感や不安感は和らいでいる。人間は緊張感ばかりが続いて限度を超えると、心身の故障につながる。また、社会や人間関係に支障が生じるような不安感はメディアの煽り過ぎによると感じているので、私は今の地域の落ち着いた状況に安堵している。

 では、今の状況は、今年の始まりの頃と同様の仕事や暮らしかというとそうではない面もある。リモートワークの導入や新しい生活様式など、仕事や暮らしの中で変わりつつある部分もあって、変わりながら回復している様子だ。
        

 そう考えると、回復力のベクトルは、「元に戻る」のではなく、新たな方向や価値に向かうイメージと思えてくる。約8か月前の経済や社会の状況に戻ったか否かが問題ではなく、一人一人がこれからの仕事や暮らしの中で守りたいことや成し遂げたいことを見出して行くことが課題になってくる。「もう少しこう変えたい」「もっとこうしたい」、または「このままでいい」とか。難しく考える必要はなく、すぐに解決しなくてもいい。意識や姿勢が、これまでより大切になってくるだろう。

 一方で、レジリエンスを弱めてしまうクセがある。自分にも心当たりがあるものもある。
(レジリエンス入門 ちくまプリマ―新書 参照)
・否定的側面の拡大(肯定的側面の否定 メディアやSNSの偏った情報に煽られて)
・二分化思想(少なすぎる判断基準 勝ち負け思考 白黒思考 グレーが許せない)
・「当然」「べき」「ねばならない」思考(自分だけでなく他者に対してこうだときつくなる)
・過剰な一般化(みんなこうだ、世の中全部がそうだと思いこむ そして悲観する)
・結論の飛躍(根拠のない思い込み、支離滅裂、差別や偏見にもつながりかねない)
・劣等比較(自分より劣っていると思う者と比較して優越感や自己肯定感 これは続かない)
・他者評価の全面的な受け入れ(人の言うことを鵜呑みにしたり惑わされたりでしんどくなる)

 私なりのレジリエンスを強める心がけは、以前から現実を踏まえた楽観主義かと思っている。つまり、状況や情報を見聞きしながらも、そのうち何とかできると考える事かと。そうは言っても、私もいつもそんなに強くはないから、謙虚に人の支えや助け、知恵も借りる姿勢も心がけたい。そして、この8ヶ月で特に感じたことは、人や情報や社会の動きについて、自分にとって大事なことを、惑わされずに冷静に考えてみる姿勢の大切さである。 

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