穢銀杏狐月

書痴の廻廊

事は起すに易く、守るに難く、其終りを全くすること更に難し。努力あるのみ。一途に奮励努力せよ。

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東京タワーを上下する ―都合1200段の旅―

 

 ここのところ、江戸についてばかり書いてきた。


 だから、というわけではないのだが。本日東京タワーに登って来たので、その所感を述べてみたい。


 スカイツリー出現あらわれるまで――あるいは今でも――東京都の象徴として仰がれ続けたこの電波塔は、実のところエレベーターのみでなく、階段によってもメインデッキまで到達できる。そう耳に挟むや、俄然興味をそそられた。

 

 

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 生憎と、朝の天気は曇り。雨天の際は階段が通行不可になるとのことで、ちょっと不安の影が差したが、幸いそこまで空模様は悪化せずに済んでくれた。

 

 

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 チケットを900円で購入し、いよいよ階段を上りはじめる。

 

 

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 踊り場に差し掛かるたび、このように段数が塗られているため現在位置が把握可能でなかなか便利だ。


 しかしこれだけ階段を上っているとどうしても、奥高尾を縦走したときの記憶がよみがえる。あの時もひどい階段地獄にあえがされた。


 若しくは、FF7神羅ビル裏口からの侵入だろうか。リメイクがとても楽しみだ。

 

 

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 そんなことを考えつつ脚を動かしていると、さりげなくこんな看板が。矢印の方へ視線を向ければ、

 

 

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 なるほど確かに、ビートたけしと書いてある。

 

 

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 残すところ、あと僅か。

 

 

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 到達。メインデッキの神殿に賽銭を納める。


 祭神は天照大神とのこと。建材の真新しさが目にまぶしい。

 

 

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 かの有名なガラスの床。落ちるわけがない、安全は保障されていると重々承知しながらも、いざ立ってみるとこれはなかなかクるものがある。

 

 

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 向こうに見えるのは東京湾か。だとすれば、家康公が御入国したその節は、あれがもっと内陸に喰い込んでいたわけだ。


 タワーのあるこの場所にも、ひょっとすると波が押し寄せていたやもしれない。


 そうでなくとも、野っ原だったのは間違いなかろう。


 その場所にまつわる逸話や歴史を心得ておくと、味わえる興趣が二倍にも三倍にも膨れ上がる。

 

 

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 ひとしきり楽しんだので、下降を開始。

 

 

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 対面に見える531段表記は、上り専用の階段のもの。つまり先刻私が踏んだ場所である。


 出口にたどり着いたあと、ふと頭上を仰ぎ見ると、

 

 

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 あそこまで上り、そしてまた下りて来たのだと思うと、流石に感慨も一入ひとしおである。

 

 足を運んだ甲斐のある、良い塔だったと評したい。

 

 心地よい疲労感を伴いながら、私は東京タワーを後にした。

 

 

 

 

  

 
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