本記事は下に添付の記事の続きです。
新大阪から小田原停車の「ひかり642号」で到着した小田原駅。
今回はここで特急踊り子号に乗り換えて伊豆急下田へ向かいます。
踊り子号の指定席特急券は「ひかり」の車内で「えきねっと」から予約。
普通乗車券については、
伊豆急下田まで往復の普通乗車券と、下田周辺の路線バスのフリー乗車がついた、南伊豆フリー乗車券を購入するつもりでしたが、
南伊豆フリー乗車券は当日購入不可であることを小田原駅到着後に知り、
仕方なく正規の普通乗車券を購入することにしました。
小田原から伊豆急下田までの普通乗車券は、小田原から伊東までのJR 区間37.6kmが680円 、
伊東から伊豆急下田までの伊豆急行線区間45.7km が1650円で、計2330円です。
普通運賃だけみると伊豆急行線の高さが目だってしまいますが、
こちらは「えきねっと」で購入した小田原から伊豆急下田までの指定席特急券。
1570円の内訳は伊東までのJR区間が1050円、
伊東から伊豆急下田までの伊豆急行線区間か520円です。
普通運賃とは反対に距離が短いJR区間が伊豆急行線区間の倍額となっています。
結論として、安くあげようと思えば、
伊東までは東海道線の快速アクティや普通列車と伊東線の普通列車を乗り継ぐなどして行き、
伊東からの伊豆急線内は都合のよい時間帯に特急があれば躊躇なく特急に乗ればよいということになります。
小田原駅に入線する踊り子7号。
東京発10:00、小田原発11:02の踊り子7号は、
中央本線の特急あずさ・かいじ号向けの新型車両E353系導入にともない、
余剰となったE257系を踊り子号向けにリニューアルした車両が使用されています。
リニューアルに際して車両の塗装も伊豆の海をイメージしたペニンシュラブルーに変更されています。
コロナの感染状況が再び沈静化傾向にあることもあってか、
9月の連休に伊豆へ向かう列車の指定席は小田原乗車時点で8割程度が埋まっていました。
シートも更新され車両と同じブルーを基調とするモケットが張られています。
写真は車内が空いたのちに撮影したものです。
シートのピッチは変更されなかったようで、
座った感覚では近年登場の特急車両に比べるとやや狭い印象を受けました。
E257系が中央本線の特急車両としてデビューしてかららすでに19年が経過しています。
窓側座席には 後付けと分かるコンセントが設置されていました。
熱海までの東海道線区間、熱海からの伊東線や伊豆急行線区間いずれも進行方向左側が「オーシャンビュー」になることはわかっていましたが、
小田原乗車の場合、窓側座席は右側しか残っていませんでした。
ただ乗車した3号車の東京寄りには写真のようなフリースペースがあるので、
海側の車窓を眺めたり写真を撮るのには不自由しません。
写真はフリースペース海側。
フリースペース山側。
フリースペースは踊り子号として運転するためのリニューアル以前から設置されていたもので、
南アルプスなど中央本線特急の山の車窓を眺める場が、伊豆の海を眺める場へと転じたことになります。
熱海を発車すると丹那トンネルへ向かう東海道線と別れ、伊豆急行線との連絡路線的な役割を担う伊東線に入ります。
伊東線は時刻表の地図では黒線、つまり幹線扱いですが、
伊東から先の伊豆急行線とともに全線が単線です。
11:44伊東着。駅名の下の2色のラインが会社境界駅であることを示しています。
伊豆急線内、伊豆熱川駅では元東急電鉄の車両を使用する伊豆急行線の普通列車と行き違い。
伊豆急行線の普通列車の多くは伊東からJR伊東線に乗り入れ熱海までの運転となっており、
元大手私鉄の車両がJRの路線を走る光景を日常的に見ることができます。
関西では関空連絡橋をJRと南海電鉄がシェアしたり、
豊橋周辺でも名鉄がJR飯田線の線路を走ったりしますが、
珍しい光景には違いありません。
伊豆稲取付近では海岸線に沿って走行。
肉眼では辛うじて伊豆七島を確認することができましたが、写真では難しいかもしれません。
12:30。天城峠を越え伊豆箱根鉄道駿豆線の終点修善寺駅へ向かうパスが発着する河津駅に停車。
行き違った対向の普通列車は観光車両の黒船電車でした。
特急料金が安い伊豆急行線ですが、普通列車にも魅力的な車両があり、
どちらに乗るか思案してしまいそうです。
河津駅を発車して約10分、列車は下田の市街に入りました。
このあたりの車窓は、西日本で言えばJR宇野線で終点の宇野駅にアプローチする区間によく似ています。
1981年の踊り子号登場時から活躍を続けた185系を横に見て伊豆急下田駅に入線。
12:41。小田原から83.3kmの道のりを1時間39分かけて終点の伊豆急下田駅に到着。平均時速は50.5kmと計算されます。
東京からだと平均時速は上がりますが、所要時間は2時間41分となり、
今回乗車したE257系の古巣である中央本線の特急で新宿から松本へ向かう場合と時間距離は変わりません。
観光地間の競争もあるでしょうし「観光客メインの特急だから早くなくても良い」と言い切る根拠はないように思います。
JR伊東線区間も含めた熱海～伊豆急下田間の所要時間短縮の議論があっても良いのかな。というのが踊り子号に終点までの乗車しての個人的な感想です。
新旧の踊り子号が並ぶ光景が見られるのも、そう長くはないでしょう。
大阪からの日帰り旅行のため時間は充分とは言えませんが、
このあと徒歩で下田の定番観光地を巡りました。
名物の金目鯛の煮付け。
幕末に黒船で来港したペリーとの条約交渉の場にもなった了仙寺。
下田駅前からロープウェーで3分の寝姿山展望台など。
下田散策の記事は近日中に投稿します。
