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萩生田光一幹事長代理の衆議院議長交代発言

2019-08-15 04:52:56 | Peace Cafe


 議会制民主主義というものは失われそうである。萩生田自民党幹事長代理は憲法改定論議が進まないのであれば、大島衆議院議長の交代をする必要があると発言している。官邸が議会の人事に口を出すのはあり得ないことだ。

 これは、充分計画された発言と見なければならない。前回、衆参同時選挙に言及したのも萩生田氏であった。アベ氏の側近として、官邸で相談の上必要な発言をする役目なのであろう。アベ氏が大島衆議院議長を気に入らない。脅して、忖度させようと言うことだ。何という奢りか。

 これは三権分立の原則を逸脱している。内閣と自民党が衆議院議長の更迭を要求しているのだ。議会の進行に問題を起こしていない議長を換えようという意見はあり得ない。議長は中立公正というのは、どのような組織でも当たり前のことだろう。

 本来総選挙後に議長は交代する。慣例である。議長の存在は格闘から、等距離に存在するために、所属する党から外れる。良い審議をするために存在する。最近はアベ政権を忖度しなければならなくなっているようだ。

 アベ氏は日米関係、日ロ関係、日中関係、日韓関係と、外交に行き詰まりを見せている。すぐにアメリカとの経済交渉で追い込まれ、日本を犠牲にするはずだ。日韓関係の深刻な状態を見れば、アメリカに譲歩しても韓国に勝たねばならない意識になっていると思われるからだ。

  憲法改定を掲げた内閣としては焦りの色が濃い。なんとしても憲法改定を進めるために、議長交代を口にしたのだろう。それくらい、アベ氏が憲法改定に本気なのだから、忖度しろと言うことだろう。

 維新の会、国民党、公明、と憲法に関しては調整中と見なければならない。いずれの野党も、自分こそが漁夫の利を得る立場に立ちたいと、アベ氏の好きな憲法改定へ私が一番協力的ですと、角突き合わせているはずだ。この三党にはそもそも理念は無い。反権力の姿勢よりも、権力におもねりかわいがられたいという3党である。

 公明党はこの中では9条の改憲にはいくらか反対である。そのために、公明党を外しても3分の2になる政党を探しているのだ。あのN国さえも引き釣り込むらしい。いよいよとなれば、NHKはスクランブルである。

 維新と、国民党を加えると言うことに、公明党としては危機感がある。公明党は他の2党とは異なり、自民党議員の当選には大いに貢献している。当選という数あわせでは、決定的な恩恵を与えている。維新や国民党とは全く立場が違う。今そのあたりで総選挙を控え、どうするかという議論なのだろう。

 日本外交が大きく舵取りの変更が迫られている中、そちらの方での足並みのそろえ方にも関わってくる。ところが、そもそもアベ政権にも大きな方向性というものはない。だから、足並みをそろえようにも、グズグズで要領が得ないのでは無いだろうか。そもそもアベ政権は自民党党内で、そういう議論を行い方向性を定めるような政策協議はしてはいないようだ。党内でさえも、憲法議論をしないと石破茂氏が嘆いている。

 アベ政権は現実の荒波に飲み込まれて、波を乗り切ることで精一杯なのだろう。そこで突然出てきたのが、憲法改定のために大島衆議院議長の更迭発言である。一議員が、何を血迷って、議長の更迭を口にしたのか。三権分立の基本原則を踏みにじる発言である。それくらいにアベ劇団は血迷っているのだろう。

 議会制民主主義を重んずるのであれば、何の落ち度も無い議長に対して、許される発言では無い。少なくとも、改憲の議論を進めない責任を議長にとらせようと言うことは、とんでもない暴論である。これは失言というようなものではない。状況を変えるために上げられた、アドバルーン発言である。

 日本の経済状況は深刻である。韓国への経済制裁は日本経済にとって良いことであるわけが無い。韓国は日本から沢山のものを購入してくれている国だ。隣国として仲良くなる必要のある国だ。50年前よりはずいぶん気持ちが改善されてきたと思っていた矢先だった。残念である。

 アベ氏としては日本国民の代表として、自ら頭を下げ謝罪をした。そして不可逆的な決定を結んだ。それを覆されたから、我慢できずに暴走を始めたのだ。謝ることを学ばず育ってしまった人間にはありそうなことだ。一度や2度の謝罪では許されないことを韓国の人たちにしたのだ。すべての日本人が逆の立場に立ち、考えてみる必要がある。

 アベ政権には隣国と仲違いが必要なのだ。これも憲法改定のためである。軍隊の持てる国になるためには、隣国が攻めてくるような悪い国でなければならない。そのためには、盧溝橋事件のような仕掛けが必要と考えていても不思議は無い。

 反韓国を参議院選挙前に行った。アベ政権はそれで選挙で勝ったのは間違えが無い。衆議院選挙が想定されている間は、反韓国は必要な政策なのだ。日本人もここはもう少し冷静になる必要がある。

 日本人が仲良くなりたいと考えるようになれば、解決する問題だ。国の扇動に乗らないことだ。最も親しい隣国に韓国のはずである。そうした歴史もある。韓国から学んだことも沢山ある。

 武力で保つ平和では無く、周辺諸国と信頼関係があるから平和だと言う状態が、日本国憲法の平和主義である。アベ政権に憲法改定をさせてはダメだ。

 

 
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