成瀬選手の出場停止だった湘南戦を挟んで挑んだ
8/23のJ1リーグ首位独走中の川崎フロンターレ戦。
ピッチ荒れ荒れのアウェイに見飽きたところでの
首位とのホーム戦。
戦前から良い試合になるだろうと話題にもなっていました。
結果は・・・
1-0でグランパスの勝利。
川崎の前半走らせておいて後半の得点で勝つという
シナリオを破り、前半終了間際の1得点を
後半必死の守備で逃げ切りました。
この日の川崎の狙いどころは、
グランパスの右SB成瀬選手のところ。
川崎は左ウイングにスタメンから三笘選手を配置してきました。
成瀬選手を揺さぶり、前田選手を守備に注力させて
攻撃力を削ごうというのが目的だったでしょう。
ですが、この試合は、ほぼグランパスの狙い通り
三笘選手を成瀬選手が抑え込みました。
グランパスの狙い
川崎が3トップにボールを預けた際、
次のルールが敷かれていたようです。(個人的な予想)
①ボールが入ったら、まず正面のDFが前に詰める。
反転させずにゴールに後ろ向きのままであれば良し。
②反転して前向きになった場合、
ゴールに近ければ、内側へは切れこませない。
縦はある程度許容。ただし、ついていくこと。
ゴールから遠い場合、縦に行かせない。
内側へは許容。ただし、ついていくこと。
③ついていって自由にさせないことと、
その作った時間でCHかSHが前に出た裏のスペースを埋める。
これがほぼ全ての時間で守られていました。
三笘選手が、センタリングやサイドでのゲームメイクが
できる選手だった場合、全然違うのでしょうが、
内へ切れ込んでの味方との連携、ボールタッチの良さからの
ドリブル→シュートが長所なものの、
サイドに追いやられた三笘選手はほとんど何もできませんでした。
いくつかのシーンを見てみます。
①前半0:38~0:48
試合開始して川崎に攻め込まれたシーン。
下がりながらのディフェンス、15稲垣選手がまず喰いつき、
内側のコースを切りながらついていく。
後ろのスペースがないところまで行ったところで
3人で取り囲んで取り切る。
少しでも早いと、外の9レアンドロ選手に出される。
ここまで奥で出しても、レアンドロ選手の良さは出せない。
稲垣選手が喰いついたときに、逆サイドの41家長選手に出されると
危険だったが、三笘選手に止まる選択がないドリブラーのため、
前に運ばせて取り切った。
②前半1:16~1:21
続いて、川崎の攻撃シーン
25前田選手が上がった後ろ26成瀬選手の前のスペースを使われる。
18三笘選手がドリブルでふらっと上がったところを
成瀬選手が詰める。
内側の①のスペースと成瀬選手の裏の②のスペースがあるため、
まず、①のスペースには絶対行かせない。
②のコースには行かれても仕方ないがついていく。
ゴールには向かって進めれなかったため、斜め後ろ内側への
パス繋ぎをCHがカットしてボール回収。
③前半1:52~1:58
最後尾からウィングの18三笘選手へあてたシーン。
相手陣内のため、ボールを前に運ばれる方が嫌なシーン。
26成瀬選手が前に詰めて自由にさせず、
時間をかけさせるため内へ誘導。
9レアンドロ選手に出されるが、準備できているディフェンスに
単騎突破は厳しく、カウンタは不発。
④前半4:01~4:18
名古屋の攻撃。川崎は守備体系を整えた状態。
守備時、フロンターレは4-3-3から4-4-2に移行する。
左サイドからCB経由して逆サイドに回ったシーン。
外に張った26成瀬選手にボールが回ると、
川崎のDFラインに隙間ができ見逃さず
25前田選手にボールが出る。
囲まれたためシュートまで行けなかった。
試合開始後まだ4分という時間帯だったこともあるかと。
4-4-2で固い守備だけど、逆サイドに振ることで
得点シーンは生まれやすい(この日の得点シーンもそれ)
⑤前半10:27~10:32
川崎が押し込んできたシーン。
3トップに7車屋選手と8脇坂選手で5人の最前線を構築。
SBは25前田選手がつき、CHには8シミッチ選手がつく。
3丸山選手が余っている状態。
ここでは18三笘選手に入れられたが、
すぐ26成瀬選手が喰いつき、前を向かせず戻させている。
⑥前半15:05~15:20
川崎のサイドチェンジからの攻撃シーン。
川崎41家長選手に23吉田豊選手が詰めたところで
サイドチェンジされたシーン。
受けた7車屋選手がちょっと進めたところで
26成瀬選手が詰め、縦のコースと22下田選手へのパスを切る。
外の18三笘選手に出させる。
車屋選手にまで通るが、中に戻したボールを成瀬選手がクリア。
このシーン、浦和戦の失点シーンと似た状況になるが、
今回は、戻したボールが通るコースに成瀬選手がおり、
パスコースが失くせていた。
※参考:浦和戦の2失点目(⑥のシーン)
⑦前半18:57~19:10
名古屋が守備を敷いたところを最後列から川崎が攻めるシーン。
ここでは川崎は二列目の三人が上がらないパターンできました。
SH・CHまでグランパスが下がるとシュートコースが無いためか。
トップが3人であろうと、トップにボールが入れば
正面のDFが前に詰める。
18三笘選手に入ってすぐ26成瀬選手が詰める。
三笘選手はサイドに行ってもシュートに繋がらないため内へ。
ただし、真横へのスライドは成瀬選手に止められるので
下がりながら内へ切り込む。
が、下がった分出せるところがなく、後ろ気味の横パスで
攻撃を詰ませた。
⑧前半32:08~32:19
グランパスのCKをクリアしたボールから川崎のロングカウンタのシーン。
セットプレー後で残っているのは、23吉田豊選手と26成瀬選手のシーン。
クリアがきれいに18三笘選手に渡ったため、ロングカウンタ始動。
成瀬選手がまず対応。徐々に外のコースへ誘導。
気づいた三笘選手は切り返して内へコースを変更。
それも想定内で、前へは進ませない位置取りで時間をかけさせ、
守備に戻る時間を作った。
最終的には、3丸山選手・吉田豊選手・成瀬選手・16マテウス選手の
4人で構えることができ、マテウス選手がクリア。
守備はこのような形で、かなり固い印象でした。
三笘選手が怪我で交代しましたが、穴を攻めたつもりだった起用が
外れたので、いずれ交代だったでしょう。
後半にどんどん選手交代で特技をもった攻め手を変えてくる
川崎の攻勢も凄まじかったですが、
ここまでに書いた通りの守備で固く守り切りました。
昨年までとは全く違った固いチーム。
これはこれで面白い。
子供を連れていけるかと言われると困りますが・・・。
グランパスも中盤の守備を固くするために
オジェソク選手を入れて成瀬選手を前に配置するという
交代が機能することを見せました。
どんどん守備に強みを増していくグランパス。
DAZN観戦ですが、楽しんでいこうと思います。