今日もまた違う一日

今日もまた違う一日

おばあちゃんが認知症になった時のお話です。

病院 2

 

母の様子にまた大きな変化が起きて、なかなか毎日いっぱいいっぱいな日々を送っています。
一つ一つがそれぞれ、人生の中で節目になるのだろうなあと感じています。
今回の節目はまた大きなものになりそうな予感がしています。

  

細竹水ようかん

 

おばあちゃんが認知症になったお話 → 目次

 

~~ 病院 2 ~~

 

 

「迷惑かけとらん!!」
もう、またあの状態になるのはいやだ~!!

電話口で狂ったように泣き叫びました。

 

「かけてるよっ!かけてるの!!かけて自分で忘れてしまってるでしょ!!おじちゃんはどうにかして、って言ったらどうにかしようと思ってくれちゃうタイプなんだから、絶対にそうなるから、あちらには戻れないの!!

 

母の錯乱状態が一瞬収まりました。
「けいちゃん、そんなに悪い?」
と聞いてきます。

 

あまりにも急に静かになったので、多少大げさに言ってるのが恥ずかしくなるぐらいでした。
そんな、いきなりはしごをはずさないで欲しい…。

 

「参ってるよ。もともと世話好きで絶対いやだとは言わない人なのに、弱音を言ってたの。あれはほんとにまずいと思った」
「そうね、あんた、そんな事聞いたのあたしはじめてよ。何で早く言わんかったん?」

 

ん?これは収まったのか??

 

「そうね、わかった。電話した時(土曜日のこと?)、何か歯切れが悪いからおかしいなと思ったんよ。わかった。」

 

そこから、病院は明日だからと話してとりあえず切りました。

 

 

 

施設にも電話し、くるみくんにも、様子を聞くためにもう一度連絡しました。
「きれいに棚とかに入れてた荷物、ぜんぶ出してる。詰めようとしてるけど、でもできないからウロウロして怒ってた。もうめっちゃヤバい

 

異常な感じだったのが伝わってきました。
ヤカンがそのまま入ってたキャリーバッグを思い出します。

 

不安でもう一度母に電話をしました。
「明日病院なのは大丈夫なんだよね?」
「うん、わかった。病院に行ったらすぐに地元に帰る」

 

これは予約した病院を受診→大きな病院に受診、の間が非常に危険だと思います。

 

予約した個人病院さんに電話しました。
「こういう理由で、大きな病院ですぐにでも受診したいが、紹介状をすぐにでももらえないですか?」

 

あとで考えれば、受診もしてないのに紹介状だけ書けなんてむちゃくちゃな言い分なのですが、その時はもう、あせってパニックになっていました。

 

こちらも「ケースワーカーさん」につなげてくれました。
親切に答えてくれました。
「明日の予約は基本検診、健康診断にすぎません。その状況下ではこちらに来ずに、そのまま大きな病院に行くのが妥当かと思われます。話を通してあげますのでお待ち下さい」

 

その日はほとんどずっと電話していました。

 

母に何度も電話してしつこく
「明日病院!明日病院!明日病院!」
と繰り返しました。

 

途中で、「それもう聞いたし!」と怒られます。
かと思えば、次に電話した時には「へえ、初耳!」と言われたりもします。

 

 

→→ 病院 3 に続く

おばあちゃんが認知症になったお話 → 目次

 


もちもち抱き枕