140字小説。愛の形。

桜ふぶくマンション。不倫の愛の巣の廃墟。r

2021/04/28

廃墟のマンションに桜が吹雪いていた。
久々に通りかかった街の外れ。
運転手に車を止めさせて降りた。
紅の吹雪がごうごうと音を立てていた。
不倫の極限まで踏み迷った愛欲の渦の音だった。
彼は私を貪り尽くし調教の歓びを女体に刻んだ。
そしてある日別れた。
忙しい主人は私の闇の快楽を全く知らない。