マウントと占い師
普段比べないものを比べる並列怪論の第三回目です。 前回はこちら Dr.K○Rと恋愛 - 木曜の医師国家詩篇
今回並べて語るのは
マウントと占い師
全然なんもかんも違うやないか!という感じですけど、そういったものを並べて(無理やり)被るところを見つけて語るのがこのコーナーです。
目次
マウントとは
ツイッターをやってると「マウント」という言葉をよく目にしますし、実際に使うことも多い気がします。 マウントの用語的意味がこちら(以下引用)
人類を含めた哺乳類が、相手の上に向かい合った状態で馬乗りになる、乗りかかる行為を指す。登る、乗る、またがるを意味する“mount”が由来。マウントを取る行為は、自分の優位性をアピールすることを意味する。 その延長で、容姿や仕事、お金や恋愛ついて話す様々な場面で、互いに“格付け”し合い、相手よりも上に立とうとする言動や行為の全般を表す。
マウント(まうんと)とは?(意味)~用語集|numan より
こうして考えると、ネットに限らず世の中ではマウントが至る所で見られます。 あー、そう言えばあれもマウントだよなってのありますよね。
何故、人はマウントしてしまうのか、という事についてはここでは無視します。今日書きたいのはそのことについてではなく、「マウント」という言葉そのものの有用性についてです。
占い師の役割
占い師、僕は会ったことはないんですけど、実際どんな人なんでしょうか。 大抵水晶玉を覗き込んでホンジャラナンジャラ言ってそうなイメージがありますが。
占い師のすることの1つに「看破」があります。あなたは〇〇ですね?と過去や現在の状態を言い当てる奴です。そしてその後に「助言」が続きます。この月は運の回りが悪いから後回しにしなさい、とかこの数珠を買いなさい、だとか。
この一連の流れ、よく考えると、看破と助言の間に関係性があまりないのに気付きませんか?
過去や現在がわかるからといって、未来がわかる理由にはならない。
ということです。ですが、「看破」の効果は絶大で、これをやられるとその人はその占い師自体を信用してその「助言」に従うわけです。
別に、僕はここで占いなんてインチキだ!!などというつもりはありません、もしかしたら本当に霊能を使って過去や未来を言い当ててるのかもしれません。ですが、そのブラックボックスの中身については無視します。マウントと理由と同様に。
ここで大切なのは、占い師の機能です。
人間という生き物は中々人からの助言に従わない生き物です。傲慢で偏屈な生き物です。ですが、占い師がこの「看破」の効能で持ってして、「助言」を行えばそれに従う可能性が上がります。つまり、この時当たり障りのない普通の助言をすれば大抵のことは上手くいきます。
当たり前のことができないのが人間なんですから。そして普段はその当たり前の助言をされても従わないわけですし。
せっかくなので、ここで医療関係者らしい話も少し出しておきましょう。「プラセボ」です。
プラセボ、今更解説はいらないかとも思いますが、特に薬効のない見た目だけが薬っぽい偽薬のことですね。ですが、プラセボは効きます。 それは「医師による処方」という演出が伴うからです。「看破」と同じです。 あれも一種のブラックボックスです。
そういうわけで僕は占い師は「有用」だと考えます。
「マウント」という言葉の使い方
さて、ここまで来てようやく、マウントの話に戻ります。今現在、マウントという言葉が使われる時は大抵、「お前これマウントしてるじゃないか!」という「マウント行為」(と思われるもの)を批判する文脈で使われます。
しかし、よく考えてみれば、人間がそれぞれ平等じゃない以上、どんな発話も受け取り方で「マウント」になり得ます。
つまり、マウント行為(と思ってるもの)を叩くことはあまりに虚しく、一度始めると、あれマウント、これもマウント、みたいになってしまう無間地獄の幕開けにもなりかねないわけです。
つまり、「マウント」という言葉の最も良い使い方は「心の中で」あーあの人の私に対するあの発話はマウント行為なんだ、と解釈する使い方だと考えます。この解釈が何を産むのかと言えば、「理不尽に向けられたただの害意ある感情」だったものから「野生動物にもよく見られる本能的な行為」の1つとして解釈されるわけです。
ゲップとかと同じですね。
ここで重要なのは「その行為が本当にマウントであったかどうかは関係ない」ということです。
マウントが本当か否かを問うことは、危険な行為であると僕は思います。言い出せば全てマウントです。ですが、そんなの誰も救わない話じゃないですか。そんなものに救いはないんですよ。自分もよく知ってる過去にあった出来事を言い当てるだけの占い師に存在価値なんてないでしょ?ただの超能力者かペテンです。未来への助言をするから、占い師に価値はあるんです。過去を見る異能があっても例え、未来を見る異能がないにしても。
だから僕は占い師と同じように「マウント」という中身があるようでない言葉は有用だと考えます。
ブラックボックス
本当かどうか、真実か否か。
それはとても大切なことで、みんながみんな本質を求めます。
でも、世の中には上っ面だけ、表面だけを都合よく受け取るべきなブラックボックスがあるんだとそう思います。
自分に対しての「処方」としてのマウントという言葉。うまく使えば救いになりますが、まさしく毒にも薬にもなる言葉なので、気をつけて使っていきたいですね。
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