社会人になって一ヶ月の間に聞いた言葉
- さよなら黄金週
- 「頭を使え」
- 「今後の伸び代は研修医時代に決まる」
- 「担当患者さんの薬は全部把握しとこうな」
- 「地獄を見た方がいいかも知れないけどな」
- 「先生たちは労働者です」
- 「まずは朝・夕に患者さんしっかり見ることかなぁ」
- それでは5月
さよなら黄金週
ゴールデンウィークも終わりますね。
こないだまで、花見だなんだと言っていたと思ったら軽い熱中症になりかけるような日もあったり。
僕が今住んでいるところは大体山なので季節の変化が視界の変化としてかなり如実に反映されます。
ただの緑だと思っていた山々がグラデーションのように少しづつ色を変えていくのは豪華な砂時計を見ているような気分になります。
国試直前も言ってましたが、時間の流れが早い。
時間の流れはもう絶対的に早い。相対性理論とか知らん。
やるべきことに対して遺されてくる時間が短すぎるし、すきあらば時間を無駄にしてくる自分が最大の障壁すぎる。こんな風に駄文書いてる時間が一番無駄な気もするが、まぁ創造的な趣味として許してもらおう。ごめんね神様。
さて、こんな僕ですがこの一ヶ月自分なりには悩んだり試行錯誤したりしました。とはいえそれをこんなところで書いても誰かの参考になるとも思わないし、もっと洗練されたやり方を書いてる人がいるだろう。そこでここにはこの一ヶ月で僕が人から言われたこと、を書いていきたいと思う。その是非はもし読んでくれた人がいればその人が考えて欲しい。
あくまで「個人の感想です」と言うやつだ。さらにその上僕の解釈記憶違いもあるだろうからそれを踏まえて欲しい。
備忘録でもあるし、次の一ヶ月が終わった時、その言葉たちが未来の僕にどう受け止められるのか比べてみたいと言う気持ちがある。
「頭を使え」
この言葉は全く別の先生から別々に、だがほぼ同時に頂いた言葉だった。
これだけ言われると言うことは僕がよほど頭使ってなさそうに見えたのだろうかと言う懸念はあるがまぁ実際使ってないし適切なお言葉であったと思う。
僕が「今後どう頑張っていけばいいのか」と言うすごく曖昧な質問をしたところお二方が答えとして提示してくださった言葉だったと思う。
分ける意味もないので、お二人の意見を混ぜたような形で解説しておく。
この時期、研修医の先生はどんな本を読んだらいいか何を知れば良いかと言うことを聞きたがったり知りたがったりするが、それは必要に応じて見つかるものだし、このご時世情報源は無限にある。実際に僕たちはそれを運用しなければいけない。実際の臨床の現場で業務をこなして行かなければならない。
だから大切なのは知識をどう使うの、頭を使って自分で考えること。
自分の置かれた状況の認識、そこからとるべき行動、そしてその行動がもたらす結果の予測。
その思考過程の中に知識が入ってくるだけ。
実際に長い医師生活の中で知識はアップデートされたり、使わなくなって忘れるかも知れないが考え続けることが根本に必要なのは変わらない。
そしてその「考える」ことは医療に限らず生活の中で常に試され続けていて、生活そのものが訓練にもなる。そして、極論すればどんな医療を行うかはその人の生き様そのものを反映していくことになる。
常に自身の行動とそれがもたらす結果を考え続けること。
それがチカラになっていく。
「今後の伸び代は研修医時代に決まる」
これはカルテについての話の中で言われた言葉だった。
僕たち(上級医)のカルテは多分簡素に見えるかも知れないけど、実際には挙げられうるプロブレムリストに対しての考察を行なって低い可能性を除外している。
カルテだけ見ると真っ直ぐな一本道に見えるかも知れないけどそうするために途中で何度も剪定作業を行なっているんだ。
その剪定された可能性を丹念に検証していく訓練を研修医のうちに何度もするかどうかは大きいんじゃないかな。正直個々の疾患については後から学べるからね。
「担当患者さんの薬は全部把握しとこうな」
いやこれはもうほんとに、そうですね。と言うかはい、ごめんなさい。
「地獄を見た方がいいかも知れないけどな」
うちの病院は基本的に研修医のことをとてもよく見守ってくれる病院で放置プレイみたいになることはない病院です。某感染症に関しても研修医は基本的に関わらないで済むような方向性で守っていただいてるのを日々感じる。そんな病院における当直についての話題で先生から言われた言葉だった。
患者さんにとってはいいことなのかも知れないけど、上の先生が研修医の先生たちのことを全力でカバーしてくれてる体制は、研修医の教育という意味では修羅場になりにくいよね。研修医が自分しかいないと言う状況であれば一人でなんとかしようとするしかなくなってその状況の中でついていく力もあるのだろうけど。難しいな。
「先生たちは労働者です」
頑張る方向性がまだあまり見えない、と言う相談をしたときに先生に言われた言葉。
先生たちは労働者で、もちろん医学的な勉強も必要だけど労働者として「業務」をしないといけない。例えばこれこれの疾患医は〇〇の治療をする、と言うことを「知って」いても、カルテでオーダーできないとそれは「仕事」にはならない。だから、医学の勉強と同時に「業務」として何を意識すべきか考えて欲しい。救急とかだと「するべきだけど手が回ってないこと」を見つけるとかそう言うことをね。空気を読む感じで。
「まずは朝・夕に患者さんしっかり見ることかなぁ」
上と同じような質問を別の先生にしたところ帰ってきた答えである。
同じ日の中、さらにそれより長い期間の中で患者さんの変化を見て触れて感じれるようになることは大事だと思うよ。
それでは5月
まぁこんなものか。
いよいよ「4月だししょうがないね」と言う魔法の言葉が使えなくなりますね。別に今までも使ってはないけれど。
医師一年生の皆さん頑張って生きていきましょう。
周囲の方々には多大なる迷惑をかけていろことと思いますがなんとかやっていきますので今後ともよろしくお願いします。