人ってホント面白いなあ、興味深いなあって思うことは日々いろいろ出てきます。
「へえー、そんな考え方するんだ」とか「なぜそう感じる、そう思うの?」っていうことが多々あります。
先日も後輩を指導している指導員と話していて、そんなことがありました。
今回はその事柄からの学び、考察といったところを話していきます。
目次
優しくするとつけあがる?偏見上司、先輩が用いる「甘やかすか」「しばくか」の極論二元論
結論
甘やかしてもしばいてもダメ。大切なのは重要感を持たせること。
隙を見せたらつけあがる
その先輩指導員は言うのです。
「何ごとも最初が大事。最初のうちは優しさなんか見せてはダメ。そんなことをすればつけあがるだけ。」と。
これを最初聞いたとき僕は驚きました。
ちょっと衝撃的でもありました。
「へえーそんな考え方をする人がホントにいるんだ」というのと同時に「どうやったらそんな偏った思考を身につけられるのか?」とも感じました。
彼女は強調します。
「優しくするとつけあがる」「隙を見せたらつけあがる」ぞと。
そもそも何を根拠にそんな風に思えるのかが謎ですが、確実に言えることはそんな発言をする人はただただ自分かわいさなだけ、マウントをとりたいだけの自己保身のかたまりだということです。
推察するにそのたぐいの人たちは新人時代に間違いなく厳しく教えられてきています。
そしてそうやって自分が育ってきたものだから、人を教えるには厳しくするという選択肢しか自分の中にありません。
そして彼女たちの中では「優しさ」イコール「甘やかし」なのです。
この思考の偏り具合がすごすぎてちょっと怖いのですが、周りを見渡すと世間的にこの手の人たちは一定数います。
たとえば新人を成長させるには承認してあげましょう、とか、ほめてあげましょう、というと「それって甘やかすってこと?」「厳しくしなきゃダメでしょ」って考える人です。
つまり彼女たちのアタマの中には「甘やかすか」「しばくか」の二元論しかないのです。
そしてその選択肢だけならば当然のように「しばく」方へ向かうわけです。
この人たちに共通することはみんな総じて視野が狭いです。
視座が低いと言った方がいいのかもしれません。
つまりメタ認知力が低いのです。
すべては自分の経験値のみを土台とした考えです。
バイアスかかりまくりです。
ですがホントに怖いのはここからで、本人はそんな風には一切考えていないのです。
むしろ自分が常識、スタンダードだと考えます。
ですので「隙を見せたらつけあがる」というなんとも自分本位な傲慢な考えに当然のように行き着くのです。
「いやいや、そんな考えを持っているあなたこそつけあがっているんですよ」と言ってやりたくなってしまいます。
人に厳しく自分に甘い
残念ながらそんな人は少なからずいます。
たとえば「人に厳しく自分に厳しい」や「人に甘く自分に甘い」というのなら納得もいきます。
ですが「人に厳しく自分に甘い」だけはどうしても納得できません。
なぜそんな思考ができるのか?
でもその答えは結局僕たちが人間だからということになるのでしょう。
僕たちはやっぱり弱い生き物なのです。
自分を厳しく律した上で、他人に優しくできる人なんてそんなにいません。
自分のことは棚に上げたうえで、他人に対しては厳しく接する、そんな人が一定数いることは当然なのかもしれません。
「優しくすればつけあがる」「隙を見せたらつけあがる」そう考える人は「人に厳しく自分に甘い」の典型なのでしょう。
まとめ
人を育てるってホントに大変です。
人材教育ってホントに難しいです。
「甘やかすか」「しばくか」の二元論ではどうやったって太刀打ちできないシロモノです。
もし仮にその二元論的思考で指導を行う上司や先輩がいるのであればその部下や後輩がかわいそすぎます。
大事なのはそんな表面的なテクニックではないのです。
仕事において部下や後輩を動かそうとするのであれば、必要なのは重要感を持たせることです。
人は重要感が満たされていれば頑張れます。
自分が必要とされている、認められていると感じることができれば人は動いてくれるし育ちます。
ですので甘やかそうが厳しくしようが、その思想がなければ同じこと。
いかに重要感を持たせて、モチベーションを保ってもらうかという根本の思いがなければどういう手法をとったって人は育ちません。
ですので上司や先輩が絶対やらないといけないことは、「あなたが必要ですよ」「あなたの頑張りをちゃんと見ていますよ」と伝えることなのです。
「優しくするとつけあがる」と考える人はその部分がないのです。
もし本当に優しくするとつけあがる部下や後輩がいるのであれば、それはあなたの指導方法が間違っている証拠です。
もっと真摯に部下や後輩と向き合いましょう。
つけあがっているのはどう見たってあなたなのですよ。