弁護士・日弁連・裁判所と闘います エム’s blog

法律素人による本人訴訟や弁護士懲戒請求などの記録


⑰ 弁護士懲戒請求5 弁護士KM(日弁連綱紀委員会部会長としての不当行為)

5.日本弁護士連合会綱紀委員会第2部会 部会長川端基彦(第二東京弁護士会 平成29年(コ)第153号)

 ②で説明した通り、N弁護士を懲戒しないとした東京弁護士会の決定に対し、エムが日本弁護士連合会に行った異議申出は(期限内のものだったのに)期間徒過として却下されてしまいました。この日弁連綱紀委員会第2部会の異議申出却下議決は著しく不当であるとして、平成29年6月6日、エムは日弁連綱紀委員会第2部会の代表(部会長)であった川端基彦を、所属弁護士会の第二東京弁護士会に懲戒請求しました。

 東弁とは違って、2弁綱紀委員会は綱紀委員会の部会長だった対象弁護士に答弁させました。(それがふつうです。) 対象弁護士川端基彦の答弁の内容をまとめると、

  1.  エムの異議申出は期間満了日に行われた適法なものであって、これを期間徒過で不適法とした日弁連綱紀委員会第2部会の却下議決が不適法であったことは認める。ただしこれは部会の過失によるもので故意に行ったわけではない。

  2.  ① 事務局(日弁連審査部)は平成29年1月24日にエムからの異議申出を受理し、その事案の調査を通常通り行った。② 期間徒過については本来、綱紀委員会部会の副部会長が前もって確認する決まりになっているが、今回は事務局が副部会長に事案を回さなかったため、エムの異議申出が期間徒過かどうかを副部会長は確認していなかった。③(にもかかわらず)事務局は、同年4月19日に開催された綱紀委員会第2部会に、エムの異議申出を「期間徒過による却下予定」として上程した。④ 事務局からは、原弁護士会の決定が通知された日付や日弁連が異議申出書を受理した日付を示す資料も配布されており、綱紀委員会第2部会部会長であった川端基彦はそれらを確認した。その上で「期間徒過による却下でよいかどうか」を部会員に確認した。⑤ 部会の綱紀委員らは、事務局の「期間徒過(1日)」という記載をそのまま信じ、誰一人その誤りに気付かなかったため、日弁連綱紀委員会第2部会は参加者(15名中14名出席)の全員一致で、エムの異議申出を却下する誤った議決を行ってしまった。

  3.  「1日の期間徒過」の場合、期間満了の末日が日曜日等の休日に該当しないかを注意するのが常であり、より注意深くチェックしたならば、期間徒過でないことに気づいて然るべきものであった。本件では、部会長の川端基彦も他の綱紀委員も誠実かつ忠実に綱紀委員としての職務を遂行していたにもかかわらず、なぜそのような見落としが生じてしまったのかよく分からない。

  4.   日弁連綱紀委員は職務として綱紀の審査に加わり議決権を行使し、また綱紀委員会部会長は職務として議長を務めて議決書に署名押印する。しかし、日弁連綱紀委員会の議決は委員会(部会)が機関として行うものであって、綱紀委員や部会長が行うものではない。このため、日弁連綱紀委員会の認定・判断及び議決に誤りがあったとしても、それらにおいて弁護士の行為はなく、弁護士に対する懲戒請求には理由がない。

  5.   部会は適法な異議申出を誤って却下したため、弁護士法64条の2に規定される「異議の審査」についての実体審査を行わなかった。しかしそれは、異議申出を故意に却下したことを表すものではない。本件では、権限の逸脱・濫用がなされておらず、手続きに違法な点があるわけではなく、通常どおりの手順で適法に議事と議決を行なった。

  6.  以上より、その職務遂行上の落度は、いまだ品位を失うべき非行には至らず、懲戒審査を相当するまでのものではない。

というものでした。

 議決は不適法だけど、綱紀委員は誠実かつ忠実に職務を遂行し適法に議事と議決を行ったから問題はない? 綱紀委員が職務として行った議決だけど、議決は綱紀委員会が機関として行ったものだから綱紀委員に責任はない? さすがは弁護士らしい無茶苦茶な言い訳ですね。

 それにしても、事務局への責任転嫁で自己保身を図るとは弁護士としての品位を失うとしか言いようがありません。事務局(日弁連審査部)が異議申出の期限を確認しないまま調査を進めたとでも? 調査が終わってから改めて期限を確認したら期限を誤ってしまった(適法な異議申出を不適法と上程した)とでも? 川端基彦は、専門家である日弁連審査部が無能だと言うのでしょうか?
 そんなことはないなら、実際には、初めから期限内の適法な異議申出であることを分かって調査を進めその結果まで出ていながら、綱紀委員会の審議のときに「本当は期間徒過で不適法だった」と気づいたフリをして、適法な異議申出を間違えて却下相当にしてしまったことにしたとしか考えられません。でもそれは、そのような悪質な行為を行った事務局の責任であって、それに「気づいてしかるべき」なのに「なぜか見落としてしまった」綱紀委員の部会員及び部会長の注意義務違反は軽微? 綱紀委員会が誤った却下議決で適法な異議申出を門前払いした「イカサマが行われた」としか考えられないのに、それは事務局のせいだから実際に違法な議決をした綱紀委員会第2部会に責任はないとする部会長川端基彦の説明は信用できません。

(過誤を事務局のせいにするのは弁護士あるあるです。綱紀委員会と事務局は一心同体なんだろうと思いますが。でももしかしたら、ホントは事務局がすべてを仕切っていて、綱紀委員はただのお飾りなのかもしれませんね。)


 この、日弁連綱紀委員会第2部会長の川端基彦に対する懲戒請求は、平成29年12月11日、第二東京弁護士会で「懲戒しない」と決定されました。その決定のもととなった議決書(第二東京弁護士会綱紀委員会第1部会 部会長岩下圭一)で示された理由は、1. 川端基彦が故意に却下議決を行ったとの事実は証拠上認められない、2. 日弁連綱紀委員会第2部会部会長としての不注意・落ち度があったことは認められるが懲戒審査相当とするまでの非行は認められない、というものでした。

 弁護士懲戒は弁護士会・日弁連が行政庁として行う行政行為なのに、その職務がこんなにずさんで無責任なもので許されるのでしょうか? その職務を行う弁護士会の綱紀委員は「みなし公務員」です。当然それなりの責任が求められているはずです。それなのに「気づいてしかるべき」誤りを「なぜか分からないが見落としてしまった」なんていう言い訳が通用するなんて、はなはだ無責任で無茶苦茶ですね。


 日弁連の内部で行われた不正の真相はウヤムヤにされ、日弁連綱紀委員会の明らかに違法な議決はだれも責任を取ることなく黙認されてしまいました。日弁連がこんなイカサマまでして行う弁護士懲戒、自浄とは無縁の「真っ黒けな弁護士自治」の現実です。

 

 

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