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新書三昧~半端さの効用

2020年07月08日 | 読書
 フルタイムで働いているわけではないし、仕事術とか集中法とかの類は以前ほど手を伸ばさなくなっている。しかし、この書名を見て思わず選んでしまったのは、やはり意外性だ。著者には『友だち幻想』という良書がありいい印象を持っていた。それにしてもこの「18分」という半端さは何か惹きつけられるなあ。

  『18分集中法』(菅野 仁  ちくま新書)



 著者が最初に語ることは「とりあえずの18分」ということだった。何かを続けたり、成し遂げたりするために大事なことは、「とにかく始める」という点はよく脳科学系の本に載っている。片付け等でもよく言われる。それを「とにかく始めて、とりあえず『18分』だけやってみる」という方法へ一歩進めて提言する。


 では何故「18分」か。15分という区切りは一般的によく意識する長さだ。著者は自らの経験や、モニターを依頼し、感想などを分析したうえで、次のような気持ちが起こりやすいとしている。「中途半端ゆえに、休みを挟んで、また頑張ろう」「15分経って疲れても、後3分だからもう少し頑張ろう」。はあっと思う。


 個人的見解と割り切ることもできる。しかし自分のように「いい加減でありながら几帳面に考えるタイプ」には、こうした変化球はとても魅力的に見える。1時間でこの区切りのいい所まで仕上げるぞ!といった発想とは逆に、「タスクはなるべく中途半端なところで区切る」ことが集中力を途切れさせないコツと語る。


 無数にある仕事術、読書術の類の中で、この発想のウリを端的にいうと文中にある「『腹八分目』という感覚」になるか。腹八分目だからもう少し頑張れる、腹八分目だから続けられる、健康になれる…ということかな。いや自分の齢だったら7分目、6分目が妥当か。コンディションを見つめる大事さに気づかされた。


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