かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  68

2020-09-26 16:08:07 | 短歌の鑑賞
     ブログ版 清見糺の歌 8(修二会)   鎌倉なぎさの会


68 大和より若狭につづく太古(そのかみ)のみずがねいろにひかる道見ゆ
                「かりん」95年7月号

 これもエピソードを持つ。二月堂開祖実忠和尚(かしょう)が行を行うのに全国の神を集めたが若狭の国の神は遠敷(おにゅう)河で釣りをしていて遅参した。遅れてきた若狭の神は実忠の精神性高い行を見て感銘を受け、自分が責任を持って毎年お水取りの水をさし上げると約束した。
 そんな訳で、今でも若狭彦神社の境内で三月二日に「お水送り」の儀式が行われている。これも作者がこころの目で見た太古のきらめく水の道である。「大和より若狭につづくみずがねいろの道」は文明の開けていく予感にみちているようにも感じられる。(鹿取)



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