保育士求人によくある疑問と質問について解説

保育士求人サイトと人材紹介の闇と呼ばれるこの2つを保育業界の専門家が暴露という形で解説していきます

お昼寝はいつまでするのか

保育園ではお昼寝の時間を設けていますが、小学校に上がると当然お昼寝の時間はなくなります。では保育園ではいつまでお昼寝をするのでしょうか。今回は東京都足立区の例を挙げて解説します。

 

 

◆一般的には5歳児の10月以降に昼寝の廃止

 

実はトイレトレーニング同様に保育所保育指針に日中のお昼寝において明確な時期についての記載はありません。ただ小学校との連携という部分において当然、小学校で行われていない日中の睡眠にあわせて保育園でも日中のお昼寝を行わないように移行していきます。この移行時期については大きく2つの時期を設定している保育園が多いです。

 

まず1つめは秋口に行われる運動会の後です。どうしても日中に運動会の練習を行うと、体が疲れてしまいます。その為運動会を終えた直後に日中のお昼寝を少しずつ減らしていく。

 

2つ目は年明けの1月以降から開始するパターンです。これは年末年始の休み明けでリズムがリセットされてしまうことが関係しています。後述でお伝えしますが、4~5歳児になると家庭では土日の休みに日中のお昼寝の時間を取らないことが多くなります。ならばこの休み明けに合わせて開始するというものです。もちろんこの2つの時期以外にも始める保育園は多くありますが、一般論としてこの2つの時期が多いと言われます。

 

 

◆睡眠にもある個人差

 

トイレトレーニングの解説の際、同じ月齢であっても発達には個人差があることを記載しましたが、当然睡眠にも個人差はあります。その為、保育園では必要に応じて個別で睡眠の時間を設けることもあります。また遠足の日などには布団を用意し、一斉に体を休ませることもあります。

(この場合は布団の上で体を休めて、眠くなった子だけお昼寝を取る形になります。)

 

 

 

◆東京都足立区で実施された睡眠改革

 

東京都足立区では公立保育園でお昼寝の時間を廃止にしました。

これは前述の土日の家庭ではお昼寝の時間を取っていないことが多いから。その為、4歳児クラスと5歳児クラスではお昼寝の時間を遊びの時間に変えることでより子どもたちが保育園生活を充実させることを目的に保育プログラムを変えました。また足立区の主張では昼の睡眠時間を短くしたことでその分、夜の時間に早く眠ることが出来る為、早寝早起きの習慣がつくという考え。

 

 

 

◆東京都足立区ではその為の補助金が支給

 

ここからは当ページならではの解説です。

 

子どもが睡眠を取っている時間って実は保育士にとってとても重要な時間で、この時間帯に子どもたちの睡眠をチェックしながら連絡帳や保育日誌を記録することが出来ます。また複数担任制であれば配置人数内であれば一人だけが室内に残ればよいので、自由に仕事をする時間を取ることが出来ます。しかしお昼寝の時間を廃止することで、その分、子どもたちの把握をする必要がある為、保育士の仕事量は増えてしまいます。そこで足立区では4歳児のお昼寝を廃止した私立保育園にはその分の保育士を雇用する補助金を支給しています。この4歳児睡眠時間廃止による補助金については全国でも極めて珍しいケースです。

 

 

 

◆睡眠の答えはわからない。ただ・・・

 

では足立区の実施している4歳児のお昼寝の廃止は正しい施策なのか??これについては明確な答えはありません。ただこれも一つの地域性による保育の違いであるというのが私の見解です。そして私自身もこれが正しい選択なのかどうかというのはわかりません。

 

ただ足立区の私立保育園にから聞いた話では、予算をもらっても保育士不足で肝心の保育士を採用することが出来ないというのが現実的な悩みということ。また同じ足立区内の別の私立保育園では、お昼寝中の把握担当も活動の時間の担当も保育士1名で対応できるのだから、結果として子どもには有意義な時間を送れるし、保育士も1人でみることで成長することが出来るという意味ではよい試みではないかという意見も寄せられています。