すみっこきろく―双極性障害Ⅱ型だけど、それなりに楽しく生きていきたい

病気や薬の経験談、病気になって感じたこと。あくまでも個人の体験談ですので、参考までに。

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精神病院から退院したくなかった話

前々回から言っていた『精神病院から退院したくないと思っていた話』についてようやくまとめることができました。
退院したくないと思っていた理由と、もやもやしていた気持ちをあっさり解決してしまった出来事について書いていきます。

精神病院から退院したくなかった理由

病院の外には入院中に考えなくてよかった『現実』が待っています。
それらを考えるととても不安で、退院なんてしたくないと私は思っていました。
退院することにあたって私が不安に思っていた事柄をまずは書いていきます。

人間関係

私は人と関わるのが苦手です。
家族や友達でも、一緒に過ごす時間が長かったり深入りされたりすると負担になります。
それに、人の何気ない言動がきっかけで体調が悪化したことも何度もあります。
退院すれば家族や友達と再び以前のように付き合っていかなければならないのだと思うととても憂鬱でした。

入院患者さんは、必要以上に関わらないようにしている人がほとんどだったため、気楽でした。
開放病棟では個室で、作業療法への参加等も自由だったために、人に会いたくない時は部屋に閉じこもって過ごすこともできました。
しかし病院の外での生活はそうもいかないことがあります。

『社会』に戻る不安

退院するということは元の社会生活に戻るということです。
入院中は考える必要のなかった『家事をしなきゃ』『早く仕事を見つけなきゃ』などといったことを考えなくてはいけなくなります。

入院前、私は仕事もできず毎日家にいることに罪悪感を抱き、自宅にいること自体が苦痛になっていました。
そのため、家に帰ることを考えるだけで不安な気持ちでいっぱいになっていました。

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試しに1日だけ、自宅に帰ってみた

私が入院していられるのは最大3ヶ月と言われていました。
その3ヶ月が終わる日が近づくほど、『退院したくない、帰りたくない』という気持ちが大きくなり焦っていました。
しかし、看護師さんの勧めと家族の希望で、1日だけ自宅に外泊をしてみることになりました。
その時の私は「1日だけなら外泊してやってもいいけど、それで気持ちが変わることなんてない」と思っていました。

久しぶりの『病院の外』での一日

外泊の日がやってきて、父の運転する車に乗って家に帰り、家族でごはんを食べ、自分のベッドで眠り、翌日時間になったら父の車に乗って病院に戻りました。
数ヵ月振りに病院の外に出たからといって感動することもなく、あっという間に外泊は終わりました。
何か特別なことをしたわけでなく、家族も特別扱いをしてくるわけでなく、『ごくごく普通の1日』でした。


外泊後、早く退院したくなった

退院への考え方が変わったのは外泊から病院に戻ってまもなくのことでした。
家は病院と違って『自分の本来いるべき場所』なんだと思う気持ちが日に日に強くなっていきました。

病院の中にいた方が、社会のことや嫌なことを忘れてストレスも少なくのんびり過ごすことができます。
しかし、病院はあくまで療養のための場所であり、自分の人生を自分らしく生きるための本拠地ではないと思いました。
嫌なことやストレスが増えるとしても、私は自分の本来の日常生活に戻りたいと思いました。
その気持ちを看護師さんや家族に伝え、私は予定通りの日程で退院をしました。

入院生活を送ったからこそ、前向きな気持ちになれた

このような考えに至ることができたのは、入院して治療にあたった結果だと私は思っています。
前述のように、私は不安を抱えながら日常生活を送っていました。
しかしいつまでも不安な環境の中にいては、前向きな気持ちになることは難しいと思います。
入院して、日常で感じていた不安から一時的に逃れることで、心に余裕ができ、もう一度社会に戻ってみようという気持ちになれたのだと感じています。
嫌なものから離れて自分の心を楽にしてあげることはとても大切なことだと思います。
それがきちんとできたことはとてもよかったなと思います。



これでようやく入院から退院までの体験談を書き終えることができました。
細かいことでまだ書きたいことがあるので、今後また小出しにして行こうと思います。
精神病院に入院したことで病状がよい方向へ向かった体験談のひとつとして、参考になればいいなと思っています。
入院に関すること以外の記事も少しずつ書き溜めているので、近いうちにアップしたいです…