なぜ、エコノミー機材なのか?

 なぜエコノミーコースなのかと言えば、それはお金がないからっていうのもそうなんですが、そこはもっと深い考え(?)というか言い訳があってのことなんです。
 いい写真を撮ろうと思ったら、もっといい機材を使って暗い空を求めて遠征すればいいというのは全くその通りです。でも、わざわざエコノミー機材で遊ぶのには一応ながら理由があるんです。
 ま、この辺の楽しみ方は人それぞれなのでどれがベストということは決してないのですが、私個人の趣向について書いてみたいと思います。

なんだかんだと、筒を空に向けてるのが楽しいんですよ

■ 理由① 先がまだ長いから
 この天文という趣味、私にとってはかなり長い期間休止しつつも憧れが已まずに再開した世界です。たぶん、ライフワーク的な世界になるんだろうなあ、と感じています。とはいえ、会社をリタイアしたわけではない私にはまだもう少し時間あって、その先まで考えるとけっこう先の長い趣味になりそうなんです。宇宙の時間感覚からすれば一瞬ですが、死ぬまでにはまだ光の速さで移動すればプロキシマまで何往復かできるほどの時間があったりします。
 そうなってくると、再開したばかりで、しかも大して時間も取れない今はお金のかけ時じゃないかもな~、というのがエコノミー機材に親しんでいる理由の一つではあります。

■ 理由② 過程が楽しいから
 往々にして、趣味というものは過程が楽しかったりするものです。結果だけが大事なら、ハッブル宇宙望遠鏡の写真集に敵うはずもないわけですが、その写真集とは違う何かを求めているわけです。
 その違いは、オリジナリティを表現するための何かだったり、天体からのナマの光を受け止めているという実感とか、星を見たり撮ったりするのが好きになった頃と同じ何かなんだろうなあ、と私は思ってます。
 楽しみ方は色々ある中で、色々考えてみたり試してみたりするプロセスが楽しくて、そうするとエコノミー機材は試行錯誤の楽しみの余地がふんだんにあるな~と、ポジティブに考えることもできます。
(きれいな写真を撮るとか、目的意識がはっきりしている方には向いてないですね)

■ 理由③ 機材の進歩が速くって
 私が天文趣味を休止していた平成のほぼ全期間に、天文機材は長足の進歩を遂げました。その昔にパロマー天文台の口径5mで撮った写真よりいまのアマチュアが撮る写真の方が優れていたりするという衝撃を受け止めないわけにはいきません。考えてみればその昔、高性能ながら仕様がスパルタン過ぎて使いこなしてたのは日本で数名くらいだったんじゃないかとすら思われる純シュミット光学系なども、デジタル時代にはその価値を示す場がほぼなくなってしまいました。
 こうした進歩はデジタル機器によるところが大きいわけですが、その進化スピードはすこし前のパソコンなどに似て容赦ありません。今、最先端&最高級の機材であっても、10年後には時代遅れである可能性が大なわけです。実際にその昔、100万画素のデジカメなんかも数十万円はする超高級品だった時代があるわけですが、今となってはそんなものはスマホにも遥かに劣る性能でしかありません。
 で、いまの自分の乏しい技量と趣味へのゆるーい取り組みを考えると、たぶん練習している間に機材が陳腐化してしまいそうです。高級・先端機材で練習しているうちに、リセールバリューもガタ落ちになりそうです。
 そういうわけで、練習期間はエコノミー機材で失敗もろとも楽しんでおくかな、というところです。エコノミー機材は、機材を手放すときの価格もエコノミーとはいえ、もともと価格が下がりきっているので差額は大きくならない傾向があるかと思います。

■ 理由④ B級が好みだから
 まあグダグダ書いてきましたが、天邪鬼な私は人と同じのはイヤだったりで、なんだかんだと人気のトップブランドとは違うやつが好きなんです。相撲で言うと、千代ノ富士とか貴乃花もいいけど、旭道山みたいなのが勝ったときに喝采を送りたくなるんです(わかりにくい例えでごめんなさい)。力士の強さが体重だけでは決まらないように、機材の良し悪しも値段だけが決めてではないのです。
 そして"B級グルメ"みたいに、高いわけでも有名店なわけでもないのに美味しいやつに出会えたたりするのが楽しい、と感じてしまうサガなのです。最近の天文趣味では、超格安SR(スペシャルラムスデン)アイピースSE200N鏡筒が値段に見合わぬ恐るべき見え味を示してくれたことなどは、驚きと共にこの趣味への奥行きを考えさせてくれたのでありました。

…というわけで、エコノミー級の趣味の楽しみをゆるーく満喫していこうと思ってはいますが、ゆるーい楽しみ方のためには省力化のためにお金を投じる場面も・・・あるかも、と思い始めた今日この頃です。適度にアップグレードしながら楽しんでみたいと思います。



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