ククク、先生、Part4もよろしくお願いしますッ! おっと、その前にPart1、Part2、part3を読んでいない方は、こちら。
今、ある程度、植毛の結果に満足しているとはいえ、これ以上を求めるとしたら、こちらでの手術ならば可能であるのかについて先生の率直なご意見を伺いたいです。
圧倒的、本音ッ!植毛は、まるで、居合抜きッ!2回目の方が難しいッ!
少ない株数(500株未満)だったら、FUEもありだと思うけれど、僕がね、いろいろと引っかかってるのはね。 あのね、FUEってね1回目の手術としては、いいですよ。 だけど、どんなに少ない株数であっても2回目をFUEでやる時は、いつも苦労する。 要するに、一度くり抜いたドナー部からもう一度くり抜かなくてはいけない。 ドナー部の近場からくり抜いていくと、列っぽくなるし、何といっても薄くなる。
やっぱり、薄くなるんですね。 私の場合、2回目の植毛手術に際して、FUTでドナーを採取したらどうなりますかね?
FUTの場合だったら、線状の傷だからあまり関係ないですけど、FUEの場合だったら、全体として薄くなるのが嫌だなっていうところがあるのと。 まず、第一にね、1回すでにドナーとして採取された部位から、また採取するのは、気の重い作業だね。
はぁ・・・(先生ほどの実績と技量を持つ名医でも気の重い作業なのか)
要するに、「居合抜き」と同じだよ。 一の太刀で仕事が終わればいいけど、2回目をするのは、かなりキツイ勝負になるよ。 FUEもFUTも2回目の手術の方が、1回目よりも大変だけど、特にFUEの場合は、1回目で大きい株を点々と採取するから、なおさら大変だね。 ちなみにね、海外だと、「サクランボ狩り」に例えられるね。「いちご狩り」の場合もあるけど。 要するに、一番得をするのは、1回目の客ってことだね。
ククク、なるほど、なるほど。 2回目は、既に狩られた後の出涸らししか残っていないという訳ですな。
そう、美味しいサクランボを探すのは、大変なの。 僕は、それがあるから、2回目の植毛手術の方が1回目よりもハードだって言っているの。 まぁ、側頭部も結構使えるからね、全然採取していない部位があれば、そこから採取すればいいんだけど、2000株となるとそうは行かない。 あなたの場合、2回目に1000株以上の植毛となると以前採取した部位からの再採取もやらざるを得ないだろうね。
圧倒的、本音ッ!改めて、FUTがFUEよりも優れている部分とは?
ところで、こちらのクリニックでFUTの手術を受ける方は、どれくらいの株数を移植するのですか?
それは、程度によるから一概には言えないけど、たくさんやる人は2000株、目一杯やる人は3000株くらいやるよね。 だって、FUTって元々たくさん移植できることがメリットであるのに、例えば1000株くらいだったら、FUEでもFUTでもどっちでもいいでしょ?
ええ、ええ。
まとめるとね、FUTがFUEよりも優れている部分は、安定して発毛を期待できる(移植した毛根の生着率が高い)ことと一度にたくさん移植株を採取できること、この二つですよ! だから、ハミルトン・ノーウッドの分類図(ハゲの進行度合いを示すフローチャート図、下記参照)で言うと、クラス5・6はFUTで一気に移植するしかない。 それがFUEだとできないからね。
はぁ~、なるほど!
圧倒的、本音ッ!植毛の成否を分けるのは、「移植株を植え付ける」技術ッ!
例えば、トネガワさんの生え際を観察してみると、やっぱりまだ改善の余地はあるよね。
そうなんですよね~ それで、さっきPart1で限界までプッシュすべきかとか、Part2でIS〇Aがどうとかなんとか、言っていたんですよ。
いやいやいや、それは止しておいて正解だよ。 採取すること自体は出来ても、採取した株を入れる技術がなければ、失敗に終わってしまうよ。 FUEやFUTのドナー採取方法について、ブログ記事にしたり、いろいろ指摘する人は多いけれども、植毛後に意図した結果になるかどうかを左右する工程は、「移植株の植え付け」なんですよ。 僕は、何でみんなそのことを言わないのかなと思っている。
植え付けは、誰がやっても変わらないわけではないのですね?
むしろ、一番大事じゃないか!? 材料ですよ、移植株というのは。それをどこにどう入れるか、1本毛、2本毛をどう配置するのか。 この作業、僕は、一番大事な過程だと思うけど。
ククク、なるほど、なるほど。 むしろこの作業が下手な先生はダメということですね。
そう思わない? 例えば、親和クリニックさんもアスク井上クリニックさんもそうだけど、アイランドタワークリニック系列の先生は、パンチグラフトで穴を空けるでしょ?
そうです、そうです。 (パンチグラフトって何って人は、こちらの記事を参照。要は、FUEで手術するクリニックが主として使う医療器具のこと。)
パンチの場合は、植え付けの前に穴ぼこを開けてから、その穴に移植株を入れるんです。 ああいう方法のデメリットとして、ヘア密度が取れずスカスカになりやすいという欠点がある。 密度を取ろうと穴ぼこを開ける間隔を狭くすると、穴ぼこがくっついてしまうからね。 だから、僕の場合は、植え付けに際して、パンチを使わない。
ちなみに、先生の場合は、何を使って植え付けを行うのですか?
僕の場合は、鍼(ハリ)でスリットを作って、そこに移植株を入れていく。
(イメージするとこんな感じか。鍼とメスの違いはあるけど。) 鍼!?ですか、それはやっぱりパンチよりも径が細いから使っているんですか?
1mmの鍼とパンチグラフトを比較すると断面積が5倍くらい違うっていう論文・データがあるからね。
(イメージするとこんな感じか。) はぁ~、なるほど!
スリット式と比べてパンチで穴を空けるのは、穴の位置がすごく分かりやすいので、手術をする側にとっては楽だと思うけど、高密度に植えるのは困難だよね。 実際に他院で植毛をした方が1回目の手術結果に不満だと言って、ウチに来ることが多いのだけれど、その際に移植部を観察すると、植え付けの技量が分かるんですよ。 それを見ているとFUTかFUEかというドナーの取り方の問題だけではなくて、自分が日本で植毛を受けたいとは思わない訳ですよ。
ククク、なるほど、なるほど。 ちなみに、自分が理想とする生え際にするには、どれくらい植えればいいんですかね?
1cm四方に40株も植え付ければ、だいぶ違うだろうね。
圧倒的、本音ッ!2回目の植毛は、コストパフォーマンスをよく吟味するべきッ!
トネガワさんの生え際のラインをもうちょっと濃くするということに対して、僕は反対ではないけれども、今の髪型なら移植部はかなり濃く見えるのに、また植毛をする際のドナー部の負担を考えると、オススメはできないな。
後ろですか、ドナーの負担とおっしゃっているのは?
そうだよ。FUEだろうがFUTだろうが、ドナーは必要だからね。 かなりいい手術結果であるし、あなた自身もある程度満足しているのに、もうちょっとと欲張ると、万が一の失敗も有り得るからね・・・
それは、2回目の植毛を先生ほどの名医がやったとしてもですか!?
分かりにくいことは、やめたほうがいい。 今の状態で、その隙間に2回目の植毛で移植しても、あなた自身は変化を実感できるかもしれないけど、少なくとも他人の目から見たら変化を実感するのは難しいと思うよ。 あんまり効果を実感できないことにお金を使うことは、馬鹿げているから、やめなさいということだね。
なるほど、なるほど。 植毛前の状態は、明確にハゲていたので、それが今の状態にまでなったら、他人の目から見ても明確に変化したと分かるけれども、次にまた植毛しても客観的な見た目に対する効果は薄いということですね?
そういうことだね。 払った犠牲(ドナー部の損傷とか、お金の消費とか、痛みとか、術後の回復期間とか)に見合った効果が得られる可能性が低いということだね。 さらに言うと、今後AGAが進行していったときに、移植部ではない部分がハゲていったときに、もう移植できるドナーが残っていなかったら、次はどうするの?ということになりかねないからね。
圧倒的、本音ッ!毛髪再生医療は、現時点では過度に期待しない方がいいッ!
ちなみに、仮にドナー部を消費しきった状態であるにも関わらず、非移植部がハゲて来た時にどんな手があるのかについてですが、先生は、毛髪再生医療についてはどのようにお考えですか? 昨年、理化学研究所がネズミに毛包細胞を植え付けて、ちゃんと発毛したことを確認したと報告したやつですが。(リンク参照)
それについては、学会発表などで20年以上前から聞いている演題だね。 僕は、人間を対象にした毛髪再生の実現にまだ10年以上はかかるんじゃないかと思っているけど。 いつもオオカミ少年みたいな話を聞いてきたからね。 今は、出来ないことをいきなり来年から出来るようになるとは、考えにくい。 出来るようになったら、その時はその時で改めて検討すればいい。 お金の問題もあるだろうしね。
ククク、確かに。 それこそ、キャッシュでフェラーリが買えるくらいのお金、下手をすると家を買えるくらいのお金が必要みたいですからね・・・(リンク参照)
圧倒的、本音ッ!結局、トネガワはどうするのがベスト!?
それで、先生、結局、私は今後はどうすればいいのでしょうか? まだ、個人輸入代行からミノタブやザガーロのジェネリック薬品を日々服用していますし、ヘアーマックスていう自宅でできるレーザー育毛機器も使っています。 流石に、頭の粉飾は、とっくに辞めましたが笑
2回目の植毛をするかどうかは、いったん考えないで、今後の経過をじっくり見てからでいいよ。 というのは、まだボリュームアップするからね。 9ヶ月が経過した段階では、まだ完全な結果ではないよ。
なるほど、なるほど。 先生の目から見ても、まだ結論を出すには早いということですか。
まぁ、次の手術をすることができる時期ではあるけどね。 でも、特に不満がなくて、なんとなくまぁいいかと思っているのなら、そう慌てることはないよ。
なるほど、なるほど。そういうことですか。
迷っているときは、手術をする必要がない。 どうしても必要だと思ったらやる。 そういうものだよ、結婚に通じるものがある。
ククク、植毛は結婚ですか!? (理想の結婚相手を見つけるために植毛したなんて言えない・・・)
だってそうでしょ? 結婚しようか迷っている相手とはしないでしょ? やっぱり、しなくていいよなってなるよね。
たしかに、たしかに。 ということは、私は、AGAが進行しないように個人投薬を継続して、ノーリスクな個人でできるレーザー育毛を続けるべきなんでしょうか?
AGAは、進行性だからね。 投薬は続けた方がいいと思うけど、ミノタブの濃度は下げた方が副作用のリスクは減るよね。 レーザー育毛に関しては、ミノキシジル濃度2%程度の塗り薬と同程度の効果がノーリスクで期待できるから、やった方がいいよ。
ククク、圧倒的安心感ッ! (安心であることの愉悦ッ!)
圧倒的、本音ッ!ヨコ美クリニックは、例えるなら三ッ星レストランッ!
今後のヘアケアの方針が確認出来て良かったのですが、一点危惧していることがありまして・・・ こちらのクリニックは、あまりにも評判がいいため、手術の予約が一年待ちということも決して珍しくないそうですが? 最初の植毛から1年以上が経過して、もう一度やりたいと思ったときに、手術まで1年待たなければならないのはキツイな~と思っていまして。
他のクリニックでの植毛の直しが多いので、僕も最近困っているんだよ。 ウチはね、僕一人では、一日に何人も手術はできないからね。 僕はね、あんまりクリニックを拡大するつもりはないんだよ。目が届かなくなるから。 三ッ星レストランって、チェーン店がないからね。
ククク、たしかに、たしかに。
自分の所が三ッ星レストランって言いたいわけじゃなくて、こうやっていると、そんなに広げる余裕がないんです。 クリニックを拡大して、医者をたくさん雇って、お金を儲けることがしたいのではないので。 毎日の仕事をやるだけ、それだけの事だから・・・
このトネガワ、先生のプロフェッショナリズムに感服致しました。
圧倒的、本音ッ!植毛は、やりたいと心の底から思ったときにやるべしッ!
先生、仮に将来また手術をしたいと思ったときのスケジュール感についてのご相談なんですが・・・
あのね、今日も15年前にここで手術をした患者さんが2回目の手術を予約されたけど、1年後とか、そんなに先のことだと誰だって仕事の都合とか予定に変更が生じる訳ですよ。 だから、何かあったら、キャンセルですぐ言っていただければ大丈夫ですので、そういうシステムになっているんですよ。 要するに、タイミングを気にしてまで迷っている手術を予約する必要はないよ!
・・・そうなんですね。
本当にやりたかったら、予約をすればいいし、1年後と言わず、もうちょっと早く出来るかもしれないし。 あなたが何をやりたいのかというのが、何となく漠然と密度アップというのならば、もうちょっと様子を見た方がいいよ。 というのは、もっと濃くなるよ!
気にし過ぎということですね!?
気にし過ぎとまで言うつもりはないけど、植毛後の髪の毛の経過は長い期間様子を見る必要があるからね。 次の手術は、あなたが心の底からやりたいと思ったら、やればいい。 それこそ、78歳になってもやる人は、やるからね。
はぁ~78にもなって、植毛をやる人がいるんですね!? てっきり、20代後半~30代がメインとばかり思っていましたよ。 若ければ若いほど、ハゲていることのデメリットが大きいので。
まぁ、いろんなケースを見てきたけれども、もうちょっと様子を見なさい。 私が見てきたケースの中でもかなりいい方だと思う。 上手くいっているときは、そのままの流れで行った方がいい。 投薬治療でもそうだけど、順調だと思った時は、それに流された方がいい。 絶対にどこかで引っかかったりする。その時に考え直せばいい。 植毛のこともそれでいいと思う!
なるほど、なるほど。 心の闇が晴れた気分です。 またいつか、どうしても植毛をする必要に迫られたとき、再び先生の下を訪れます。 本日は、大変ありがとうございましたッ!
いえいえ、こちらこそ! それじゃ、いいかい?髪の毛は、長い目で考えないといけないよ。
圧倒的、本音ッ!ゴッド・ハンドとの対談を終えて・・・
こうして、トネガワは、植毛界のゴッド・ハンドことヨコ美クリニック院長「今川賢一郎」先生との対談を終え、帰路に着くのであった。
また、いつか「その時」が訪れたとき、己の大切なもの(お金、時間etc)を捧げて、ゴッド・ハンド(今川先生)を呼び出すのかもしれないし、そうはならないのかもしれない。
全ては、因果の流れの中ではなく、文字通り、神ではなく髪のみぞ知るのだ・・・
再び、髪の毛が原因で人の身には耐えられない絶望を味わった時、
フサフサの状態が何よりも眩しく映った時、
ゴッド・ハンドが降臨するのだろう
蝕毛をするためにッ!
(引用元:ベルセルク)
(改変元:ベルセルク)
ククク、今すぐ蝕毛じゃなかった植毛をしたくなった方は、こちらのリンクまでッ!