英語・フランス語・ポルトガル語な日々………そしてドイツ語が加わる

時に必要にせまられ、時に興味からいくつか言語を勉強しています。

ポルトガル語・接続法の未来形 Subjuntivo/Conjuntivo futuro

接続法はフランス語やスペイン語、ドイツ語などかなりの言語で存在するけれども(現代英語ではほとんどその概念が消失)、未来形が存在するのは僕が知っている限り、ポルトガル語だけではないかと思われる。

 

聞いたところによると、ポルトガル語は現在使用されているラテン語から派生した言語(フランス語、イタリア語、スペイン語など)の中で一番ラテン語の面影を残している(一番ラテン語に近い)言語らしい。

 

その真偽は分からないけれど、ざっとネットで調べても、ラテン語を含めて接続法に未来形という概念が存在するのはどうもポルトガル語だけのようです。だとすると、この用法はいつ、どこから来たんでしょうね?

 

接続法未来形の活用

 

カギになるのは単純過去形。接続法未来形の活用の元になるのは直接法単純過去の3人称複数です。

 規則動詞の接続法未来形の活用

例えば、規則動詞 comprar の単純過去形は、

eu comprei

tu compraste

er comprou

nós comprámos

vós comprastes

eles compraram

この最後の3人称複数の形 compraram から活用の部分 -am をとった comprar を不定形と捉えて接続法未来形の活用が生まれます。

quando eu comprar

quando tu comprares

quando ele comprar

quando nós comprarmos

quando vós comprardes

quando eles comprarem

 

結果として、単純過去形が規則通りに活用する動詞の場合、接続法未来形は不定詞にそのまま、

  • eu -.
  • tu -es
  • ele -.
  • nós -mos
  • vós -des
  • eles -em

を付ければよいです。

規則動詞 chegar の接続法未来形の活用は、

quando eu chegar

quando tu chegares

quando ele chegar

quando nós chegarmos

quando vós chegardes

quando eles chegarem

 規則動詞に関しては、接続法の未来形の活用は難しくありません。

 

単純過去の形が変わる動詞の接続法未来形の活用

問題は単純過去形の形が変わる動詞です。

poder の単純過去形は、

eu pude

tu pudeste

ele pôde

nós pudemos

vós pudestes

eles puderam

この puderam から 3人称複数を表す -am と取った puder を不定詞と捉えて接続法未来形の活用は、

quando eu puder

quando tu puderes

quando ele puder

quando nós pudermos

quando vós puderdes

quando eles puderem

となります。

つまり、単純過去が不規則に活用するに動詞に関しては、その単純過去の活用までもちゃんと覚えておかないと、接続法未来形の活用もできないということです。

 

動詞 dar なら3人称複数の単純過去形は deram なので、-am と取った der を不定詞と捉えて接続法未来形は、

quando eu der

quando tu deres

quando ele der

quando nós dermos

quando vós derdes

quando eles derem

となります。

 

では、その接続法未来形はどのような場面で使われるのか?

接続法なので、本動詞として使われることはありません。 そして、当然のことながら現在から未来への時間軸の中で使われます。

 

接続法未来形が最も使われる状況はまず、これから起こることに対して、se 「もし~なら」 で導かれる条件節の中で出てきます。

se + 接続法未来形、本動詞は現在形か未来形

Se chover amanhã, será adiado. (もし明日雨が降ったら延期される)

Se tiverem tempo, telefonem-nos. (もし時間があったら私たちに電話してください)

Se for possível, vehna comigo, faça favor.(できれば、私と一緒に来てもらえませんか)

Se tu chegares primeiro, espera por mim.(もし先に着いたら僕が着くまで待ってて)

 フランス語と英語では直接法現在形が使われます。

S'il pleut demain, ce sera ajourné. / If it rains tomorrow, it will be postporned.

Si vous avez le temps, téléphonez-nous. / If you have time, call us.

Si c'est possible, venez avec moi, s'll vous plaît. / If it's possible, come with me, please.

Si tu arrives le premier, attends-moi. / If you arrive first, wait for me.

 ただし、ポルトガル語でも現在の状況を表す場面では、普通に直接法現在形が使われます。

Se estás doente, fica em casa. (もし病気なら、家にいなさい)

 

時間節、quando, logo que~, assim que~などと一緒に

将来のある時点でのことを表現する時に、接続法未来形が使われます。

Irei quando puder. (行けるようになったらすぐに行きます・行ける時に行きます)

Assim que nós chegarmos em Portugal, telefonamos-te.

ポルトガルに到着したらすぐに、君に電話するよ)

Logo que souber o resultado, vou lhe avisar.(結果が分かったらすぐに知らせます)

 

フランス語、英語では直接法現在または未来形。

J'irai quand je pourrai / I will go when I can.

Dès que nous serons arrivés au Portugal, nous t'appelerons. / As soon as we arrive in Portugal, we will call you.

Dès que je saurai le résultat, je vous le dirai. / As soon as I know the result, I will tell you.

 

 関係節、quem, onde, de que~, などと一緒に

Quem vier será bem recebido. (来る人は誰でも歓迎されるでしょう)

Podes ir onde quiseres.(どこでも行きたいところに君は行ける)

 

フランス語、英語では直接法現在または未来形

Ce qui viendra sera le bienvenu. / Anyone who comes will be welcome.

Tu peux aller où tu veux. / You can go anywhere you want.

 

 

例を挙げたらきりがないけれど、接続法未来形の基本は、副文・従属節の中でそれがこれからの(近接、遠い未来を問わず)ことを表すときに使用されるということです。フランス語や英語では現在形あるいは未来形を使う場面です。

 

接続法半過去形と同じように、日常会話で普通に使われます。つまり、面倒くさいから覚えないでごまかす、という事ができません。よく使われる不規則動詞の活用はしっかり覚えましょう。

 

   単純過去形      接続法未来形

ser        foram              for

estar     estiveram        estiver

ter        tiveram            tiver

querer  quiseram         quiser

poder   puderam         puder

dizer     disseram         disser

fazer     fizeram            fizer

vir         vieram              vier 

pôr        puseram         puser

saber     souberam       souber

 

 同時に他の言語にはないこの動詞の活用。ポルトガル語ポルトガル語たらしめている部分でもありますね。

 

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