Baltic Opera Ballet "The Nutcracker" 

12/21

Klara: Maria Kielan

Tancerz-Etoile: Gento Yoshimoto

Serge Lifar: Filip Michalak

Taniec z Balet La Belle au Bois Dormant: Mayu Takata, Daniel Morrison 

 

12/22

Klara: Mayu Takata

Tancerz-Etoile: Daniel Morrison 

Serge Lifar: Yuto Mutai

 

高校時代からの親友が、今シーズンからポーランド・グダニスクにあるバレエカンパニー(公式サイト)で、プロバレリーナとしてのキャリアを歩み始めたので、「くるみ割り人形」を観に行ってきました。チェコとは隣国なのに、どういう訳か意外に遠いポーランド。(笑) 今回が初訪問となり、これでヨーロッパ9か国目。

 

バルティックオペラバレエの「くるみ」(作品紹介ページ)は、パリ・オペラ座バレエ学校出身で、ベジャールバレエ等で踊っていた振付家のバージョンで、バレリーナを夢見る少女クララが、クリスマスイヴ、オペラ座バレエ監督のリファールとくるみ割り人形に導かれ、エトワールとしてオペラ座の舞台に立つというストーリー。各国の踊りは、実際に20世紀初頭のオペラ座で踊られていた演目に置き換えられていて、「ドン・キホーテ」、「ライモンダ」、「眠れる森の美女」等が登場。花のワルツでは、実在した名エトワール、イヴェット・ショヴィレが舞います。

 

親友の髙田麻結さん(インスタはこちら)は、1日目は雪の精と「眠れる森の美女」(フランスの踊り)、そして2日目はなんとクララ役で主演!!!入団わずか3か月での大抜擢。更にはトップのプリマに次いで2番目に主演回数が多く、先輩2人を差し置いて、実質セカンドキャストの待遇です。長期の留学経験がなく、小柄なこともあり、オーディションではかなり苦労したそうですが、日頃の努力と、良い先生方のおかげで、無事このカンパニーでコリフェとしての契約を獲得。元々テクニックの強い彼女でしたが、入団後も、休み時間や終業後、休日返上で自主練習をしたり、役作りのために映像や文献を研究したりと、人一倍真面目に取り組む頑張り屋さん。そんな日々の努力が認められたのか、わずか3か月でビッグチャンスをつかんだそうです。本当に自慢の友人。尊敬します。

 

感想1日目

この日の主演は、ファーストキャストで、公私ともにパートナーのMariaとGento Yoshimotoさん。さすがトップだけあって、テクニックも然ることながら、全身から感情が伝わってくるMariaのクララはお見事!エトワール役のGentoさんも、かなりのテクニシャンで、ジャンプはまるで重力がないかのように跳び、ピルエットの回転数も格段に違います。あとは、リファール役のFilipが、若手に負けないキレッキレのダンスと、ベテランらしい風格で存在感がありました。

髙田さんは、雪の精と「眠り」で登場。雪のコールドでは、1人際立って抜群に綺麗でした。踊りに癖がなく、クリアで、一番美しいポジション・軌道を通って踊るのが素晴らしい!回転系のパが多い振付でしたが、軸がぶれず、ぐらつきもせずポーズにつなげるのはさずが~♪

「眠り」では、まさに16歳の可憐なお姫様。アラベスク・アラセゴンドで長々とバランスを見せたりと、余裕もありました。最後のフィッシュダイブでややタイミングが合わなかったものの、咄嗟のカバーで大事には至らずホッ。舞台では本当に何が起こるかわからないので、臨機応変な対応力も大事ですよね。

 

感想2日目

髙田さん主演日♪変に可愛らしく作りこんで演じるのではなく、あくまでも彼女らしい等身大のクララにしたことで、夢見るティ―ンエイジャーを自然に演じていました。クララが、エトワールになることを夢見るシーンでは、彼女自身が投影されているようで、夢心地な雰囲気が素敵でした。エトワールとのパドドゥでは、感情の通い合いがしっかり見えたのも◎。初主演ながら、きちんとストーリーを引っ張っていく力があって、頼もしかったです。ちょっとアリーナ・コジョカルのクララを思い出しました。(褒めすぎたかな笑)

そして、第2幕でのグランパドドゥ。本人曰く「脚が死ぬ」らしいのですが、アダジオのラストでのプロムナードでのバランス、ヴァリエーションでのマネージュ、コーダのダブルのピルエットとシェネの連続もしっかり完璧にまとめてきました。決してテクニック先行になるのではなく、あくまでも作品の一部になっているのが💮。ラストシーン、クララが舞台上に一人佇み「全ては夢だったのかしら?」と思いながら、衣装やティアラを確かめて、「いいえ、これは本物だわ」と確信するモノローグで、何故か涙が溢れてきました。長年念願だったプロとしてのキャリアを歩み始め、更には主役というチャンスもつかんだ彼女とクララが重なって、高校時代からひたむきに目標に向かって頑張る姿を見てきた僕にとっては感動的でした。

 

年明けの公演でも主役を任されているとのことなので、怪我や病気のないよう気を付けて今後も活躍してほしいです。いつかまた舞台で輝く彼女の姿を観られたらいいなと思っています。

 

カンパニーのミストレスが舞台袖から撮影していた写真を髙田さんからいただいたので、ちょっとご紹介。

 

 

 

 

 

 

 

この日は、髙田さんと同い年の日本人ダンサー、務台悠人さんもリファール役で頑張っていました。前日のFilipとはまた違う魅力のあるリファールを演じていて、物語を引っ張る役どころを好演していました。1月からクロアチアのバレエ団に電撃移籍するそうですが(カンパニーの内部情報にやけに詳しくなりました笑笑)、新天地でも活躍してほしいです。

 

カーテンコール写真