ステイホーム週間、皆様いかがお過ごしでしょうか。僕は、大学の課題、読書、映画鑑賞、自主学習、進路に関するリサーチを同時進行したところ、完全にキャパオーバー状態です。(笑) 時間がないなら映画鑑賞とかやめろよ、という話ですけどね、「道に迷える大学4年生」としては、息抜きも大事なんです。(笑)

 

さて、映画で学ぶチェコの歴史シリーズ第二弾。今回は、「プラハのモーツァルト:誘惑のマスカレード」をご紹介します。モーツァルトの名作オペラ「ドンジョバンニ」の作曲背景に関するストーリーで、音楽好きの方にはおすすめの1本です。それにしても、相変わらずダサい邦題はなんとかしてほしいです。(笑) 別に仮面舞踏会がメインの話じゃないんだけど…(笑)

 

 

【キャスト】

モーツァルト:アナイリン・バーナード

サロカ男爵:ジェームズ・ピュアフォイ

ヨゼファ・ドゥシェク:サマンサ・バークス

スザンナ・ルプタック: モーフィッド・クラーク

 

【あらすじ】

オペラ「フィガロの結婚」が好評を博したプラハに滞在することになったモーツァルト。オペラ歌手のヨゼファ夫人の屋敷で新作オペラの作曲に勤しんでいた。そんなある晩、彼は仮面舞踏会で駆け出しの歌手であるスザンナに出会い、2人はお互いに惹かれ合う。しかし、彼女は劇場のパトロンであるサロカ男爵との婚約を決められていた。スザンナの両親は、裕福な家柄に娘を嫁がせられることを大変名誉に思っていたが、彼らはサロカ男爵の隠された一面を知らなかった。一方、サロカ男爵はモーツァルトを気に入らず、彼を陥れるための陰謀を企んでいた。3人の思惑が交錯する中、次第に運命の歯車が狂い始めていた…

 

 

 

オペラ「ドン・ジョバンニ」の作曲の背景について、創作を織り交ぜながら描いた作品です。完全に史実に基づいているわけではないのですが、「こんなエピソードもあったのかも」くらいの気持ちで観ると結構楽しめます。オペラのキャラクター設定やストーリー展開と、映画のシーンが上手く繋げられるため、伏線回収の点では面白いかも。ストーリーはこの時代の映画にありがちな愛憎劇ですが、オペラの裏話にリンクしているのが音楽好きには興味深いです。「こんなわけないでしょ」と正統性を重視される方には向かないかもしれませんが…。

 

モーツァルトの映画と言えば「アマデウス」が有名ですが、本作はよりシリアスな作風になっています。言い換えると「辛気臭い」面もあるのですが、「アマデウス」のふざけたノリについていけなかった方には却っていいかも。(笑) 実際のモーツァルトがこんなにイケメンだったのかは疑問ですが、美男美女の恋愛劇をご覧になりたい方にはおすすめです。

 

ちなみに、ヨゼファ夫人役のサマンサ・バークスは映画「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役で有名になった方です。ミュージカル歌手としての実績は十分ですが、さすがにオペラは歌わないだろうと思って観ていました。ところがエンドクレジットを確認すると、本人がオペラの歌唱も行ったようです。てっきり吹替えたとばかり思っていました。疑ってごめんなさい。(笑) オペラシーンに登場する他の役については、チェコのオペラ歌手が担当しているようです。

 

 

 

 

個人的な本作の一番の見どころは、美しいプラハのロケーションです。要所要所で、カレル橋やプラハ城といった観光名所が映るのですが、思わず見とれてしまうほどの絶景はさすがプラハ。

 

また、舞台となる劇場は、プラハ中心部にあるエステート劇場(スタヴォヴスケー劇場)で、実際に「ドン・ジョバンニ」の初演が行われた場所です。ただ、内部撮影に関しては、チェスキークルムロフ城の宮廷劇場が利用されています。

旧市街広場のグランドホテル横の通りを直進するのが一番分かりやすいですかね。逆のヴァ―ツラフ広場方面からは、やや通りが入り組んでいるので分かりづらいかもしれません。(単に僕の方向感覚が悪いだけかも?)ただ、プラハの便利なところは、通りに主要観光地への道しるべが立っていることです。「Estate Theater」の矢印に沿って進めば難なくたどり着けます。観光地万歳🙌

 

外観はこんな感じ。僕が訪問した際は、ちょうど「ドン・ジョバンニ」が上演されていたので、そのポスターが掲げられていました。

 

エステート劇場は映画「アマデウス」のロケ地としても有名で、オペラのシーンで度々登場しています。

 

 

 

残念ながら、僕はこの劇場で鑑賞したことがないので、内部の様子まではリポートできませんが、写真や映像で見る限り、18世紀の貴族気分でオペラを楽しめそう。「魔笛」、「ドン・ジョバンニ」、「フィガロの結婚」といったモーツァルト作品の他にも、チェコ語の演劇がメインで上演されています。日本人にはチェコ語劇はハードルが高く感じられますが、内部見学目的で入場する価値はあると思います。チケットはオンラインまたは、エステート劇場向かいのチケット売り場で購入可能です。尚、プラハの国立劇場は、直前の演目変更がたまにあるようなので、その点だけご注意ください。

 

 

本作は創作を交ぜていますが、モーツァルトが、ヨゼファ夫人の支援の下、プラハに滞在していたことは史実です。その滞在先「ベルトラムカ」は今でも保存されています。僕自身は、スミーホフ地区に行ったことがないので、あまり詳しくないのですが、旧市街から9番や15番のトラムで約30分で到着するようです。また修復工事等で閉館していたり、庭園のみ公開等の情報もありますので、ホームページやホテルのフロントで最新情報を確認されることをおすすめします。

作中でベルトラムカの代わりに使用されていたのは、プラハ近郊の村ポストゥピツェにあるJemniště城です。どうやら現在はホテルとして利用されているようです。チェコには数え切れないほどのお城や邸宅跡が残されているため、映画やドラマのロケ地としてよく使われています。長距離バス移動中に車窓を眺めていると、「Zamek (城)○○」という看板を頻繁に見かけます。歴史的価値はピンキリなのかもしれませんが、現在も有効活用されていることを考えると保存する価値はありそうですね。

 

かなりとりとめのない内容になってしまいましたが、チェコの美しい景色を堪能できる最新映画のご紹介でした~。

ではでは、今日はこの辺で!

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