恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

1/6(月)連雀亭日替り寄席(主任:田辺いちか)

2020年01月06日 | 噺とか
世間では仕事始めの一日ですが、昼下がりのオフィス街に連雀亭を訪ねます。
昨日も黒門亭に足を運んでいますが、平日の昼に動けるなんてめったにないので。
連雀亭も昨日まではお正月興行だったわけですが、今日からは通常営業。
落語協会の芝居にばかり足を運んでいる私ですが、
連雀亭になると普段はお目見えしない方々の話を聞けるので、それも新鮮。
開場して15分ぐらいして入場すると、すでに先客が10人程度。
やはり顔付けの良さもあるのでしょうかね。
トリの講談師・田辺いちかさんのもぎりを受けて客席へ。

伸 三「七段目」
小はぜ「黄金の大黒」
竹千代「うらのうら」
いちか「生か死か」

開口一番の桂伸三さんはすでに今年の真打昇進が決まっています。
前名である春雨や雷太さんの時に一度聞いた記憶があります。
師匠との落語観の違いから師匠を代わって「移籍」したそうですが、
細かいことは素人の私にはわかりません。
実際のところ初めて聞くようなものなので。
噺の本題は「七段目」。芝居の素養があるとより楽しめそうですがね。
そうでなくても、細かい所作なんかもしっかりと演じこまれていて、
しっかりと噺の世界に引き込んでくれました。

2人目の柳家小はぜさんは6日前に駒込落語会でお会いしたばかり。
この日はマクラもそこそこに「黄金の大黒」へ。
先日が軽い噺だったので、ここでしっかりと聞かせてくれる噺でありがたし。
「黄金の大黒」も寄席で聞くと途中で切られてしまうことが多く、
最後まで聞いたのはこれが初めてだったかもしれません。
んー、最後まで聞いてやはり途中で切る演者が多いのもわかる気がしますが、
とにかく今日も安定感のある高座でした。

続いて芸協の桂竹千代さん。この方も連雀亭で過去に見たぐらい。
チラシやネットの情報を見ると精力的に活躍されているようですね。
どうも落語協会の情報ばかりが頭にある私からすると、この辺の情報に疎いという。
鹿児島の仕事にLCCの飛行機会社を使ってえらい目に遭ったマクラから、
新作の「うらのうら」という噺へ。
誰しも胸に秘めている思いがあるものの、なかなかそれを出すのは難しい。
それがましてや上司と部下なら・・・という感じ。
喬太郎師匠の「夜の慣用句」みたいな噺かなと思いきや、
それぞれの立場から立体的に描かれる構成がお見事。
こういう計算された新作も素敵ですね。
古事記を題材にした落語もやっているそうで、こちらも面白そうですね。

トリは講談師の田辺いちかさん。この方は初見です。
予備情報を全く入れずにきたので、どんな内容かなと思いましたが、
これが昭和の戦後を題材にとった講談でした。
絶望したゴム屋の金兵衛が死のうとするも・・・という内容。
調べてみるとあまり解説してあるところが少ないのですが、
まとめてあるところにはあるものですね。素晴らしい。
昨日の茜先生の新作講談もよかったのですが、こういう時代設定の講談もあるんですね。
まだまだ知らないことがたくさんあります。

1000円で1時間半、コンパクトながら満足な時間を過ごすことができました。
帰りがけに演者さん方のお見送り姿を一枚撮らせていただきました。


さて、いよいよ正月気分もなくなって日常生活がスタートです。

恐懼謹言。

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