回転寿司というのがありますね。

 

僕は、

年にほんの数回ほどしか

外食をしないもんで、

回転寿司のお店に行くこともほとんどない。

 

けれど、

子どもの頃は

父親が外食が好きなタチだったので

今で言うところのファミレスを筆頭に、

月に1~2度は家族で外食していたように記憶している、

回転寿司にも出かけた。

 

たしか、「回転寿司」というシステムそのものが

ようやく一般的になり始めたころで

今から30年以上も前のことだ。

初めての記憶は

父とふたりだけで、近所に新しくできたお店に出かけ、

おっかなびっくり、

コンベアのかんぴょう巻きを食べたこと、

おそらく、小学低学年の頃だったと思う。

 

 

 

この1~2年で

「現代風回転寿司」のお店に行くことが

何度かあったんだけど、

 

 

昔と比べて、

とっても便利になりましたね。

 

 

むかしから、回転寿司においては

「流れてるヤツ」は乾いちゃってるから

自分の食べたいものを頼んだ方がよい、

と言われている。

 

・・・ボクは言われていた、父親に。

 

 

 

 

 

けど、今は、

 

手元にあるタッチパネルをいじくると、

自分の食べたいヤツが

自分のテーブルまでスーッと運ばれてくる。

あのシステム、すごいね!

 

さらに、お会計にしたって、

食べたお皿を投入口に放り込んでいくと

自動的に計算が済んでしまい、

お客である我々は、

示された料金を支払うのみでおしまい。

 

非常に合理的である。

 

 

 

なんなら、お客さんは、

入店から退店まで、

たったの一言も発せずに、

自分の食欲を満たして

帰ることができてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・これは

ダメだと思う。

 

 

 

日本人のコミュニケーション能力が

著しく低下している原因のひとつに

こういう「便利さ」があると思ってる。

 

 

 

 

本来、お寿司屋さんというのは

注文するのが難しいとも言われてた。

 

何人もの作家さんが書いているが、

いわく、

 

頼み方を間違えると

店主や常連さんにバカにされるとか、

 

大将が握っているときに

「○○ください」とか言うと、

「それはこれが終わってから!!」と叱られるとか、

 

僕は行ったことないけど、

そもそも値段が書いてないようなお店があって、

いったい自分は何円の食べ物を食べてるのかわからず、

おっかなびっくり、探り探りすごすとか、

 

 

 

僕は小中学生のころには

回転寿司のお店にたまに連れていってもらったんだけど、

 

前述のとおり

「流れてるのではなく、握っている職人さんに頼め」

という教えを父から受けたので

なるべくそうしようと思っていたんだけど、

 

みると、職人さんたちは

ひっきりなしにお寿司を握ってる、

いったい、どのタイミングで

声をかければいいのかわからない、

ひとくぎりついて、手があいたときに

「○○をください」と言おうと思って

そのタイミングを待っているんだけど、

いつまでたっても職人さんは握るのをやめず、

そしたら遠くのお客さんが

「すいません!▲▲ください!」

なんて注文して

「あいよ!!」なんて答える職人さん、

僕は

「ああ、今頼んでもよかったんだ・・・」とか思いつつ、

まるで食べ物が届かない・・・

 

 

 

 

っていう、

こういう経験は

 

コミュニケーション能力を育てるのに

とっても大切だと思っています。

 

 

今話題の「表現力」とは

少し違うかもしれません。

 

自分の考えを伝える

という点は同じですけれども、

 

 

 

 

現代の子どもたちに多くみられることとして、

 

 

 

自分の考えを表現できたとしても、

 

タイミングだとか

伝え方だとかが、とってもヘタクソ。

 

 

 

今、話しかけても大丈夫かな、

 

とか、

 

こういう言い方をしたら

イヤな風に感じてしまうかな、

 

とか、


そういうのを察するチカラが

どんどん低下している気がします。

 

 

その原因のひとつとして、

現代の「便利さ」もあると思っています。

 

 

 

食券を買ってポイと置いときゃ

目の前に食べ物が運ばれてくるようなシステム。

 

他者に

「自分はこうしてほしいのだ」と

自分の声で伝える機会が

減っていると思います。

 

 

それは逆に、

声で伝えることの億劫さ、難しさ、

そういうことを鑑みて

「食券・タッチパネル制」が開発されたんだろうけど、

 

 

結果として、

我々は

他者とほとんど会話せずに

最小限の欲求を

満たせるようになってしまった。

 

 

若い子たちと食事にいったりしても、

たとえば、メニューをみて

注文内容が決まっても

どういうふうにそれを伝えればいいのか

オロオロしてしまうという光景が

当たり前のようになってきた。

 

 

 

 

僕は、

生きる力として

最終的に最も大切なのは

「コミュニケーション能力」だ

と思っています。

 

 

それは、

「表現力」というコトバだけでは十分ではない、

先ほどから書いている、

「状況をつかみとるチカラ」

「相手の気持ちを推し量るチカラ」

そういうことも含めてのことで、

むしろ、そっちの方、

つまり、「他者都合」を

いかにとらえられるかが大事だと思っています。

 

 

 

現代は、便利さの追求を

場面を考えずに進めてきてしまった結果、

 

我々は、タイミングをはかることも

言葉を選ぶこともなく、

お寿司を注文できてしまうし、

 

入店から退店まで、

食券ボタンを押す行為だけで

一切無言で自分の欲求を満たせるようになってしまった。

 

 

 

 

なので、ボクは

あえて

食券制ではないお店に

がんばってもらいたいと思う。

 

 

 

 

食券を廃止した方がよい、

とか、そこまでは言いません。

 

 

けど、

面と向かって

自分の気持ちを相手に伝える

ことの練習の機会、

 

 

確実に昔と比べて減っています。

 

 

ご家族でファミレスなどにお出かけの際には、

家族全員の注文をまとめて店員さんに口頭で伝える、

とか、

そのくらいの「ミッション」を

お子様にやってもらうのは

よろしいのではないかと思っています。

 

 

猫kama

 

 

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