【サラブレッド夜話】ツインターボ |  おおむね日刊 ★ 狐のブログⅡ

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  今週は「京王杯SC(G2)」「ヴィクトリアマイル(G1)」です。

「俺にかまわず逃げてくれ」ペース無視の逃げ、千両役者ツインターボ
 こんにちは、管理人の狐です( ´_ゝ`)ノ
 今日の夜話は、七夕賞と言えばツインターボと即答できるくらいの個性派ツインターボです。書いたことなかったかなぁと振り返りましたが、お初みたいですね。
 それにしても逃げ馬と言うのは、何というか心がワクワクします。先週、約二年間買い続けたラブカンプーが勝って、不覚にも涙が出ましたが…管理人は個性的な逃げ馬が実は大好きなのです。
  ツインターボは、93年七夕賞を制覇、その呆れるような逃げっぷりは今でも語り草でJRAの「20世紀の名馬アンケート」の91位にランクインするほどで多くのファンに愛されました。デビューから引退レースの帝王賞を除く21戦をすべて逃げ、420キロそこそこの小柄な馬のどこにそんなパワーがあるのかと疑うほどのドラマを作った名馬でした。
 
 さて、ツインターボは、トウカイテイオーやナイスネイチャと同じ88年生まれ。 デビューは中山ダート戦を逃げて快勝、続く芝の特別戦も逃げ切って2連勝。しかし、馬体重は二戦目で-14キロの424キロと早くも減少。続く青葉賞で、遂に412キロにまで減少。強敵レオダーバンに大敗…しかし、ラジオたんぱ杯を逃げ切り重賞制覇、そのまま秋に突入してセントライト記念・福島記念と、重賞を連続して2着と逃げ粘り、重賞の常連になるかと思いましたが…
 
 その年の有馬記念、後先考えないハイペースで逃げ惨敗。ちなみにこの年はダイユウサクのレコード勝ちでしたが、名サポート役を演じたわけですね。 その後、ロケットスタートを決めて向こう正面までは破滅的なペースで逃げ、最後はファンの間では「ムーンウォーク」と呼ばれた脚も上がらない状態で歩いてゴール…勝ち負けとは無縁の個性的、いや破壊的なレースが彼の魅力でした。 ただし、まだこの頃は平凡な逃げ馬と言う印象が強かったのですが、逃げの名手中館と初コンビを組んだ七夕賞…これはもう、恐ろしいくらいのハイペースで圧勝!なんたって前半5Hが57秒台ですからね。
 
 七夕賞で取り上げた馬ですから、七夕賞の動画でも良かったのですが、七夕賞から連勝した伝説のオールカマーを紹介します。名ステイヤーのライスシャワーや最優秀4歳牝馬のシスタートウショウ、鉄の女イクノディクタス、天皇賞2着のムービースターなど錚々たるメンバー…

 


  その後は、出れば逃げて最後は歩くようなゴールが続き…でも、ファン投票で有馬記念に出走が叶います。7歳になったツインターボ、恐らく持てるパフォーマンスを発揮できる最高で最後の舞台でしょう。騎手は田中勝春…
 
 相手が三冠馬ナリタブライアンだろうが、最強牝馬ヒシアマゾンだろうが、そんなことはどうでもいいのです。ゲート開くや、大逃げを打つ気満々のツインターボ、飛ばしに飛ばして一周目正面スタンド前では、もう何馬身と言うか…実況が○○メートルのリードと距離で言う始末。さらに飛ばすツインターボが、向こう正面で二番手との差が実況できないくらいの大逃げ、この時の場内の大歓声はすごかったなぁ。4コーナーではもう、役目は終わったとばかりに歩くようにゴールに。
 
 近代競馬にありがちな「スローペースから折り合い付けて」最後の直線だけの末脚勝負…もちろん否定はしませんが、管理人は破滅的な逃げ馬には余計に魅力を感じてしまうのです。特に、ツインターボ…小柄な体で青いメンコの可憐な馬体から繰り出す前半の美しいばかりのハイペース、そして後半の脆さと儚さを味わう異次元の世界。これこそが競馬!なんだと思うのです。最強でなく「最高」の逃げ馬なら、サイレントスズカではなくツインターボだと思います。異論は認めません(笑)
 
ツインターボのパドックの応援垂れ幕「俺にかまわず逃げてくれ」が象徴するファンの夢、馬券のことなんか忘れさせてくれた逃げ馬がいたことは、管理人が競馬をやめる時が来るまで…いや、死んでも決して忘れません(了) 

                                             だから、競馬は面白い。