動物たちが、自分のしっぽを自慢し合っているところに、カエルがやってきた。
カエルはみんなに、「僕たちカエルは大人になるとしっぽがなくなるのに、みんなにはまだしっぽがあるの?」と言う。
その言葉に、動物たちは恥ずかしくなってしっぽを捨ててしまうのだが、それぞれの身に困ったことが起きて……?
ミスター(星野隆)氏と、アプリ(植木博美)氏による作品。
基本は、絵と文による物語なのだけど、途中で2ページほど「このしっぽは、どの動物のものかな?(何種類かあるしっぽと、動物たちとをマッチングさせよう!)」というクイズが挿入される。
各動物としっぽには、それぞれ数字とアルファベットが振られているので、読み聞かせで「Aのしっぽは、何番の動物のしっぽだろう?」みたいにやるのもいいかもしれない。
このマッチングクイズ、すべての動物が真後ろを向いている(顔が見えない)上に、しっぽがないので、案外難易度が高い。私自身、「これは豚……ではないか、兎……だと思うので、しっぽはたぶん……これ?」みたいな感じになった。
文章はすべてひらがな&カタカナだけど、クイズのところだけアルファベットが入っているので、子どもによっては少しつまずいたりもするかもしれない。
あるいは、「トラは、ねぇ……このしっぽ!」という感じで、勢いでなんとかなる気もする。
ストーリー自体はそう難解ではないので、幼稚園から小学生まで、幅広い層にオススメできると思う。
いろんな動物のしっぽの役割が紹介されるので、ちょっとした動物図鑑入門編のようでもある。
最後の方で語られる、「みんなのしっぽから毛を一本ずつ集めても、出来上がるのはへんてこなしっぽである」というのは、深読みしようとするといろいろ悩ましい……かもしれない。