東京近郊で体験できる台湾文化、その1「東京媽祖廟」をご紹介

[アフィリエイト広告を利用しています]

台湾の文化と言えば、日本の神社やお寺とは全然違った雰囲気のちょっと派手な装飾をした道教寺院や媽祖廟を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

実は、こういった台湾の道教寺院や媽祖廟は、東京近郊にもいくつかあるのです。今回は、東京から日帰りで手軽にお参りできるもののうち、東京都新宿区百人町にある「東京媽祖廟」をご紹介しようと思います。

東京媽祖廟とは

私の理解では、媽祖信仰とは道教の一種であり、その主祭神が航海・漁業の守護神である「媽祖様」=「海洋を守る女神」になっているというものです。中国沿海部の福建省や潮州を中心に信仰されており、特に台湾では広く信仰されていると聞きます。

東京媽祖廟の創建はそれほど古くなく2013年とのこと。同廟の董事長である詹德薰氏が、1993年頃に昔夢で媽祖様に出会い、日本で事業を行い、それが成功したら日本に媽祖廟を建てるようお告げを受け、詹德薰氏はそのお告げ通りに東京媽祖廟を建立したのだそうです。

東京媽祖廟へのアクセス

下の地図の通り、最寄り駅はJR中央線の「大久保駅」(南口から徒歩1分くらい)ですが、交通の便からするとJR山手線の「新大久保駅」(徒歩6分くらい)のほうが便利な方も多いかと思います。

コリアンタウンのある職安通りからも徒歩10分くらいと便利ですので、韓国料理を食べた後に東京媽祖廟にお参りに行く、といったコースも面白いと思います。

東京媽祖廟の参拝レビュー

私は、ゆっくり参拝したいと思って混雑しなさそうな平日朝の時間帯(9時頃)を選んで行ってみましたが、ちょっと早すぎたのか係の人が誰もいませんでした。媽祖廟への入場料は無料ですし、お線香もカウンターに置いてあって、一人7本まで自由に取って行って参拝できるシステムなので、問題無いと言えばないのですが、道教寺院や媽祖廟が初めての方なら説明をしてもらったほうが楽しめると思います。できれば午後くらいがいいのかもしれません。

東京媽祖廟はビルだった!

JRの大久保駅の南口を東側に出るとファミリーマートがあるので、その横の路地を入って行きます。居酒屋が並んでいる路地なので「まさかこんなところに媽祖廟が?」と不安になりましたが、ちょっと進んで行くと左側に、ド派手な柱と、赤いひさしがついたビルが見えます。最初はてっきり中国建築風の建物を想像していましたので、一瞬あれっと思いましたが、ビルには「東京媽祖廟」という看板もちゃんとありましたので間違えて通り過ぎるようなことはありませんでした。

一階の入口前には一対の狛犬が鎮座しています。ちゃんと台湾式の狛犬になっています。現地から取り寄せたのでしょうね。狛犬の横からビルの中に入ると受付があります。

受付と言ってもカウンターの机があるだけですが。本来ならここに係の人がいて、お参りの仕方などを説明してくれたりもするのでしょうが、今回は誰もいませんでした。ちなみに、お線香はカウンターの上に置いてあって、一人7本まで自由に持っていけるようになっていました。

1階(ビル外)のお参りも忘れずに

参拝順序は後で知ったのですがサイトにありました。先にチェックしておくべきでした。これによると、まず最初は、一旦ビルの外に出て玄関前にある大きな香炉「天公爐」でのお参りとなります。

その次は同じくビルの外を横側にまわって、そこにあるはず(?)の祠「五營將軍様」でのお参りです。ですが、私はお参りの順序が判らず、この2つを完全スルーしてしまいました。それにしても、ビルの外も見学しましたが、「五營將軍様」という祠ってあったのだろうか?と疑問です。ビルの横には「龍の噴水」はあったのですが、サイトにある「五營將軍様」のイラストとはかなり違うような気がします。

続いてビルの中にもどり、奥の階段で2階に上がります。エレベーターもあるのですが、私はお参りするのに楽をしちゃいけない、といった先入観があって、一階ずつ階段で上がりながらのお参りとしました。図らずも参拝順序どおりになったわけですが、合理的に考えれば、エレベーターで4階まで上がってから、4階、3階、2階と下りながらお参りするほうが効率的ですけどね。

2階は「關帝殿」

2階のフロアは、「關帝殿」と言い、關聖帝君樣、済公様、武財神様、月下老人様、福德正神様、中壇大元帥様、太歲星君様をお祀りしています。たぶん真ん中の一番大きな神様が關聖帝君樣なのでしょう。あとは正直よくわかりません。サイトの参拝順序からは、このうち關聖帝君樣と太歲星君様の二柱の神様にお線香を捧げるようになっていますが、香炉が1つしかないので、ここにいらっしゃる神様全員にお線香を2本捧げるという感じでしょうか。私はたまたまここで2本のお線香を捧げました。

3階は本殿の「媽祖殿」

続いて3階に上がります。3階のフロアは「媽祖殿」でこの東京媽祖廟の本殿になっています。ここが一番の見どころということですね。この媽祖殿では、粉面媽祖様(中国・湄州、泉州天后宮からの分霊)、黑面媽祖様(台湾・北港朝天宮からの分霊)、金面媽祖様(台湾・南方澳南天宮からの分霊)と3種の媽祖様をお祀りしています。同じ媽祖様でもお顔の色や容姿が分霊元の廟によって違うようですね。

サイトの参拝順序ではこの媽祖殿で1本のお線香を捧げるとなっています。像は3体ですが、お祀りする神様は一柱ですから、まあそうなりますよね。しかし、よくわかっていない私は、ここで3本のお線香を捧げてしまいました。

4階は「觀音殿」

次は最上階の4階です。4階のフロアは「觀音殿」です。日本人の私たちにも仏教で馴染みの深い、観音様、準提菩薩樣、孔雀明王菩薩樣、薬師如来様、地藏王菩薩樣をお祀りしています。道教も日本と同様に神仏習合しているのは興味深いですね。参拝順序では、これら仏様の皆様にお線香を1つ捧げて、あと、虎爺將軍様という、虎の姿をした神様もこの4階にいらっしゃって、お線香を1本捧げるとなっているのですが、見回しても虎爺將軍様のお姿が見当たりませんでした。ちなみに、私はここで残りの2本のお線香を捧げました。

こうして1階から階段で4階まで順に参拝し終えると、やりきったという充実感も湧いてきました。帰りはエレベーターで1階に下りたのですが、まだ係の人も誰もいませんでした。折角なので記念にお守りなどがあれば購入したいと思ったのですが、ちょっと残念でした。しかし、東京の都心でプチ台湾を体験でき、しかも無料とは大変ありがたいことです。

まとめ

東京の都心にある媽祖廟「東京媽祖廟」は如何でしたでしょうか?道教や媽祖は台湾の庶民の生活に根ざした宗教であり、エネルギッシュな台湾の魅力の源にもなっているのだろうと思います。道教や媽祖を参拝してみることは、台湾の文化を理解し、台湾を楽しむのに大いに役立つことでしょう。

庶民の宗教とは言え、様々なお作法があり、また神聖な場ですから知らないからといってマナーに反する行為はご法度です。台湾に行く前に、東京媽祖廟で係の人から説明を受けて予行演習するというのもいいのではないでしょうか?

Have a nice trip!