特急りょうもう号で東京から余裕の日帰り「わたらせ渓谷鐵道」のトロッコ列車

2023年8月5日

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わたらせ渓谷鐵道は、群馬県の桐生駅から栃木県の間藤駅までの、渡良瀬川に沿った約44kmにわたる第三セクターの鉄道です。トコトコ走る気動車で、渡良瀬渓谷の綺麗な景色を一年中楽しめる素敵な鉄道。とくに11月からの紅葉の季節になると、「トロッコ列車」に乗って紅葉を楽しむ観光客で大賑わいです。

今回は、東武の特急りょうもう号を使って東京からの日帰りで、わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車を満喫する方法についてご紹介したいと思います。

「わたらせ渓谷鐵道」のトロッコ列車について

わたらせ渓谷鐵道には、通常の車両のほか、観光用となっている2種類のトロッコ列車が運行されています。1つは「トロッコわたらせ渓谷号」というもので、これはDE10形というディーゼル機関車が4両の客車を引っ張るタイプです。4両の客車のうち中2両が窓ガラスの無いトロッコ車両で、先頭と末尾の2両は普通車両になります。もう1つは「トロッコわっしー号」というもので、2両編成の気動車からなります。2両のうち1両が窓ガラスの無いトロッコ車両で、もう1両は普通車両です。

トロッコわたらせ渓谷号は、4月から11月にわたって、だいたいは土日祝日に運行されています。紅葉の季節である11月だけは平日もしばしば運行されているようです。運行区間は、わたらせ渓谷鐵道の全線ではなく、大間々駅から足尾駅までの区間となり、運行日には一日一往復しています。一方、トロッコわっしー号のほうは、運行日はトロッコわたらせ渓谷号よりも少なめな印象ですが、運行区間は、わたらせ渓谷鐵道の全線、つまり桐生駅から間藤駅までの区間で、4月から11月にかけては一日二往復、12月から3月にかけては一日一往復します。なお、12月から3月の冬季に運行されるトロッコわっしー号は2両ともガラス窓つきの車両となり、厳密には「トロッコ車両」ではなくなる点、注意が必要です。

これら2種類のトロッコ列車に乗車するには、乗車券のほかに「トロッコ整理券」(大人520円)が必要となります。トロッコ整理券は、指定券ではないのですが、乗車日の一ヶ月前から列車ごとに数量限定で販売されています。こちらのページから空席を調べたうえで、ローソンやミニストップで発券できる「ローチケ」でオンライン購入するのが便利です(ただし手数料110円がかかります)。

なお、乗車券については、わたらせ渓谷鐵道全線を一日中乗り降り自由な「一日フリーきっぷ」(大人1,880円)がおすすめです。桐生駅や相老駅などから間藤駅や足尾駅までを単純往復する場合、通常の乗車券を買うと往復で2,000円を超えますので、一日フリーきっぷのほうが断然お得です。一日フリーきっぷは、桐生駅や相老駅の駅の券売機で購入できます。ちなみに、わたらせ渓谷鐵道では、スイカやパスもなどの交通系ICカードは使用できませんのでご注意ください。

特急りょうもう号について

東京から、わたらせ渓谷鐵道までの移動は、新幹線で高崎まで行きJR両毛線に乗り換えて桐生駅まで行く方法もありますが、金額的に片道5,000円以上かかってしまうので、ちょっと高めです。

おすすめは、浅草から赤城の間を運行している東武鉄道の特急りょうもう号です。東京側の乗車駅は、始発駅の浅草駅よりも北千住駅のほうが便利な場合が多いかもしれません。下車するのは相老駅。わたらせ渓谷鐵道で桐生駅の2つ先にある駅です。東武線との接続は桐生駅ではなくこの相老駅になります。東京駅から北千住駅へ、北千住駅で特急りょうもう号に乗り換えて相老駅までの料金は2,600円ほどと、新幹線を利用する場合のほぼ半額です。所要時間は2時間程度とほとんど変わりませんのでお得です。

特急りょうもう号に乗車するには、通常の乗車券に加えて指定席特急券が必要です。自由席は無く、全車指定席です。指定席特急券の予約・購入は駅の券売機でも可能ですが、予約・購入サイトにてクレジットカード決済で予約・購入できるので便利です。購入したチケットはeチケットになりますので、別途発券は不要です。金額は北千住駅から相老駅までなら1,050円。ちなみに乗車券のほうは通常どおり購入すればよく、東武線なのでもちろん交通系ICカードも使えます。券売機できっぷを買うことなく、例えばスイカやパスモを使って改札に入ればOKです(相老駅にも東武鉄道用の交通系ICカードのタッチセンサーが改札等に設置されています。)。

東京から日帰り「わたらせ渓谷鐵道」のトロッコ列車レビュー

11月初旬で紅葉も色づきはじめた頃、特急りょうもう号を利用して東京から日帰りで「わたらせ渓谷鐵道」のトロッコ列車を楽しんで来ました。以下、簡単にレビューをご紹介しますので、旅の参考にしてみてください。なお、上でも記載しましたが、トロッコ列車の運行は日によって違いますので、旅行に行かれる場合は、運行時刻の確認をよろしくお願いいたします。

特急りょうもう号で相老駅まで移動

まずは朝8:30頃に家を出発して北千住駅へ。北千住駅9:52発の赤城行き特急りょうもう7号に乗車しました。北千住駅までのアクセスは東京メトロ千代田線を利用しましたが、JR常磐線なども使えますので意外と便利のいい駅でした。

特急りょうもう号は、東武200系・250系という、ちょっと古めの車両です。座り心地や乗り心地などには問題ありませんが、電源コンセントなどの今どきの装備は設けられていません。車両内にジュースの自販機はありますが、車内販売はありません。乗車時間が1時間40分ほどありますので、スマホの予備バッテリーや飲み物などは予め準備しておいたほうがよさそうです。

相老駅でわたらせ渓谷鐵道に乗り換え

特急りょうもう7号は定刻どおり11:30に相老駅に到着。わたらせ渓谷鐵道に移動して11:36発の間藤行き普通列車に乗り換えです。わたらせ渓谷鐵道のホームは、東武線のホームの隣にあって、改札を出ることなく陸橋を渡って移動することができます。ですが、ここで一日フリーきっぷを買いたかったので、陸橋を渡って一旦改札を出て(改札のそばに交通系ICカードの東武用タッチセンサーがあり)、券売機で一日フリーきっぷを買いました。

一日フリーきっぷを購入したら、また改札を入って(ここではタッチセンサーを使わないように注意!)、陸橋を渡って、わたらせ渓谷鐵道の間藤方面行きホームへ移動。時間は6分しかないので慌ただしいですが、落ち着いて行動すれば、よほど券売機が混雑していない限り乗り遅れることはなさそうです。

列車は早めにホームに入線していたので、ちょっと焦りましたが、どの列車も相老駅では3~5分ほど停車するようなので、あわてる必要はなかったようです。ちなみに、わたらせ渓谷鐵道のいくつかの駅では「鉄印」を1枚300円で販売しており、相老駅でも販売しています。しかし、今回は相老駅で時間がなかったこともありますし、通洞駅のほうが鉄印デザインの種類が多いので、通洞駅で購入することにしました。

足尾銅山観光の通洞駅まで

往復ともトロッコ列車に乗車するという選択肢もあったのですが、うまい具合に時間があわず、今回、間藤駅までの行きは通常の列車に乗車し、帰りにトロッコ列車に乗車するというスケジュールにしました。ということで、相老駅から通常の列車に乗車しました。1両編成のこれぞローカル線といった味わいのある列車でした。通常の列車でも十分楽しかったですよ。

大間々駅を過ぎたあたりから、森の中に入り、ときどき渡良瀬川の渓谷に沿って走りますので、車窓を眺めているととても楽しいです。運転席横に行くと、窓から列車前方の景色も楽しめますので、前、左右と、時間の経つのを忘れてしまいそうでした。

途中、神戸(ごうど)駅では10分間と、ちょっと長めの停車時間がありました。車内のアナウンスで「駅のトイレがご利用できます」とありました。全ての列車が神戸駅で長時間停車するわけではなさそうですが、私の乗ったのと同じ列車なら神戸駅でトイレに行けることを覚えておくと役に立つかもしれません。

あと、神戸駅の停車中には、売り子さんたちがお弁当やスナック類を売りに来ていました。トロッコ列車ならテーブルがありますが、通常の列車は通勤電車タイプの座席なので、お弁当を食べるのはちょっときついかもです。それでも、何人かの人はお弁当箱を手で持ちながらモグモグと食べていましたので、できないこともなさそうです。

そうこうしているうちに12:59通洞駅に到着。列車はこの先、間藤駅まで行きますが、足尾銅山観光と、鉄印を購入するために、ここで途中下車しました。

通洞での昼食と足尾銅山観光など

通洞駅ではまず鉄印を購入。そのあと、お昼の時間でもありましたので、駅の近くの食堂でちょっと遅めの昼食。足尾銅山はメジャーな観光スポットのはずですが、通洞駅近くの町並みは寂しい感じで、食事のできるところはあまりなさそうでした。

通洞駅から足尾銅山までは徒歩5,6分というところ。結構近いです。通洞駅の次に足尾駅というのがありますが、足尾駅からは足尾銅山までとても遠くなるので注意が必要です。「足尾」という名前のせいで間違える人が多いそうです。足尾銅山の詳細については割愛しますが、結論から言うと結構楽しめました。一番良かったのはトロッコ列車に乗って坑道内に入っていくところ。それがなかなかのワクワクものでした。入場料は830円。観光に要する所要時間は最低30分、1時間くらいあれば十分かと思います。

通洞駅に戻る途中の踏切で、桐生方面行きのトロッコわたらせ渓谷号に遭遇。いつかこのタイプのトロッコ列車も乗ってみたいですね。しかしDE10形の雄姿は、走っているのを外から見るほうがより一層味わえるのかもしれません。とにかくラッキーでした。こうして通洞での滞在時間は1時間40分ほどでしたが、十分楽しむことができました。

通洞駅から間藤駅へ

通洞駅から14:39発の間藤行き列車に乗車。これも通常の列車です。終着駅の間藤駅には14:45着。ここで折り返して、予約している15:30発のトロッコわっしー6号に乗車して桐生へ向かいます。間藤駅では45分の時間ができました。

間藤駅の周辺ですが、5分くらい歩いたところに小さなカフェらしきお店が一軒あっただけで、残念ながらその他のお店は全くありません。観光するところも、とくにこれといったものは無さそうでした。

昔、間藤駅から北へ1.5kmほどのところに間藤駅の次の駅、貨物専用駅の「足尾本山駅」というのがあったそうで、今は廃線、廃駅となっているのですが、その足尾本山駅の駅舎跡を見ることができるそうです。興味はあったのですが、往復だけでも45分かかってしまいそうなので、今回はあきらめることにしました。間藤駅から北へ5分くらい歩くと、廃線になった線路や踏切があります。今回はそこまで行って廃線を見てきました。ちょっと寂しい感じでした。

15:20頃に間藤駅に戻ると、既にトロッコわっしー6号が入線していました。ちなみに、駅ホームの横には、やぐらで出来た展望台があります。列車が入線する様子はこの展望台から見ればよかったな、とチャンスを逃したことを後悔しました。

トロッコわっしー号で桐生駅へ

トロッコわっしー号は気動車の2両編成。桐生側の車両がガラス窓になった普通車両で、間藤側の車両がガラス窓の無いトロッコ車両となっています。席は自由席なので、早いもの勝ちとなりますが、この日は平日だったためか、乗車前の待機列にも10人くらいしかおらず、難なくトロッコ車両の窓際の席を確保しました。ちなみに、トロッコ車両のほうは、大部分の席がテーブルをはさんだ4人掛けのボックス席になっています。また、トロッコ車両には、記念品などを販売する売店とトイレが設けられています。

15:30に間藤駅を発車。車外からの風が入ってきて開放感があっていい感じです。渡良瀬川の見える方角は、列車の右に左に移りますので、左右どちらが有利ということはなさそうです。わたしもそうでしたが、他の人たちも、席を立って反対側の窓から写真をとったりしていました。11月の初旬でしたので紅葉もやっと色づき始めた頃。緑に混じった赤や黄の斑点模様もなかなかおつなものです。

トロッコ列車のいいところは、開放された車窓から風を感じながら景色を楽しめて、ガラスが無いので写真や動画も綺麗にとれることですが、車内アナウンスにより沿線の見どころなどをタイムリーに教えてくれるので、それも非常に有難かったです。

見どころの前にやってくると列車の速度を落としてくれたりするので、なかなかのサービス精神です。トンネルに入ると車内にイルミネーションを灯すのですが、そこも良いシャッターチャンスです。小さいお子さんのいる家族連れだと盛り上がりそうですね。

しかし、景色を楽しめる大間々駅まで1時間以上もあります。気温15度くらいだったと思いますが、風にあたり続けると体感的には真冬並みになり、ガタガタ震え始めました。ダウンジャケットなどあったほうがよかったかもしれません。私は耐えきれなくなってトロッコ車両からガラス窓のある普通車両に移動してしまいました。

終点の桐生駅まで乗りましたが、大間々駅を過ぎると車窓も景色もそれほどではなくなりますし、11月となると17:00近くでは暗くて外もよく見えませんでした。特急りょうもう号で東京に戻る予定なら桐生駅まで行って折り返すことをせずに、相老駅で下車してしまったほうがよかったかもしれません。わたらせ渓谷鐵道「全線乗車」ということにこだわるのでしたら別でしょうけど。

桐生から相老駅に戻って特急りょうもう号で東京へ

トロッコわっしー6号は定刻17:01に桐生駅に到着。ここから折り返しで17:27発の列車に乗り相老駅へ17:33着。降りたホームに交通系ICカードのタッチセンサーがあるので、入場にタッチしてから陸橋より東武線のホームへ。18:04発の特急りょうもう44号に乗車です。乗り継ぎ時間はいずれも余裕がありました。

こうして北千住駅には19:42着、家についたのは21:00頃となりました。桐生駅まで行かなければ、もう1時間ほど早く家に着いていたかもしれませんね。とはいえ、今回も日帰り旅行を十分堪能できました。

まとめ

特急りょうもう号を利用すれば、わたらせ渓谷鐵道のトロッコ列車を東京から余裕の日帰りで、しかもリーズナブルな費用で楽しむことができます。トロッコ列車の車窓から見える渡良瀬渓谷の美しい眺めは最高でした。紅葉の季節が最も人気でしょうが、一年を通じて四季折々の美しさがあると思います。トロッコ列車は最高でした。

Have a nice trip!