犬も見事に花粉症にかかる!原因や主な症状と予防法&治療法

 

丁度花粉症の時期でみなさんお悩みのはず。

今年はコロナの影響で、マスクが手に入らずお困りの方も多いかもしれませんね。

実は人間だけではなく、犬も花粉症にかかると知っていましたか。

もちろん多少人間とは症状が異なりますが、見事にワンちゃんも花粉症を発症してしまいます。

今回は、犬の花粉症の予防法や治療法と、主な症状や原因について紹介します。

 

犬の花粉症の原因

 

花粉症とは、植物の花粉によって起こるアレルギーのことです。

体の中に入った異物である花粉を排除するための免疫反応が過剰に起こるため、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの様々な症状が生じてしまいます。

犬も人間同様に花粉症を発症しますが、少し症状が異なります。

人間の場合、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりというアレルギー性鼻炎の症状が主に起こりますが、犬の場合の主な花粉症の症状はアレルギー性皮膚炎となります。

犬は嗅覚が非常に発達した動物であり、この特性を活かすために、口や鼻から入ってくる異物に対する免疫が少なくなっており、このため花粉にも敏感に反応してしまいます。

 

しかし、人間が花粉症としてアレルギー性鼻炎を起こしてしまう原因となる肥満細胞が、犬の鼻の粘膜には少ないため、アレルギー症状が出にくくなっています。

代わりにアレルギー反応が出てしまう箇所が皮膚であり、犬は花粉症としてアレルギー性皮膚炎を発症しやすいのです。

人間も目の痒みが生じますが、これは目がとてもデリケートであり、目の周辺の皮膚が薄いためです。

犬は皮膚がとてもデリケートで人間より遥かに薄いため、人間が目で感じる痒みを体全身の皮膚で感じてしまうこととなるのです。

このため犬の花粉症は、アレルギー性皮膚炎が主な症状となってしまうのです。

 

また、人間と犬では、主な花粉症の原因となる植物が異なります。

人間の花粉症の原因としては、主にスギとヒノキが有名です。

犬もスギとヒノキにも反応しますが、最も影響を受けやすいのが、地面に生えているブタクサやオオバコなどとされています。

この他にも、イネ、ヨモギ、カモガヤ、ハルガヤなど結構いろんな植物に反応します。

このため、ブタクサやオオバコなどの花粉のピーク時を把握して、特にその時期には散歩で愛犬を無暗に草むらに入らせないように注意する必要があります。

 

花粉は地域によっても多少シーズンが異なりますが、平均的な花粉症をもたらす植物のピークを紹介しておきましょう。

ブタクサ:ピーク8~9月

オオバコ:ピーク5~9月

ヨモギ:9~10月

スギ:ピーク2~4月

ヒノキ:ピーク3~4月

白樺や松:ピーク4~6月

イネ科:ピーク5~6月

ホソムギやセイバンモロコシ:6~9月

 

犬の花粉症の症状

 

犬の花粉症として最も現れる症状はアレルギー性皮膚炎であり、このため体や指の間などに痒みや赤みが出て、皮膚がカサついたり反対にべたついたりします。

また、目の周りの毛が抜けたり、鼻水やくしゃみが出る、涙が出て目が潤むなどの症状が起こります。

さらに、二次感染として外耳炎や膿皮症などを引き起こします。

このためワンちゃんは、身体をかいたり、顔を床などにこすりつけるなどの行動が現れてきます。

また耳が臭うこともあります。

 

花粉症になりやすい犬種

 

犬も人間と同様であり、花粉アレルギーを起こす犬とそうでない犬がいます。

また、今まで大丈夫だったのに、いきなり花粉症を発症したりもします。

花粉症には、素因となる遺伝子の有無も影響するとされ、花粉症になりやすい犬種は次の通りです。

花粉症になりやすい犬種
・柴犬

・シーズー

・マルチーズ

・フレンチブルドッグ

・ウエストハイランドホワイトテリアなどのテリア種

・シェットランドシープドッグ

・ビーグル

・プードル

・キャバリア

・ダックスフント

・ゴールデンレトリーバー

・ラブラドールレトリーバー

なお花粉症になりやすい犬種は、生まれつき肌のバリア機能が弱く、少しの刺激でも肌に炎症を起こしてしまいます。

また、アトピー体質の犬は、花粉症を起こしやすいといえます。

 

花粉症の予防法

 

花粉症への対策や予防法は、人間でも犬でも基本は同じであり、とくかく花粉への接触を避けることです。

特にワンちゃんは、体に静電気を帯びやすいため、花粉をくっ付けやすいので要注意です。

 

「散歩の時間帯に注意」

当然ですが花粉は外に出ることで接触してしまいます。

したがって一番の注意ポイントが散歩といえます。

このため、花粉が多いお昼の時間帯や、夕方18時前後あたりは避けるべきです。

 

「草むらを避ける」

犬が影響を受けやすい、ブタクサやオオバコなどが生える草むらには、愛犬を入らせないことが大切です。

 

「洋服を着せる」

花粉が体に付くことを避けるためには、ワンちゃんに洋服を着せることが大切です。

特にレインコートのようなツルツルした布地の場合、花粉がくっ付きにくいのでおすすめです。

 

「花粉を落とす」

散歩後には、部屋に入る前にブラッシングしたり、濡らしたタオルなどで体や手足を拭き、しっかり花粉を落としてあげる必要があります。

 

「シャンプーの回数を増やす」

花粉がよく飛ぶ時期は、普段よりこまめにシャンプーを行ってあげましょう。

またシャンプーは、低刺激のものを使ってあげるのがおすすめです。

 

「空気清浄機」

少しでも空気中の花粉を除去することが大切となります。

このため、たまに窓を開けて空気を入れ替えたり、空気清浄機を使用すのがる有効です。

 

「毛を短くカット」

毛が長いとどうしても花粉が付きやすくなるため、花粉症対策として毛をカットするのもおすすめです。

 

「花粉に強くなる」

花粉を避けるのが基本の予防策となりますが、効果のある食事やサプリメントにより、アレルギーに強い体を作ることも大切です。

・善玉菌である乳酸菌やエサとなるオリゴ糖を摂取し、バイオジェニックスにより腸内環境を整える

・皮膚の炎症作用を抑える働きがある、オメガ-3脂肪酸を含む、魚油や亜麻仁油などを摂取する

 

花粉症の治療法

 

花粉症の治療方法には、薬を服用して治療を行う薬物治療と、減感作療法と呼ばれるアレルギーを引き起こしにくい体質を作る二種類があります。

症状が軽いケースでは薬物療法を行い、重い時には減感作療法を行うのが一般的です。

薬物療法の場合、ステロイド剤などの免疫抑制剤を投与します。

これで花粉に反応する免疫を抑えて、花粉症の症状の改善を図ります。

ただしステロイド剤は、長期投与してしまうと免疫力が下がってしまい、いろいろな副作用が出やすいため注意が必要です。

減感作療法は、花粉症を起こす抗原である植物の花粉を少しずつ体に与え、慣らして抵抗力を付けてアレルギーを起こしにくい体質に変えていく方法です。

このため長期治療となるため、時間と費用が掛かってしまいます。