介護職員の善意によって加害者になってしまう異常な介護現場の実情

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介護職員は熱意や善意がある方が良いと思われがちですが、実はクールな職員の方が向いていたりします。

もちろん、悪意を持って働いている人など居ないでしょうから普通に働くことが大切です。

介護の教科書や業界の方針とは違う視点になるかもしれませんが、介護現場が日常の延長線上にあるものであるとするならば、介護職員も利用者も普通でいるのがベターなのではないでしょうか。

情熱に燃える職員とクールな職員については、下記記事をご参照下さい。

以前「介護職に向いている人と続けられる人は全く別」という記事を書きました。 最近感じているのですが、「情熱に燃えてケア...

また、介護現場で善意を持つことで介護職員などが加害者になってしまうという、俄かには信じられない環境があるのも事実です。

つまり、良かれと思ってやったことで自分が窮地に陥ってしまう可能性があるのが介護現場なのです。

今回は、介護職員の善意によって加害者になってしまう異常な介護現場の実情について記事を書きたいと思います。

介護職員の善意によって加害者になってしまう異常な介護現場の実情

「善意によって加害者になる」とは、良かれと思ってやった結果、民事事件や刑事事件に発展し加害者として裁判沙汰になったり最悪の場合は前科がついてしまうということです。

悪意を持ってやったのであれば加害者になってしまうことも理解ができますが、何故、善意を持ってやったことで加害者になってしまうのでしょうか。

以下で詳しく解説していきます。

やればやるほど負担も責任も重くなる

介護に限らずですが、何かをやればやるほど、手を広げた分だけ負担も責任も重くなります。

介護現場では特に、

  • 利用者という人間を相手にしているのでやることが尽きない
  • 人員不足なので1人の職員が1.5人~2人分の働きをしなければならない
  • やることが尽きないことをやっていくことを「やりがい」と呼んでいる

という実情があります。

つまり、善意を持って介護をやればやるほど負担や責任が重くなり、ミスや失敗をする確率も高くなるのです。

業務という名のゴールの無い道を1歩も歩いていない人は転ぶことはほぼありませんが、長い距離を歩いている人ほど転ぶリスクも回数も多くなるのは自然の摂理なのです。

頑張った人ほどミスをしやすくなる上に、そのフォロー体制も無い場合は加害者になってしまう可能性が出てきます。

また、多くのことを気づく職員も同様に負担や責任が重くなる傾向にあります。

「気づき」というのは介護職員にとって、とても大切なスキルであり専門性のひとつです。 利用者の表情・顔色・行動・言動を見ていち早...

ミスに対して損害賠償や刑事責任を問われる脆弱な立場

介護のプロとして業務を行っているのですから、ミスは無い方が良いに決まっています。

しかし、前述したような「やればやるほど負担と責任が増え、ミスを誘発しやすい環境がある」という状況であれば、ミスは必ず発生します。

介護職員も人間なのです。

人間である以上、必ずヒューマンエラーが発生し、しかも「善意を持って頑張っている職員ほどミスが多くなる」ことになります。

そのミスによって、利用者に怪我をさせてしまったり、命に関わるような状態になってしまった場合、家族から民事訴訟を提起されて損害賠償を請求されたり(多くの場合は職員個人ではなく事業所を相手取る形になろうかと思います)、業務上の過失の有無の刑事責任を問われて刑事事件に発展してしまうことになります。

つまり、善意を持って介護を頑張った結果、加害者になってしまうのです。

自分が置かれたやりがいのある環境と自分の善意が組み合わさると、加害者になってしまう脆弱な立場にいるのが介護職員ということであれば全くもって救われません。

この現実を客観的に見て導き出されるのは、「介護現場では善意を持ってはいけない」という不健全な答えになります。

介護現場で善意を持ってしまった事例

では、具体的に「善意を持った介護」とはどういうものなのか事例をご紹介したいと思います。

介護職員ではなく准看護師ですが、おやつがゼリーに変更になっていることの確認不足で誤ってドーナツ提供してしまい、利用者がドーナツを喉に詰めて死亡した事件がありました。

最近、この刑事事件の裁判がありましたので記憶に新しいところではないでしょうか。

争点のひとつが、「本来ゼリーを提供しなければならないところを誤ってドーナツを提供してしまったことによる過失」でした。

つまり、准看護師のミスです。

おやつの提供は介護職員がするのでしょうが、介護職員の人手が足らず手が回らないために善意でこの准看護師がおやつの配膳を手伝った結果のミスということですから、「善意を持った結果、加害者になってしまった」ということになります。

この准看護師が今どう思っているのかはわかりませんが、もしも私が同じ立場であれば「良かれと思ってやらなければ良かった」「あの時、善意を持たなければ加害者にならなかったのに」と後悔してしまうでしょう。

この事件に関する考察記事は下記をご参照ください。

2013年12月に長野県の特別養護老人ホーム(以下、特養)で、准看護師が提供したおやつのドーナツを入所者が喉に詰め、その1か月後に死...

無理をしない方が自分のため

他にも、例えば自分1人で複数の利用者の対応をしようとして、そのうちの1人が転倒して怪我をしてしまった場合、「対応した介護職員の責任」となります。

しかし、1人の対応に専念していて他の利用者が転倒して怪我をしてしまった場合は「不可抗力」ということになり、事故は事故ですが対応していないのですから介護職員の責任ではありません。

もちろん、どちらの場合も事故報告書は必要になりますが、特筆すべきは「頑張って対応した介護職員は加害者になる可能性が高く、無理をしなかった介護職員は加害者にはならない」ということです。

介護職員としては、転倒事故を発生させたくないので「自分のためにも頑張って対応をする」という心理が働きますが、事故が発生してしまった場合は「対応をしなかった方が自分のため」になるのです。

「保身のために対応をしないなんて不健全だ」という声もあるかもしれませんが、そもそも1人で複数人の対応をする方が無理難題ですし、介護職員を守る体制も保障もない脆弱な立場に置いておきながら不健全だと言えてしまう方が異常なのです。

本当に介護現場を健全化していきたいのなら、まずは環境や介護職員の身を保障していくような体制づくりをしていくことが先決です。

介護職員の名誉のために付け加えておきますが、脆弱な立場と保障のない状態でも健全な介護現場であるために踏ん張っている介護職員が大多数です。

但し、いつまでも介護職員の自己犠牲に頼りっぱなしのままなのであれば、「介護現場では善意を排除した働き方を推奨」します。

介護現場は人員不足の上に利用者という人間を相手にしているため、やることは尽きません。 現場に立っていればいるほど次々と業務が降...

最後に

今回は、介護職員の善意によって加害者になってしまう異常な介護現場の実情について記事を書きました。

良かれと思ってやったことで自分の首を絞めてしまうことになれば目も当てられません。

職場では「お互い様」の精神で気持ち良く仕事をしたいのは山々ですが、一歩間違えれば加害者になってしまう危険がある以上、そうも言っていられません。

会社が守ってくれないのなら、自分の身は自分で守るしかないのです(刑事事件になれば守ろうにも守り切れない場合もありますが)。

そうなれば、無理をせず善意を排除していくしかないのではないでしょうか。

常に人員不足で業務負担が大きく人間関係も良くない介護現場で働いている人も多いのではないでしょうか。 もしもそんな職場であれば「...

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コメント

  1. デイちゃん より:

    人の善意をあてにしてる組織は、まず善意のある人達がいなくなり、その後組織自体の善意がなくなり、お客さんがいなくなり、組織自体が衰退するって法則があります。
    私のデイって昔は、人柄も技術も結構ちゃんとしたスタッフばかりだったんですよね。でもそれにつけこんでパワハラ管理者がめちゃくちゃしまくったあげく、まともなスタッフが全員退職。今はカスタッフしかいなくなり、利用者さんもダダ減りで、売り上げダダ下がり、利益ダダ減りで、減損一直線。

    ま、私的には、利用者が減って楽になったので結果オーライです。今いる利用者さんにできる限りのサービスをしていますし。
    困るのは会社ですよね。金が入ってこなくなるから。でもま、私は関係ないし、今さら私に何か言ってくる人もいないので、とてもすごしやすくなりました。ww

    「私が〇〇しなければ」「私が〇〇してあげなければ」と思って、スタッフが勝手に仕事してくれたら、会社は万々歳。
    今いるカスタッフたちのように「とにかくさぼろう」「とにかく楽して金だけほしい」となると、会社はマズイ。
    さあ会社はどうするんでしょ。
    腐ったみかんは捨てないと箱全部のみかんが腐るけど、すでに箱全部のみかんが腐っちゃったみたいだから・・もう手遅れですね。ww

    • アバター画像 介護職員A より:

      >デイちゃんさん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      どちらにしても結局は良い塩梅で会社がマネジメントできないと上手く回りませんね。
      もうやりがい搾取されるのは御免被りたいですから、自己防衛をしながら無理せずに働きたいですね。

      • デイちゃん より:

        利用者増やして売り上げ利益増やしたところで、金は会社に吸い上げられるだけですからね。
        で、下手すりゃ、訪問や訪看の赤字をつけかえられて、処遇改善を減らされたり。
        だったら今度は赤字を出しまくって他のところで埋めてもらおうかな。今までさんざん金を上納してきたんだから。
        〇〇〇って、事業所の売り上げから、まず本社支社支店が16%も金をとりあげるんですよ。だから事業所の時点で赤字にしてやろっかな~本社や支社がとろうとしてもとれないように。www
        これからは楽させてもらいま~す。でも仕事はしてますよ。これまで働きすぎてたから普通に働くってだけですよ。本社だの支社だの支店だの、一円も利益を出してない部署に比べれば、何百倍も働いていますよ。

        • アバター画像 介護職員A より:

          >デイちゃんさん

          返信ありがとうございます^^

          そういうシステムなのですね。
          普通に働けばいいですね、本当。

          • デイちゃん より:

            たとえばデイで月の売り上げが800万あったとしたら、そこから問答無用で本社が4%支社が4%支店が8%をとりあげます。
            で、残ったお金で現場のコストをまかなえってなるんですけど、それで足が出たら減損拠点って言われる。全く意味がわからない。
            そもそも設備の補修があるので、一定額積み立てなきゃいけないんだけど、それもしてなくて、例えば修理修繕が発生したら、その修理を認めないか(それでトイレ2年壊れっぱなし・送迎車の修理は管理者自腹)、その分を現場のコストに急にのせて「はい赤字で~す」「処遇改善ないで~す」って言ってくる。
            違うでしょ。
            毎月とりあげてる数パーセントはそういう設備の保守管理に使うもんでしょ?

            この支社っていうのも、いらないのに最近急にできたんですよ。
            4%というのも全く根拠のない数字。
            それで支店とか、田舎でも一番賃料の高い街中に事務所かまえてたりとか全く意味が分からない。ちょっと田舎にいけばいくらでも安いとこあるのに。
            で、毎日意味不明な会議ばかりしてる。管理職会議・常勤会議・通所会議・事務員会議・・とか、どんだけあるんや。
            S責とか平日の昼間に呼び出されて、迷惑以外の何物でもない。それで利用者増やせって言われても、いやいやその会議の時間で営業やサービスにいくらでも行けるでしょ?って話だし。

            でも大丈夫です。現場のサービスが悪すぎて、どんどん利用者が減ってるから売り上げもダダ下がり。
            支店とかの取り分もなくなっていくでしょう。
            利用者減ったら、スタッフは楽だし、会社はダメージうけるし、いいことばっかだね。
            バカな会社は倒産する。悪は必ずほろびる。www

          • アバター画像 介護職員A より:

            >デイちゃんさん

            事業所は吸い上げられた上に、更に積み立ての有無で設備の修理をするしないが決まるのですね~
            確かに謎ですね。

            謎な会議が多いのも特徴的ですね。
            会社を存続させるために事業所をトカゲのシッポのように切り捨てていきそうな雰囲気ですね。