朝から風が強く、台風の接近を実感させられます
リナです

実は昨夜遅くに、突然具合が悪くなり
今朝まで病院におりました
今はすっかり元気ですが、意識が朦朧としているときに
「彼」がやってきて
(ああ、お盆だったな)
と思い出させられました

彼、健太は20年ほど前に一緒にバンド活動をしていた仲間でした
担当はギター、同じくギターだった私とは相棒のような関係でしたね
夜型であまり日に当たらないせいか、肌は日本人離れした白さで
それ故に、顔立ちは内裏雛みたいな和風なのに、ブリーチした金髪がよく似合っていました

細身で中性的で、当時のヴィジュアル系ブームに見事当てはまる外見だったので
健太のファン、という女の子も結構いました
私も良く「手紙渡しておいてください!」なんて頼まれてました

それなのに彼女も作らず、何故かと問うと
「女はめんどくさい」
「じゃあ男が好きなのか?」
「なんでそうなるんwノンケだわ」
「私のこともめんどいと思ってるのか?」
「んー、リナはなんか女とは認識しとらん」

ビール飲みほしてそんな事言ってたな
事実、ライブ前になると毎日夜遅くまで健太の家で二人で練習やら打ち合わせしてたけど
間違いが起こることも無く、こちらも健太は健太であり、性別とか考えたことは無かったです

そして、忘れもしないあの年の4月
朧月夜に夜桜が揺れる夜
健太は突然、この世を去ったのです
バイク事故でした

健太のお母さんから電話があって、
「嘘だろ、絶対死なんて、健太が死ぬわけないじゃん」
そういう期待は、棺の中で眠る健太の姿に打ち砕かれた…

びっくりするほど綺麗な顔だった
少し傷が残る、細い指先に
咄嗟にギターのピックを挟んで見送りました


あれから毎年
この時期になると健太は「還ってくる」

夢に出てくるんですよ
すごくリアルに

昨日、病院で眠っていた私の意識に健太が入ってきました
「なあリナ、今ってさ『ヨネヅケンシ』って人が人気なんだよな」
「どんな曲なの?」
私の前に突然、鍵盤が現れた
普通のピアノじゃなくて、なんか鍵盤がどこまでも永遠に続いてる
「Lemon」を弾いてみた
「なんか悲しくなるな」
悲しい割には笑顔の健太
「リナ」
鍵盤が消えた
「こっちに来るか?」

その言葉の意味を理解して、急に怖くなった
「ごめん、まだ行けないんだわ」
なるべく平然を装って答える
「だよなー!うん、まあ頑張れよ」

そこで目が覚めて、まだ健太のお墓参りに行ってないことに気づきました
台風が去ったら、行って来ます

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ずっとあの時の若い姿のままでいる健太が一瞬だけうらやましく思えたけど
あちらに行くのはまだ早すぎる

もし健太が生きていたら
今もきっと一緒に音楽やっていただろうな
「おっさんになっても俺はギターずっと続ける」
そんな話もしたから

あの時渡したピックはもう古くなったかな?
新しいのを持っていくから
そっちでも音楽頑張ってくれよな

あと、冗談でも連れて行こうとするんじゃないぞ!




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