フランス語文法書 Grammaire Progressive du Français 全シリーズ 使ってみた感想

フランス語文法書 Grammaire Progressive du Français 全シリーズ 使ってみた感想

フランス語の文法問題集 Grammaire Prgressive du Français 全シリーズ4冊をやってみました。フランス語で書かれている文法問題集、というだけで目を通すのがちょっと億劫になりがちですが、日本の文法書ではわからないようなニュアンスがつまってわかりやすく説明されていると思ったので、どんな本なのか書評をかねてご紹介します。

どのレベルの本も、フランス語の語学学校で教材として使われることが多く、先生も勧めてくれる本なので信頼がある本といえるでしょう。じわじわと掘り下げて学習していくやり方、フランスの学校教育に似ている気がします。

(2020年1月上旬にCLE International社のサイトがサイバー攻撃にあい、現在サイトをメンテナンス状態にして対策中とのこと。リンクを貼ってあるものの、否定線が入っているページは見れなくなっています。)

どんな本?

レベルは4つあり、見開きで文法説明とエクササイズがある

この文法学習書は、見開き左側が文法説明、右側がエクササイズという構成になっています。この形式で、初級(débutant A1)、中級(intermédiaire A2-B1)、上級(avancé B1-B2)、完成レベル(perfectionnement B2-C2)という4レベルに別れています。

英語の文法学習書で有名な 「English Grammar in Use」に似た作りなのですが、違うのは回答が別売なこと。アマゾンなどで本自体の評価はおおむね良いのですが、この回答別売のせいで少し評価を落としているのが残念です。問題集に書き込みした場合の答え合わせの時、別冊なのでいちいち後ろのページをひっくり返しながら答えを見なくてもすむので、私は逆に便利だと思っていますが・・。

 

テキストのデジタル版も手に入れられる

新しい本を新しい版のテキストで買うと、テキストのデジタル版も手に入れることができます。(できる版とできない版あり)このデジタル版には、任意の場所にメモを書き込みができます。

手に入れる方法は、

  1. http://www.livre-web.com/ (CLE internatiolのテキストデジタル版管理ページ)に自分のアカウントを作る
  2. 本の裏表紙に載っているURLとクーポンコードを登録し、コードを有効化する

でもテキスト内容のコピペはできません。

 

買う前に少し立ち読みができる

中身を見てから買えるのも便利です。CLE International のサイトからissuu.comというサイトにとび、最初の30ページくらい立ち読みができます。

  1. CLEのウェブページで興味ある本を検索
  2. 例えば Grammaire progressive du français – Niveau intermédiaire のページを見る と、”FEUILLETEZ” (ざっと見てみてください)という箇所があるので、そこからみれます。本によっては、”Extraits” という表記のページも。

 

レベル別本の紹介

Grammaire Progressive du Français niveau débutant (A1)

ゼロから始める初心者用の本です。私はゼロからフランス語を始めたばかりの時、完全独学でスカイプ授業もしていなかったので、日本語の文法書「増補改訂版 新・リュミエール―フランス文法参考書」とこのdébutant 本を並行してやりました。フランス語で書かれた説明を読みながら、エクササイズをしながら取り組んだので、フランス語の文法用語を覚えるのに役に立ちました。

Grammaire Progressive du Français – niveau débutant 2e éditionより

説明ページにイラストがあるので、何をしているのか、この本をやる時は日本語を介さずフランス語で考える習慣をつけるようにしていました。例えば、車を洗う時、自分の顔を洗う時、再帰動詞になるかならないか、イメージがあるとわかりやすくなりますよね。リエゾンの発音の仕方についても述べられており、音読して説明を読むようになってよかったです。

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Grammaire Progressive du Français niveau intermédiaire (A2-B1)

増補改訂版 新・リュミエール・・」を何周かしたあと、「解説がくわしいフランス文法問題集」という参考書を勉強したのですが、この「解説が詳しい・・」と一緒にintermédiaireの本を使いました。

例えば、数字の80や100の後にSをつけるかつけないか問題。どういう時にSをつけるか、つけないか、というルールを覚えることも大切ですが、リエゾンの音の違いについて述べられている点が、日本語の文法書にはない説明だな、と思いました。 文法の説明ポイントが日本語の本とは違う視点でも書かれていたりして、勉強になります。

Grammaire Progressive du Français – niveau intermédiaire 3e éditionより

本が大きめなので、巻末にある基本動詞の活用表の上に紙を貼って、動詞の活用チェック表としても使っていました。最初は各動詞、1行ごとに紙を貼っていたのですが(写真左側↓のページ)」、何回も開いたり閉じたりしているうちに中心に近い部分が折れ曲がってくるようになって使いにくくなったので、隠すのなら写真右側のページのように、1枚の大きな紙を貼った方が便利でした。

日本にいたら、暗記ペン(消せる赤ペンで緑の下敷き(もしくはその逆の色コンビ)で隠して暗記できるペン)使ってたよな・・ 、と暗記ペンがほしくなったのを覚えています。昨今色のバリエーションも増えてるし、あのペンいいですよね。

 

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Grammaire Progressive du Français niveau avancé (B1 – B2)

DELF B2を受験する前にこの本を5周しました。Débutantや Intermédiaireの2冊には書かれていなかった、さらに細かな文法内容に触れており、掘り下げて文法学習することができます。DELF B2の文書作成パートで満点を取れたのは、この本のおかげで文法の間違いがなかったのも1つの要因では・・と思っています。

例えば、部分冠詞についての説明の一つには

Il est utilisé avec des noms propres pour désigner une partie indéterminée de l’oeuvre de la personne dont on parle. (  話している人の作品の不確定な部分を示すために、的確な名詞とともに使用される。)

とあり、例文が下記として上がっています。

Elle a joué du Chopin et du Mozart. (彼女はショパンとモーツァルトを演奏した。)

さらに、注意として 

Cet emploi fait partie de la langue parlée. (これは話し言葉の一部として使われる。)

とあります。この使い方はよく聞くけれど、書き言葉ではないことを学びました。

Grammaire Progressive du Français -niveau avancé  2e éditionより

 

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CLE第3版の立ち読みページはこちら、説明ページのリンクはこちらになります。

Grammaire Progressive du Français niveau perfectionnement (B2-C2)

1周目が終わったところなのですが、さすが名前の通り、この最終本の細かな違いの説明にしびれてます。素晴らしい・・。そうそう、ここが曖昧でよくわかってなかった!、知らなかったわ〜、こんな違いがあったとは!と改めて思い知らされることばかりです。何周もしてしっかりマスターしたい内容です。

これ大事、あれ大事、と線ばっかり引いてます。どのページも写真のような感じです。

Grammaire Progressive du Français niveau perfectionnement – 4e éditionより

例えばこの写真にあるのは、venir, aller, revenir, retourner, rentrer の違い、apporter, amener, emporter, emmenerの違いの説明。混同しがちな動詞に対してどういう使い方をするのか、こうは使わない、わかりやすく説明されていると思います。派生してramener, rapporterもこの辺のグループ、微妙に使い方が怪しいのでメモっておきました。また忘れてきたらここを見れば大丈夫、と安心できるのがいいです。

私が持っているのは第4版なのですが、この版にデジタル本はありません。(2019年11月現在)該当CLEのページを見ても書いていないので、次の版以降につくのかも?

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今日の収穫

最新版ではなく、今となっては旧版をやった本もあるのですが、概ねどんな感じか感覚がわかっていただけたら嬉しいです。

この本が何よりいいと思うのは、フランス語で文法を理解しながら、フランス語で考えるようになること。フランス語の文法用語の勉強にもなり、日本語の文法書とは違った視点から書かれたポイントを知ることができます。

4冊やらなくても、レベルに合わせたところから始めて大丈夫です。最初はノートに答えを書いてエクササイズを解いて答え合わせをしていたのですが、説明のあるページが問題文の近くにあるとさっと見れて便利なので、鉛筆で書き込み、ダメなところに印をつけて全部消しゴムで消して再度問題を解く、という方法でやっています。次にやる時にあとがうっすら見えてしまうこともあるのですが、そこは見ないように解かないといけないんですけどね。

 

文法問題集に興味がある方の参考の一つになると幸いです。合わせてこちらの記事もどうぞ。



3 thoughts on “フランス語文法書 Grammaire Progressive du Français 全シリーズ 使ってみた感想”

  • はじめまして。
    フランス語を学びたいと思っています初級者です。
    色々調べた結果、このシリーズがフランス語でフランス語を学べるということで良さそうだな、と思っております。
    私は大学の第二言語として1年ちょっと勉強しただけですが、このシリーズのdébutantだけでなく、リュミエールも並行して使用した方が良いと思いますか?

    • ゆいさん、

      初めまして。コメントどうもありがとうございます。
      初心者の時に日本語で文法の本を読んでおくと、理解と学びのペースが早いと思います。
      大学ですでに第二外国語として学習されたとのこと、その時に使われた文法書をまだお持ちであれば、まずはその本と一緒にdébutantの本を使ってみて、わからないところを日本語で理解していけばいいのではないかと思います。もし日本語で書かれた初級文法の本が手元になければ、リュミエールの購入を検討されてもいいかもしれません。

      リュミエールは文法基礎を独学で学ぶのに本当に良くできている本だと思いました。私はリュミエールと同時にdébutantを始めてみましたが、リュミエールを何周もして、きっちり覚えるまでやった後ならば、intermédiaireの本から始めても良さそうな気もします。(これは実際にやってないので、予測でしか言えないのですが)

      フランス語学習頑張ってくださいね、私も頑張ります!

  • 瀬野 うらら さん!
    返信が遅くなりました!

    ご回答ありがとうございます^ ^

    今手元に大学時代の教科書がありませんので、ひとまずリュミエールで理解に努めようかなぁと思いました!

    その後、débutantを購入するかintermédiaireを購入するか検討しようかと思います!

    フランス語学習頑張ります!
    ありがとうございました!!

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