江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

「『算数の授業』から学校現場を考える」に参加して

2019-06-16 | 江戸川区教組
6月14日(金)、江戸川区教組主催の学習会で、小寺隆幸さんから、「『算数の授業』から学校現場を考える」というテーマでお話を伺った。

私は遅刻して行ったので、最初の方はお話を聞けなかったのだが、批判的に考える力を育てるのが算数だという話に深く共感した。

小寺さんは、
「数学は自由」と言った人がいる。
算数・数学は、何を言ってもいい。
自分で考えて自分で組み立てていく学問である。
自分で考え、自由に発言することは、民主主義の基礎であるとも話していた。


論理的思考力、考える力は、算数で鍛えられる。
考えるプロセスを重視し、考えを交流し合う授業には、考える時間が必要だ。
教師の予想した範囲におさまる考え方だけでなく、多様な考えを聞くことも必要だ。

子どもの考えたことをもとに授業をすすめる。
たとえ答えが間違っていたとしても、考えるプロセスを重視し、考えたことの中に価値を見出す。

そのようにして、子どもと対話しながらすすめる授業は私も楽しいし、子どもも楽しそうだった。

ただ、そういう授業は時間がかかる。
教科書の内容を指導書通りやるのではなく、自分で考えて、やる順番ややり方をかえれば、そういう楽しい授業ができる時もあった。

でも、今の現場は、制約が多く、自分で自由にできる範囲が限られているという問題点も議論されていた。
教師自身が考える時間があまりないという問題もある。


プログラミング教育なんて小学校に新たに導入しなくても、算数で考える力を育てればいいと私は改めて思った。

近頃、家庭学習までコンピュータで管理されつつあるのを見て、おかしな世の中になったものだと感じる。


小寺さんは、「勝ち組」になれと子どもたちに言うような教育のあり方を批判されていたが、全く同感である。

格差社会そのものの問題を不問に付して、「勝ち組」になるために学べというのは、子どもたちを追い詰めるだけである。

子どもたちは「勝ち組」になるために学ぶのか?
私たちは競争に勝つために学ぶのか?


学ぶ楽しさ、喜びは、もっと他のところにあることを伝えていきたいものである。


<学ぶ時間がない先生はつらいよ>

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 若い教員を育てられない教育... | トップ | 地域の自治会活動の中で »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

江戸川区教組」カテゴリの最新記事