カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【宇宙誕生以前へ②】炎上上等の魁‼︎男塾的直進行軍💦無数に起こる⁉︎ビッグバン💦駆け足の宇宙一生ツアー

こんにちは、カタツムリ系です🐌

本書↓の筆者ローレンス・クラウス博士。「魁‼︎男塾」的な喧嘩っ早いスタンスとは別に、とても丁寧に、とてもフレンドリーに解説を進められています。

魁!!男塾 - TOEI ANIMATION

しかも、かなりの急ぎ足で、宇宙誕生から現在、もしくは宇宙の終わりまでのツアーを意図されています。いきおい、内容は、まさに、ぎゅっと詰まっています。読まざるを得ません💦まさに、直進行軍💦

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)

宇宙が始まる前には何があったのか? (文春文庫)

 

出典はアマゾンさん。

 

 

 

科学者の世界では、すべては必然だという常識は強固だったようです💦

P-181

空っぽの空間のエネルギーはゼロでないばかりか、素粒子物理学の理論から予想された値より百二十桁も小さいという、説明のつかない事実が明らかになるまで、自然界の基本的な物理量の値は、すべて意味をもつはずだ、というのが物理学者たちにとってた常識だった 

しかし、百二十桁も違わなければ考え直さないなんて、それはそれで、インパクトのある話。早く笑いとばして訂正した上、次のステージへ進むのが健全な感じがするのですが。

ただ、それがダメなら、いったい、どんな理論が正しいのか?という質問に対し、プランBがなかったのかもしれません。分からないものは分からないはず。しかし、日本では物理帝国主義とまで呼ばれたほどのセレブ学問。そんな物理学への信仰が、分からないとは言わせなかったのかもしれません。  

ちなみに、空っぽの空間のエネルギーというのは、例のダーク(暗黒)マター、ダーク(暗黒)エネルギーに含まれるエネルギーのことです。

天文学辞典 » ダークマター

天文学辞典 » ダークエネルギー

P-181

空っぽの空間がエネルギーを含んでいることが発見されると、自然界において、何が必然で何が偶然なのかを、考え直してみようという物理学者が増え始めた

ようやく、自由にモノを考えられる環境になったということでしょうか💦

 

では、なにが偶然で、なにが特別なのか→空っぽの空間のエネルギー密度が鍵🔑

そんな初心に戻るようなマインドになったお陰か、いろいろと見えてくるものがあったようです。

P-182

地球は太陽系の中心ではないことを知っているし、太陽は銀河系の辺境にある平凡な星に過ぎないことも、銀河系は観測可能なの宇宙に散りばめられている四千億個もの銀河のひとつに過ぎないことも知っている。

そう、すなわち

P-182

宇宙の中でわれわれが存在している場所と時間には、なにも特別なところがない 

のです。随分な謙虚さ💦これが真実だったとしても

   「我々は特別」→「我々は何者でもない」

という、極端から、もう一方の極端への移行がすごい。しかし

P-181

今日、暗黒エネルギーを測定することができるのは、「今」という時代が、宇宙の歴史の中で唯一、空っぽの空間のエネルギー密度が、物質のエネルギー密度と同程度になる時代だからである、という奇妙な偶然  

物質エネルギーの密度については、宇宙は膨張するので、だんだん薄くなるのは分かります。一方、空っぽの空間のエネルギー密度は不変だそうです(それはそれで、オドロキ)。物質エネルギーの密度がだんだん低くなって、いま、ようやく、空っぽの空間エネルギー密度に追いつかれ、両者はだいたい同じ水準なのだとか。

両者が同じくらいになったから測定しやすい?!素人考えだと、密度は異なっていたほうが、目立ちやすいので、より測定も容易な気もしますが。。。。技術的な、もしくは理論的な理由付けは特に言及されていないので、分かりません。

ただし、今までは、圧倒的に物質エネルギー密度の方が高かったので、空っぽの空間のエネルギーが無視されてしまっていた可能性があり、同じ水準だからこそ、目を向けるキッカケがあったのかもしれません。なお、今後は、物質エネルギー密度の方が、空っぽの空間エネルギー密度より薄くなります。もはや、「空っぽ」とは言えなさそうです💦

 

そうすると、新たな考え方が出てくる→マルチ・バース

こうした強烈な偶然があるのなら、反対に、こんな偶然のない宇宙があっても、おかしくない、という考え方。マルチ・バース。多元的宇宙。分かりやすい例で言えば、唯一無二と考えられていた「ビッグバン」が、至る所で起こっている可能性があるということ。

 

そこで開発に注力された「ひも理論」ですが

P-195

理論家の中には、ひとつの十次元ひも理論から、10^500種類もの、数学的には矛盾のない四次元宇宙が生じるという予測を導き出した人たちもいる。

10の500乗の四次元空間💦もはや、意味があるとは考えにくいですが、たしかに筆者も

P-195

この宇宙の「すべてを説明する理論」となるはずだったものが、突如として「なんでもありの理論」になってしまった

と。ちょっとした笑い話💦しかし、ひも理論は、ひも理論で頑張っていて、現在は十次元ですが

P-193

「超対称性」と呼ばれる驚くほど強力な数学的枠組みを導入することにより、理論が無矛盾であるために必要な次元数を、二十六次元から、だった十次元にまで減らすことができた

初めて知りました。「ひも理論」は数学の影響がとりわけ強く、数学的に考えるから、次元数が多くなるのですね。たくさん、条件づけがあるのでしょうね。

 

最後に

相当、こんがらがってます💦あとは、本書独自の立場での

  •     現時点での処方箋と
  •      宇宙の終わりまでの見通し  

がついていると、整理もされるし、相当面白かったのに💦

 

また、次回

 

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