こんにちは、カタツムリ系です🐌
本シリーズの最終作である第12作目。ポップな面は後退し、その代わり、オカルトとおどろおだろしさが、高濃度に凝縮された、眠狂四郎ならではの、濃い内容になっています。
前回の記事↓
おすすめポイント
①オープニング。般若のお面の眼光の鋭さ
→般若(ハンニャ)のお面。般若とは、大乗
仏教において「智慧」を意味する存在らし
い。
しかし、この、白く、無表情で、つり上が
った目は、本シリーズの不気味さをよくよ
く伝えています。
②江戸城 大奥での拷問
→前作の「人肌蜘蛛」では、江戸時代のセレ
ブの狂気の沙汰が目立ちました。しかし、
そこは、江戸から遠く離れた場所ゆえかと
思っていましたが、江戸のど真ん中にも、
クレイジーな人は人と行いが、量産されて
いました💦
③眠狂四郎vs偽眠狂四郎
→たとえば「眠狂四郎 無頼剣」↓ では、
眠狂四郎自らが認めるライバルの存在があ
りました。しかし、ここでは、あからさま
している強敵。本物の敵は最後に現れたよ
うです💦
トリセツ)
私こと、カタツムリ系的に「ここだ!」というところを、スナップ・ショット的にピック・アップしていきます。
なので、必ずしも、全体を丁寧に網羅しないことも💦
作品紹介
側室が将軍の子を身ごもったことに端を発して
江戸城は、勢力争いが激化。暗殺が江戸城の内外を問わず行われ、眠狂四郎に濡れ衣が着せられることに。自らに火の粉が降りかかった眠狂四郎は、大奥に入り込み、真相に近づく。そして、最後は偽眠狂四郎との一騎打ち。
出典はアマゾンさん。
稀に見るハイレベルな剣の闘い
偽眠狂四郎vs眠狂四郎。どちらも円月殺法をマスターしている設定。眠狂四郎を演じる市川雷蔵さんも、毎作品で、その剣術を披露さらていますが、今回は最大の敵なせいでしょうか。普段の直立に近い構えてまはなく、身体を折り曲げるまでに追い込まれた、ハイレベルな、本気の闘いが繰り広げられます。
お気に入りセリフ集
①偽眠狂四郎の犯行の濡れ衣を着せられ、剣を持った人たちに囲まれた時
これまで刃(ヤイバ)にかけた相手を記憶にとどめておく菩提心(ボダイシン)に欠けていた。いつどこで斬ったか思い出させて頂こう。
菩提心とは、死者を弔う心、くらいの意味でしょうか。
決闘の直前に、殺した相手を思い出させてくれ、とは、これ以上ないほどに、誰にも頼ることのない、彼のハードボイルドさを感じます。
②同じく、偽眠狂四郎の犯行に記憶があるかと聞かれての回答
相手が仕掛けてこぬ限り、自ら仕掛けた記憶は一度もない
このポリシーは本シリーズ12作全作を通じて貫かれていると思います😊
③ついに、偽眠狂四郎と対峙することとなった時の一言
今まで眠狂四郎が何人いようと構わぬと思っていたが、その料簡(リョウケン)が変わった。狂四郎はやはり一人でなければならぬ。貴様は生かしてはおけぬ。
眠狂四郎が「貴様は生かしておけぬ」なんて、ベタなことを口走るなんて、おそらく初めてでは?!それほどに、眠狂四郎とて余裕なく、そして、本気の本気な風が伝わります。
最後に
本シリーズは1963年の「眠狂四郎殺法帖」に始まり、1969年に公開の本作の、全12作。時代性もあり、オトナなシーンも少なくありませんが、それはそれとして、エンターテイメントのスピリット溢れる、名作揃いでした😊
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