カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【量子力学のラスボス②】量子力学の誕生

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

本書の内容はそれこそ量子力学の教科書に出てくるような内容もあろうかと思いますが、私の理解力が全然追いつきません。にも、関わらず読み続けているのは、専門用語(の理解はともかく)に慣れてきたこと、そして、何より、使命感とも言うべき量子力学への取り組みに、私なりに感銘を受けているからでもあります。いやー、偉い人は偉い💦そう、量子力学誕生のゴッドファーザーたるボーア博士たちの物語の続きです。

ニールス・ボーア論文集〈2〉量子力学の誕生 (岩波文庫)

ニールス・ボーア論文集〈2〉量子力学の誕生 (岩波文庫)

 

 

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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スタート地点でもあり、常にメインテーマともなる「作用量子」

量子力学とそれ以前を峻別するポイントはいくつかあると思いますが、私が知る限り、大きな相違点は次の三点。

  1.     すべての物質は、粒子であり波動の二重性を認めること
  2.     観測者は、観測した時点で、観測対象に影響を及ぼしてしまい「客観的な」観測はありえない
  3.     量子力学以前のよう古典物理学が「連続した数値」を前提としているのに比べて、量子力学は、物質は「とびとびの整数という値」をとることを前提としていること

本書では、特に三つ目が何度も強調されています。

P-361

作用量子を古典物理学の内部矛盾のない一般化に組み込むと言う課題は、依然として厄介で深刻な困難を抱えていました

「作用量子」というのは、現在使われている「量子」とほぼ同じ使われ方をしている印象あります。プランク定数の別名です。

作用量子(さようりょうし)とは - コトバンク

「E=hν」という公式で、エネルギーEは、プランク定数hの「整数倍」(振動数ν)で表されます。私にはあまりピンときませんが、とにかく、物理に関する数字が連続した値をとらず、「整数倍」のように「とびとびの値」をとることが革新的なのだそうです💦古典物理学では考えられないことなんだそうです。物質をそんな革新的な「作用量子」の集合として見るのが、量子力学

 

古典物理学の理想というか、拘りというか、弱点というか💦

それにしても

  •    物理的数値が、連続した数値であるべきとか
  •    宇宙は一様で定常できなものであるべきとか

古典物理学では、宇宙に対する理想形があったようですね。特に後者は、かのアインシュタインも強く強く支持。でも、リアルタイムでないと、その理由とか、熱い想いとかは、もう分かりません💦

 

アインシュタインもハイゼンベルグも、自らの研究のために数学の新しい分野を学習。大変ですね💦

アインシュタイン一般相対性理論を編み出すために、曲面もカバーする数学分野を学習したとか。リーマン幾何学というのだとか。我々が学校で習うのは、全て「平面」での計算。あれだけでも面倒なのに「曲がった空間」まで計算しようとするのだとか。同じように?!「行列」をマスターして量子力学の発展に寄与したとか。

ハイゼンベルクとは - コトバンク

 

P-364

今ではゲッチンゲンの碩学の数学者たちがエルミット行列についてさかんにお喋りしていますが、しかし僕は、じつは行列が何であるのかさえ知らないのです

とは、それ以前のハイゼンベルグの言葉。しかも

P-366

ハイゼンベルグ行列力学シュレディンガー波動力学という異なる方法の完全な同等性

もう一人の量子力学誕生の雄、シュレディンガーと形は違えど、同じ内容を編み出していたという逸話も、天才相通ずる感がして、エピソードらしいエピソード😊

 

最後に

自分の力量の無さはとりあえず棚にあげますが、なかなか、しんどい本書の内容。これ、読める人、もしくは読もうという人は果たしているのかな?という印象。とは言え、五十年まえくらいは「物理帝国主義」なんて言われて、大人気分野だったので、果敢に挑戦した人もいたんでしょうね。とは言え、嫌いではいんですよね、これが💦

 

また、次回。

 

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