*ベルゲングリューンより
ローマのカピトル宮殿に来られたし--これに続いて、署名も認められていた。
神の御加護の下に、ローマ共和国を救済せし、イタリアと全世界の同胞に味方となり、御聖霊の恩寵ににより、自由と平和と正義をもたらせし護民官、並びに、貧者と寡婦と孤児の保護者たるニコラウスとその妻
ガブリーニは、ことの内容がよく呑み込めなかった。すると使いの騎兵は再度、読み上げ説明を加えた。
このお方はつまり、そなたの甥のコーラ閣下なのですぞ。実に甥のコーラ閣下様なのですぞ。・・
だが書状によれば、この護民官の縁者は、すべからく貧困と隠遁の生活は罷りならず、ガブリーニも即刻、田畑を手放しローマに赴かねばならぬ、と云うのである。
次第に事情が飲み込めてくると、ガブリーニは本当にあのどえらい饒舌家だったコーラに違いないと思い当たった。
思ってた通りぢゃ。あの男が平凡な暮らしに満足する筈はないからのう
W.Bergengruen :Vogel-Schalchen
Ubersetzt von HERRN*SOMMER-夏目