Rainy Soul ~イギリス研究留学してました~

研究者がアカデミックなことなどを中心に徒然なるままに書いています。イギリスに研究留学していた際の情報も載せています。

中国の科学論文シェア急上昇 毎日新聞の記事より

2019-05-06 | 徒然に書きたいこと・思いついたこと
『2015~17年の質の高い科学論文の国別シェアで、中国が理工系の151研究領域のうち71領域で首位を占めていることが、国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)の分析で分かった。残りの80領域は米国が首位で、最先端の科学研究で米中両国の2強体制が鮮明になった。一方、日本は上位5位以内の研究領域の数が約20年前に比べ激減しており、相対的に研究力が低下している現状が浮き彫りになった。』引用元はこちら

一昨年の記事(アカデミックな世界の現状 その1 自然科学論文数の世界ランキングの低下)にも書いたのですが、至極当然の結果ですね。これからも研究力の低下はどんどんと進んでいくことでしょう。

先日も、文系で学振の特別研究員でSPDに採用されながらもポストが得られず、様々な要因も重なって自死されてしまうという悲しいニュースがありました。研究者として衝撃だったのは、日本で数人しか選ばれないSPDに採択されても、研究者としてのポストを獲得できないことがあるということを世に知らしめたことでしょうか。SPDはその世代のTOP5に入るような優秀な研究者である可能性が高く、超エリートです。それでもだめということは、日本ではやはり業績よりもコネクションが重要だということも示唆していますよね。特に文系の場合は、多くの私立大学などでは講義をする講師が欲しいのであって、研究をする研究者を求めているわけではないというのも大いに関係していると思います。理系の知り合いの方からでさえも、とある私大では研究をして怒られたという話も聞いたことがあるくらいですから……。実際に研究をするのが許されるのは一部の上位の大学と研究機関だけですね。そこでも研究の中心である若手研究者の数は減らされ、研究活動に興味がなく自分の地位だけを追い求める老害が跋扈している訳ですが……。

学生を見ていても
・できるだけ楽して生きていきたい
・人並みの生活ができればそれでいい
など、向上心が無い人がどんどん増えてきているので、日本としての国力はこれからもどんどん下っていくことでしょう。
研究力の低下はその一つの兆候にしか過ぎないと思います。
国としての発展も長い時間軸で見ればホメオスタシス(恒常性)を保っていると考えれば興味深いものでもありますが。。。


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