なんとかなる日々

なんとなく きげんよく のびやかに。

抗がん剤の副作用 干し柿

風邪っぴきもだいぶとましになったので、実家へでかけました。
退院はしたものの、母の2回目の抗がん剤投与は、先週の水金(4日と6日)。2回目からは入院せずに通院で、4時間ほどかけて点滴しています。入院するのは1回目のときだけ。普段通りに暮らしながら通院して、という方針です。
次は12月の下旬に3回目の投与をして、来月1月にPET検査をして、薬の効き具合を確かめて、また治療方針が検討されます。

さて、今日、どうかなぁと顔をだしたら、家の中のことをぱたぱたとしていて。
言われていたとおり副作用の脱毛が始まっていました。冬なので、あったかくてかわいい毛糸の帽子をみつくろってかぶっていました。

「ちょっと味みて」
と、ポテトサラダを作ってくれていて、お芋をぐるぐるかき混ぜながら、がしがしとマヨネーズを投入している。「味がせんから、塩もいれてんけど。で、酢ぅもいれた」との談‥不安‥ちょっぴり口にいれてみたら、案の定、しょっぱい、すっぱい、マヨネーズ多量の想像通りの味。
「むっちゃしょっぱいわ」
「(わたしが味をみたあたりを指して)そこらへんに、塩ふってん。まだちゃんと混ぜてへんから、このへんやったら大丈夫ちゃう?」‥とあいかわらずの負けず嫌い。でも、どこを味見してもしょっぱい。
「なんとか、おいしくしてぇな(笑)」
といわれても、さすがにこれは難しく、味を薄めるのに芋を追加するとしても、今でさえボールいっぱいのポテトサラダが、10倍ぐらいになるぞ、と。
「もうな、副作用で味が変になってるんやわ。これな、あきらめ。こう、ディップとしてそのままの芋につけるとか、ゆで卵に添えるとかしたら美味しく食べれるわ」
と苦肉の策を提案して納得させました。今日の食卓にはちょっぴりだして、あとは「冷凍しとく」と小分けにして冷凍庫にいれていました。

「なんや、味、わからへんよぉになってるんやな。やっぱりそうか。きのうな、診察で副作用どうですか、味とか変わってない?って医者(せんせぇ)に聞かれて、変ってません、って答えてんけど(笑)。自分では変わってへんつもりやねんけど、変っとんのやなぁ。そういえば、きのう帰りしなにうどん食べたら変な味やってん。」

自分の味覚の変化は、比較対象もなくて、自分だけではわかりきらんもんなんやな、と思いました。
父は自分のご飯を自分で作って食べれる人なので、ふだんから、それぞれが自分の食べたいものを自分で誂えています。お互いに「食べるかな?」というものはシェアしてるみたいで、なかなかいい関係です。父に「母の味覚が変わってるから気を付けて。むっちゃしょっぱいから、血圧とか影響ないようにみてあげてな」と。
ただ、嘔吐している様子はないので、今は食べれるもの、食べたいものを食べたいだけお食べとしています。100歳近くまで生きた(胃がんで胃を摘出していた)祖母は、なんせ、食べてました。食べることはとても大事だと、家族みんなが同じように考えています。なんとか副作用があまりつらくなく闘病できますように。

母の入院中に親戚から届いた渋柿を、父がせっせと皮をむいて干し柿にしてくれていて。ひとつふたつもらって帰ってきて食べたら、甘くてむちゃくちゃ美味しかった。
串柿ではなく、あんぽ柿というんだとか。
父、やるやん。


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