BEAST SIDE 1

ジュエリーアーティスト太田マリ(タバサ)です。工房からの制作風景、プライベートでやってるロックバンドの話も少しだけ。

オーダーメイドリング「MMXX」製作工程その2

2020-08-05 10:32:07 | オーダーメイドジュエリー
前回、ワックス原型が完成したところまでを書きました。

今回は、ワックス原型をキャスト屋さんに出して、シルバー925で鋳造してもらったところからです。


鋳造されたものがあがってきました。

いつもどおり真っ白です。




これをヤスリやキサゲ、電動工具などを使って仕上げていきます。

リングはサイズの指定があるので内側の仕上げにもかなり気を使います。

仕上げていくうちに削られてオーバーサイズになってしまうといけないので、私の場合、少しサイズを小さめに見積もってWAX原型を作っています。

キャストでは少し縮みもでるのでその分も見込みます。

仕上げの作業ができるだけ少なくてすむようにギリギリを狙いたいのですが、なかなかそれが難しく、今回も少し小さめサイズであがってきたので、文字を彫っていない後ろ側の地金をたたいてサイズ決めを。

充分厚みもあるリングですので、たたいて少し延ばして、うまくサイズが決まりました。




内側が決まったら表面の仕上げをしていきます。


オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(ヤスリ)



上の動画はヤスリの作業。



下はキサゲという道具を使っています。
キサゲは、地金がつつつっと切れていくのが気持ちよい道具です。

オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(キサゲ)



目の細かなペーパーなども使って全体を仕上げた後、バフモーターでぴかぴかつるつるに仕上げます。


仕上がりました。





オーダーメイドリング「MMXX」仕上げ風景(黒上げ前)




今回は、文字部分のへこんだところを黒くいぶし仕上げにしようと思っていました。

シルバーの場合、白いイハダ(キャスト上がりそのままの表面)もきれいでステキなのですが、今回はカッコいいシルバーリングに仕上げたかったので、薬品をつかっていぶし仕上げをしました。



完成です。






シルバーは時間とともに色が黒ずんできて、深みのある銀独特の重厚感が出てきます。

今回のリングも完成直後はいぶしをいれた黒い部分とぴかぴか部分のコントラストもくっきりしていますが、長くご使用していただくうちに色めも落ち着いて深みがでてくると思います。

また、普段使いで小傷がはいっていくことにより、あたたかみが増し、愛着がわいてくるのもシルバージュエリーの良さです。



オーダーメイドリング「MMXX」完成




箱に入れて完成、無事に納品がすみました。





「2020をリングに刻みたい」というご希望をうかがった時は、その思いをちゃんと形にしてさしあげられるかけっこう不安でした。

しかし作り終えてみれば、このコロナ渦の中で工房にこもって、とても楽しい製作ができました。

お友達もたいへん喜んでくださって、心からホッといたしました。


この先、日本が、世界がどうなっていくのか今まだ読めませんが、幸いにも私の仕事は仕事場にこもって人と会わずにできることなので、落胆せず、コツコツと物つくりをしていこうと思います。





今回のリングをご依頼いただいたお友達のお店「ハンダヒロコ」はこちらです。

Smily Bar ハンダヒロコ

(現在はコロナ渦の中での時短営業となっていますので、営業時間等ご注意ください。)



ジュエリーTABITHA

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